ブラックロックの運用資産はいくらですか?
ブラックロックの運用資産はいくらですか?
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2025/08/12 10:49
女性
30代
資産運用について勉強を始めたばかりですが、ニュースなどでよく聞く「ブラックロック」という会社がどれくらいの規模なのか気になっています。特に、ブラックロックが実際にどのくらいの金額の資産を運用しているのか、他の運用会社と比べて大きいのかどうか教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ブラックロックは、世界最大の資産運用会社として知られています。2025年6月末時点で、同社が運用する資産の総額(AUM:運用資産残高)は約12.53兆ドルにのぼり、これは過去最高水準となっています。AUMとは、顧客から預かっている資産の合計額を指しており、この数字が大きいほど、その運用会社が多くの顧客に信頼され、広範囲にわたる投資運用をしていることを意味します。
他の大手運用会社と比較しても、ブラックロックの規模は群を抜いています。たとえば、低コストなインデックスファンドで有名なバンガード社のAUMは約10.4兆ドル、フィデリティは約5.9兆ドル、ステート・ストリートは約4.7兆ドルです。これらの数字から見ても、ブラックロックが圧倒的な規模であることが分かります。
では、AUMが大きいということは具体的にどのような意味があるのでしょうか。まず、規模の大きな運用会社は「規模の経済」を活かしやすく、運用にかかるコストを下げられるため、一般投資家にとっては低コストで利用できる商品が豊富になるというメリットがあります。また、グローバルに分散投資が可能な点や、世界中の資産をカバーする豊富な商品ラインアップも魅力です。
さらに、ブラックロックのような大手運用会社は、株主として企業に対して議決権を行使するなど、企業の経営に影響を与える力も持っています。たとえば、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みで、企業に改善を求めるなど、社会的な役割も果たしています。
ただし、AUMが大きいことには注意点もあります。たとえば、運用資産が巨大すぎると、小型株や流動性の低い資産には投資しづらくなり、運用の柔軟性が制限されることがあります。また、大手であるがゆえに、運用の成果が市場全体と似通ってしまい、突出したパフォーマンスが出にくいという面もあります。
また、AUMは市場の動きによって変動します。株価が上がれば資産額も増えますし、逆に相場が下がれば減少します。したがって、「今のAUMはいくらか?」という質問をするときは、「いつ時点の数字か」も一緒に確認するのがポイントです。
初心者の方が資産運用を考える際には、「AUMが大きい=安全・安心」と考えすぎず、自分の目的や投資スタイルに合った会社や商品を選ぶことが大切です。たとえば、低コストで市場平均を目指すならバンガード、情報量が豊富なサービスを求めるならフィデリティなど、それぞれの特徴を理解することが重要です。
まとめると、ブラックロックは世界最大の運用資産を持つ会社であり、その規模は信頼性や商品選択肢の広さといった面で大きな強みとなっています。一方で、AUMの大きさだけで判断するのではなく、自分の投資目的やリスク許容度を基準に、慎重に選ぶことが初心者にとって最も大切な姿勢です。
関連する専門用語
運用資産残高(AUM:Assets Under Management)
運用資産残高(AUM:Assets Under Management)は、投資信託やETF(上場投資信託)、ヘッジファンド、年金基金、証券会社、銀行などが預かり・運用している資産の総額を指します。AUMは、ある運用機関がどれだけの資産を管理しているかを示す重要な指標であり、そのファンドや金融機関の規模、影響力、信頼度を測る目安となります。 たとえば、あるETFのAUMが1兆円であれば、そのファンドには投資家から1兆円の資金が集まっていることを意味します。一般に、AUMが大きいファンドほど売買の流動性が高く、経費率(信託報酬などの運用コスト)も低く抑えられる傾向にあります。また、一定規模以上のAUMがあるファンドは、繰上償還のリスクが低く、長期にわたって安定的に運用が継続されやすいという利点があります。 一方で、AUMが極端に大きくなると、特にアクティブ運用ファンドでは、資金の機動的な運用が難しくなり、かえって運用効率を損ねる場合があります。また、AUMが急激に増加している場合は、そのファンドが短期的な人気に支えられている可能性があり、反対に急激に減少している場合は、運用成績の悪化や投資家の信頼低下が背景にあることもあります。 AUMは日々変動します。その変動要因には、株価や債券価格の上昇・下落といった市場環境による影響だけでなく、投資家による資金の流入(買い増し)や流出(解約)といった資金フローの動きも含まれます。したがって、見かけ上のAUMの増減が、市場要因によるものか、資金流出入によるものかを見極めることも、投資判断上は重要です。 投資信託やETFを選ぶ際には、AUMの規模だけでなく、運用成績、コスト、資金流出入の傾向、トラッキングエラー(インデックスとの乖離度合い)なども併せて確認する必要があります。AUMはあくまでひとつの評価軸であり、その背後にある要因を含めて総合的に判断することが、より適切な投資判断につながります。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
分散投資
分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。
ESG
ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の略で、企業がこれらの観点で持続可能性に配慮しているかを評価する基準です。投資判断に活用され、社会的課題への関心が高まる中、注目されています。
流動性
流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。


