運用目的や期間で資産配分はどう変わりますか?
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2025/06/10 15:02
男性
30代
老後資金と5年後の住宅頭金を同時に準備しています。期間の異なる目標を持つ場合、株式と債券の比率は具体的にどう調整するのが合理的でしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
資金には目的ごとに異なる時間軸があり、それに応じてリスク許容度も変わります。たとえば、20年以上先の老後資金はインフレに打ち勝つ成長が求められるため、株式を中心に配分するのが基本です。株式70%・債券30%から始め、10年を切った段階で5年ごとに株式比率を10%ずつ引き下げていけば、期待リターンを維持しながら最終的な安定性も確保できます。
一方、5年後に使う予定の住宅頭金などは、元本割れのリスクを最小限に抑えるべき資金です。この場合は債券や定期預金を90%、株式を10%程度にとどめ、年1回のリバランスで乖離を修正することで、市場の急変でも必要資金を守りやすくなります。
このように、資金の目的ごとに独立した「バケツ(資産の区分)」を設け、それぞれに適した配分と運用ルールを設定することで、途中の取り崩しも相場の影響を受けにくくなり、計画的な資産活用が可能になります。
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リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。
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リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。
元本毀損(きそん)
元本毀損(きそん)とは、投資したお金の元手である「元本」が目減りしてしまうことを意味します。たとえば、100万円を投資したのに、その価値が80万円に下がってしまった場合、20万円分の元本が毀損したということになります。 これは、株価の下落や債券の信用リスク、為替の変動、経済環境の悪化など、さまざまな要因によって起こり得ます。元本毀損は、特に元本保証がない商品に投資する際の大きなリスクであり、資産運用における損失の代表的な形のひとつです。投資初心者にとっては「預けたお金が減る可能性がある」というリスクを具体的にイメージするための大切な概念です。
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