四季報を使ってこれから大きく成長するグロース企業を見つけるにはどうすればいいですか?
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2024/09/12 20:39
男性
30代
成長企業に関心があるため、グロース投資を始めようと考えています。<br>まずは、四季報を買っていくつか興味ある企業の情報を眺めて、関心のある業種でシェアが大きいとか、独自性が強そうな企業をピックアップしましたが、すでに成長しきっているのか、それとも成長余地があるのかはよくわかりませんでした。<br>他に、四季報のどのような点を見るとグロース株ということがわかるでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
四季報で真のグロース企業を絞り込む鍵は、定量と定性の往復で「持続的な高成長の根拠」を見極めることです。まず〈業績〉欄で売上高・営業利益・純利益の3期推移と翌期予想を並べ、年平均成長率(CAGR)が20%前後を超えて滑らかに伸びる銘柄を一次候補とします。売上だけが膨張し利益が伴っていないケースを除くため、営業利益率のトレンドにも目を配り、5%以上の改善または20%超で維持している企業を優先します。次に〈会社予想〉と〈四季報予想〉の乖離を比較し、四季報側が上方修正(「増額」「最高益更新」など)を示しているかを確認すると、市場がまだ織り込んでいない成長モメンタムを早期に捉えやすくなります。
定量チェックを通過した銘柄は、〈特色〉〈連結事業〉〈トピックス〉を熟読し、①プロダクトやビジネスモデルの模倣困難性、②拡大可能な市場規模(TAM)と競争優位の源泉、③海外展開・M&A・新規事業といった具体的な成長ドライバー――がそろっているかを検証します。さらに自己資本比率やネットキャッシュの水準を確認し、攻めの投資を自己資金で賄える財務余力があるか、希薄化リスクを抑えつつ成長投資を継続できるかを見極めてください。経営陣の実行力や株主還元方針も、〈トピックス〉や決算説明資料から補完すると、中長期で複利成長を維持できる企業かどうかの判断精度が高まります。
最後に、四季報は発行時点のスナップショットにすぎません。最新決算短信・IR資料や競合の動向、マクロ環境の変化を照らし合わせ、「なぜ伸びるのか、いつまで伸びるのか」を自分の言葉で説明できる段階まで検証を深めましょう。数字とストーリーの両面で自信が持てた銘柄こそ、四季報を起点とするグロース投資のコア候補となります。
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会社四季報とは、日本の全上場企業約4,000社の株価や業績に関する情報を1冊にまとめたデータ本で、東洋経済新報社発刊です。「四季報」という言葉の通り、毎年3、6、9、12月と年に4回発売されています。国内の全上場企業の情報が1冊でコンパクトにまとまっている出版物は海外ではあまり見られず、日本特有のものとして評価されています。
グロース株
グロース株とは、現状株価が多少高くても、業績が良好で将来的にさらなる成長や株価の上昇が見込める株のことを指します。成長株とも呼びます。
成長株
成長株とは、現状株価が多少高くても、業績が良好で将来的にさらなる成長や株価の上昇が見込める株のことを指します。グロース株とも呼びます。