REIT(リート)と直接不動産投資の違いは?
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2025/03/06 16:08
男性
30代
REIT(リート)と実物不動産投資の違いは何ですか?また、それぞれの投資手法におけるメリットとデメリットについて詳しく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
REIT(不動産投資信託)は、プロが運用する複数物件のポートフォリオに1万円ほどから参加でき、証券取引所で株式のように即時売買できるため、流動性と価格の透明性が高い点が最大の強みです。分配金は賃料や物件売却益の大部分(90%前後)が原資となり、投資家は保有期間中に安定収入を期待できます。ただし、市場全体の値動きや金利変動に連動しやすく、内部レバレッジや運用報酬が分配金を圧迫するリスクもあります。加えて、投資家自身が物件選定や改修方針を決める裁量は持てません。
一方、直接不動産投資は区分マンションや一棟ビルなど現物資産を取得し、賃料設定・リノベーション・入居者管理といった意思決定を自ら行えるため、バリューアップによる資産成長や減価償却による節税が狙えます。インフレ局面では賃料改定で実質価値を守りやすく、株式市場の急変にも左右されにくいのが特長です。しかし、物件価格は数百万円〜数億円に上り、融資審査・自己資金の確保が必要です。空室リスクや修繕コスト、固定資産税などの維持費もすべて自己負担となり、売却までの流動性は低いままです。さらに、1〜数件の物件に資産が集中しやすく、地域・用途の分散が不足すれば景気や人口動態の変化による収益変動に脆弱です。
少額分散と高い換金性を優先するならREIT、自分の裁量で収益最大化や節税を図りながら長期で安定キャッシュフローを確保したいなら直接不動産投資が向いています。資金規模、運用に割ける時間、リスク許容度を踏まえ、双方を組み合わせてポートフォリオを多層化する選択肢も検討するとよいでしょう。