ショーグン債の利息を外貨で受け取った後、どうやって管理すればいいのでしょうか?
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2025/04/09 09:58
男性
40代
ショーグン債は外貨建てで利息や元本が支払われると聞きました。外貨での受け取りとなると、管理や再投資の方法、為替のタイミングなど、実際にどのような運用になるのかを詳しく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ショーグン債の利息や償還金は通常、証券会社に開設した外貨建ての口座に振り込まれます。受け取った外貨の運用方法には、主に次のような選択肢があります。
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そのまま外貨で保有する
為替レートが不利な時期に円転(日本円への両替)を避けることができます。将来的な為替差益を狙った運用も可能になります。
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外貨建て商品の再投資
外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)や外貨預金、外貨建て投資信託などで運用する方法があります。外貨建て資産を継続保有し、分散投資を図りたい場合に適しています。
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円に両替(円転)する
円での資金需要がある場合や、為替レートが有利なタイミングでは円転を検討するのも良いでしょう。ただし、円転の際には為替手数料(スプレッド)がかかるため、証券会社によって手数料の比較をしてコストを抑える工夫が重要になります。
また、為替リスクの管理が重要になるため、定期的に為替相場を確認し、計画的に両替や再投資のタイミングを判断することがポイントです。
実際の運用や外貨管理については、利用する証券会社ごとに手数料や提供商品が異なるため、あらかじめ複数社の条件を比較しておくことをおすすめします。
外貨の管理や投資先の選定、為替のタイミングに不安がある場合は、資産運用の専門家に相談すると、自分に合った運用方法やリスク管理方法を具体的にアドバイスしてもらえるでしょう。
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関連する専門用語
ショーグン債
ショーグン債とは、日本の国内市場で発行される外国の企業や政府などによる外貨建ての債券のことです。日本円ではなく、ドルやユーロなどの外国通貨で発行されますが、日本の投資家が購入できるように日本の規制や取引所のルールに沿って発行されます。 発行体が外国であるため、信用力や通貨リスクを考慮する必要がありますが、日本国内で手に入るため、海外に直接投資するよりも手軽に国際分散投資を行う手段として利用されます。「ショーグン債」という名前は、海外の発行体が日本市場に「攻め入る」イメージから名づけられたユニークな呼び名です。
円転
円転とは、外貨で保有している資産や受け取ったお金を日本円に換えることを指します。たとえば、外貨建て債券の利息や元本を受け取ったあと、それを日本円に両替する行為が円転にあたります。為替レートの影響を受けるため、円高のときに円転すれば受け取る円の金額が少なくなり、円安のときには多くなる傾向があります。そのため、いつ円転するかが投資の成果に大きく影響することもあります。外貨で運用している資産を最終的に日本で使う予定がある場合、この円転のタイミングや為替リスクへの備えがとても重要になります。
為替
為替とは、取引において、現金を用いる代わりに、手形・証書・小切手などを用いて取引を済ませる方法。為替は内国為替と外国為替に分けることができ、前者は同一国内における取引を現金ではなく為替によって行うもの、後者は海外との間での取引を為替によって行うものを指す。また、外国為替は外国為替相場での為替レートを指す言葉として使われることもある。
為替差損益
為替差損益とは、外貨を取引する際に為替相場の変動によって生じる損失と利益のことで、為替差益・為替差損と呼ばれることもある。 払戻時の円普通預金への入金額(円貨)-外貨払戻額×平均購入レート によって計算される。
MMF
MMF(マネー・マーケット・ファンド)は、短期の金融商品を中心に運用される投資信託の一種で、安全性と流動性を重視した資産運用手段です。主な投資対象は、国債や社債、コマーシャルペーパー(CP)などの信用度の高い短期証券で、銀行預金よりも高い利回りを目指しつつ、価格変動リスクを抑える設計になっています。MMFは通常、出資後すぐに換金可能で、短期的な資金管理に適しています。日本では、かつて円建てのMMFが提供されていましたが、低金利環境や元本割れのリスクから、2017年までに各運用会社が償還を決定し、現在では提供されていません。一方、外貨建てのMMFは引き続き販売されており、2025年1月末時点での残高は約2.7兆円と報告されています。