カスタマイズ型のインデックス運用にはどのくらいの資産が必要ですか?
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2025/04/04 19:57
男性
30代
インデックスを個別銘柄で再現しながら運用する場合、どの程度の投資資金が必要になるのでしょうか?分散投資を考えると、それなりにまとまった金額が必要になる印象があります。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
カスタマイズ型のインデックス運用とは、ETFや投資信託を使わず、自ら個別銘柄を選んでインデックスに近い値動きを目指す手法です。この運用方法では、構成銘柄の数や比率をある程度再現する必要があるため、分散性を確保するにはまとまった投資資金が求められます。
たとえば、米国の代表的な株価指数であるS&P500を個別株で再現しようとすると、構成銘柄数が約500社にのぼり、すべてを適切な比率で保有するには1,000万円以上の資金が必要になるケースもあります。特に高額な株価の銘柄や単元株数の大きい企業を含む場合は、必要資金がさらに増加します。
その一方で、近年ではS&P500の中から代表的な数十銘柄に絞って構成する「縮小版インデックス運用」も注目されています。この方法であれば、300万円前後からの運用も現実的で、銘柄選定やリバランスを支援するロボアドバイザーなどのサービスを活用すれば、手間を抑えて管理することも可能です。
ただし、銘柄数を絞るほどインデックスとの乖離(トラッキングエラー)が生じやすくなります。どの程度インデックスに近づけたいのか、どこまでのリスクを許容できるのかを明確にしたうえで運用方針を決めることが重要です。判断に迷う場合は、資産運用に精通した専門家に相談することで、より自分に合ったアプローチが見つかるでしょう。
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インデックス
インデックス(Index)は、市場の動きを把握するための重要な指標です。複数の銘柄を一定の基準で組み合わせることで、市場全体や特定分野の値動きを分かりやすく数値化しています。 代表的なものには、日本の株式市場を代表する日経平均株価やTOPIX、米国市場の代表格であるS&P500などがあります。これらのインデックスは、投資信託などの運用成果を評価する際の基準として広く活用されており、特にパッシブ運用(インデックス運用)では、この指標と同じような値動きを実現することを目標としています。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。
S&P500指数
S&P500指数とは、アメリカの代表的な株価指数の一つで、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。米国を代表する主要企業500社の株価をもとに構成されており、テクノロジー、金融、ヘルスケアなど幅広い業種が含まれるのが特徴です。 この指数は、米国株式市場全体の動向を示す指標として世界中の投資家に注目されており、投資信託やETF(上場投資信託)のベンチマークとしても広く活用されています。「アメリカ経済の健康状態を測る体温計」とも言われる、非常に重要な指標です。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。
トラッキングエラー
トラッキングエラーとは、主にインデックスファンドなどの運用成績が、目標とする指数(たとえば日経平均株価やS&P500など)とどれくらいズレているかを示す指標です。ファンドは基本的に指数に連動するように運用されますが、運用コストや売買のタイミングの違いなどにより、実際の成績が指数と完全に一致することはまれです。 この差が大きいほど、運用が指数とずれていると評価されます。トラッキングエラーが小さいほど、より正確に指数に連動しているとされ、インデックス投資においては重要な確認ポイントとなります。