資産管理会社を活用した相続対策の具体例は?
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2025/03/28 20:11
男性
50代
資産管理会社を使うと相続税の負担を抑えられると聞きましたが、具体的にどのような方法があるのでしょうか?また、不動産や株式を法人名義にすることでどのような相続上のメリットがあるのか、デメリットも含めて詳しく知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
資産管理会社を活用することで、相続税の負担を軽減し、円滑な資産承継を実現することができます。例えば、不動産を法人名義にすることで、相続時には法人の「株式」を相続する形となり、不動産を直接相続するよりも資産の分割がしやすくなります。また、資産管理会社の株式を生前に家族に分散しておくことで、相続発生時の課税評価額を引き下げることも可能です。さらに、法人名義で生命保険に加入し、相続時の納税資金を確保する方法も有効です。ただし、法人への不動産移転時には税負担が発生するため、税理士と相談しながら慎重に計画を立てることが重要です。
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相続税
相続税とは、人が亡くなった際に、その人の財産を配偶者や子どもなどの相続人が受け継いだときに課される税金です。対象となる財産には、預貯金や不動産、株式、貴金属、事業用資産などが含まれ、相続財産の合計額が一定の基準額を超えると課税対象となります。 相続税には、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除があり、この範囲内であれば原則として税金はかかりません。しかし、資産規模が大きい場合や相続人の数が少ない場合には、課税対象となり、10%〜55%の累進税率が適用されます。 さらに、相続税にはさまざまな非課税枠や控除制度が設けられており、これらを適切に活用することで税負担を抑えることが可能です。代表的な制度には以下のようなものがあります。 - 生命保険金の非課税枠:法定相続人1人あたり500万円まで非課税 - 死亡退職金の非課税枠:生命保険と同様に1人あたり500万円まで非課税 - 債務控除:被相続人に借入金などの債務があった場合、その金額を控除可能 - 葬式費用の控除:通夜・葬儀などにかかった費用は、相続財産から差し引くことができる また、配偶者には配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)が認められており、適切に遺産分割を行えば、税額を大幅に減らすことができます。 相続税は、財産の種類や分割の仕方、受け取る人の立場によって税額が大きく変動するため、生前からの対策が非常に重要です。生命保険や不動産の活用、資産の組み替えなどを通じて、相続税評価額をコントロールすることが、家族への負担を減らし、スムーズな資産承継を実現するための鍵となります。
資産管理会社
資産管理会社とは、不動産や株式などの資産を法人の名義で保有・管理し、それらから得られる賃料収入や配当金などによって利益を上げることを目的とした会社のことです。もともとは個人が持っていた資産を法人に移す、いわゆる「資産の法人化」によって設立されるケースが多く見られます。 このように資産を法人として持つことで、個人で所有していた場合と比べて税金面でのメリットを得られることがあります。たとえば、法人の方が税率が低くなることがあるため、収益が大きい場合にはトータルの税負担が軽くなる可能性があります。また、家族を役員にして給与を支払うことで所得を分散し、所得税を抑えるといった節税対策も可能になります。 さらに、資産管理会社を通じて不動産などの資産を保有することで、相続や事業承継の計画を立てやすくなるという側面もあります。個人名義で資産を持つよりも、法人として一括管理するほうが、将来的な引き継ぎや財産の分配を円滑に行いやすくなるのです。 ただし、税務メリットだけを目的に設立すると、かえって不利になる場合や、運営コストがかさむこともあります。そのため、資産管理会社をつくる際は、収益の規模や資産の種類、将来の相続までを見据えて慎重に検討することが大切です。
法人名義
法人名義とは、会社や団体などの法人が契約や登記、資産の保有などを行う際に使用する名前のことです。法人の代表者個人ではなく、法人そのものが主体となって活動する場合に用いられます。不動産の購入、銀行口座の開設、契約締結などに法人名義が使われます。 たとえば、ある会社がオフィスとして使用するためにビルの一室を購入した場合、その不動産の所有者として登記されるのは「株式会社〇〇」といった法人名義になります。この場合、固定資産税の納税義務者も法人となり、帳簿上は会社の資産として扱われます。 一方で、同じ物件を代表者個人が購入すれば、「山田太郎」など個人名義となり、その資産は会社ではなく個人のものになります。
課税評価額
課税評価額とは、不動産や資産にかかる税金を計算する際の基準となる金額です。たとえば土地や建物を持っていると、固定資産税という税金がかかりますが、その税額は「課税評価額」に基づいて決まります。この評価額は、市町村や税務署が法律(地方税法など)に基づいて決めます。また、相続税や贈与税の計算にも使われます。実際の売買価格(実勢価格)とは異なる場合が多く、評価額の方が低くなる傾向があります。