リスク許容度はどのくらいの頻度で見直すべき?
リスク許容度はどのくらいの頻度で見直すべき?
回答受付中
1
2025/02/18 14:46
男性
40代
資産運用にあたり、リスク許容度を決めるべきという情報を見ました。リスク許容度を一度決めたら、そのままでいいのでしょうか?それとも定期的に見直す必要がありますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
リスク許容度は「いまの自分がどこまで下落を受け入れられるか」を映す瞬間的な指標にすぎません。収入、保有資産、家族構成、健康状態、将来の目標──これらが変われば、受け入れられるリスク量も必ず変化します。
したがって、最低でも「年1回+大きなライフイベント発生時」の再測定を基本ルールにしてください。結婚・出産・住居購入・転職・退職・相続など、キャッシュフローが大きく動く局面では必ずリスク許容度を再確認しましょう。また、リーマンショック級の急落やコロナショックのような不確実性の高い相場が訪れたときも、実際の心理ストレスを体感できる貴重な機会です。そこで想定以上に不安を覚えたなら、リスク許容度は当初想定より低かったと考え、配分を減らすサインになります。逆に平静を保てたなら、適度にリスクを引き上げる余地があるかもしれません。
ただし、市場の値動きに合わせて短期的にポートフォリオをいじり過ぎると、タイミング投資の失敗リスクが高まります。見直しのたびに、長期目標・必要利回り・心理的安定の3点が同時に満たされる資産配分を微調整する──この地道なプロセスこそが、長期的に資産形成を安定させる最短ルートです。
忰山 翔
36歳
株式会社ファンドスタジオ 代表取締役
関連記事
関連する専門用語
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。
キャッシュフロー
お金の流れを表す言葉で、一定期間における「お金の収入」と「支出」を指します。投資や経済活動では特に重要な概念で、現金がどれだけ増えたか、または減ったかを把握するために使われます。キャッシュフローは大きく3つに分かれます。 1つ目は本業による収益や費用を示す「営業キャッシュフロー」、2つ目は資産の購入や売却に関連する「投資キャッシュフロー」、3つ目は借入金や配当などの「財務キャッシュフロー」です。 キャッシュフローがプラスであれば手元にお金が増えている状態、マイナスであれば減っている状態を示します。これを理解することで、資産の健全性や投資先の実態を見極めることができ、初心者でも資金管理や投資判断の基礎として役立てられます。
相場
相場とは、株式や為替、債券、不動産などの金融商品や資産が、現在どれくらいの値段で取引されているかを示す価格のことです。市場で売買される商品の値段は常に変動しており、この変化している価格全体を指して「相場」と呼びます。たとえば「株の相場が上がっている」と言えば、多くの株の価格が上昇している状態を意味します。相場は経済状況、企業の業績、金利の動き、世界情勢などさまざまな要因によって影響を受けます。投資を行う上では、相場の動きを把握し、どのタイミングで売買するかを考えることが重要になります。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。
アセットアロケーション(資産配分)
アセットアロケーション(Asset allocation)とは、資産配分という意味で、資金を複数のアセットクラス(資産グループ)に投資することで、投資リスクを分散しながらリターンを獲得するための資産運用方法。アセットアロケーションは戦略的アセットアロケーションと戦術的アセットアロケーションの2つを組み合わせることで行われ、前者は中長期的に投資目的・リスク許容度・投資機関に基づいて資産配分を決定し、後者は短期的に投資対象の資産特性に基づいて資産配分を決定する。
利回り
利回りとは、投資で得られた収益を投下元本に対する割合で示し、異なる商品や期間を比較するときの共通尺度になります。 計算式は「(期末評価額+分配金等-期首元本)÷期首元本」で、原則として年率に換算して示します。この“年率”をどの期間で切り取るかによって、利回りは年間リターンとトータルリターンの二つに大別されます。 年間リターンは「ある1年間だけの利回り」を示す瞬間値で、直近の運用成績や市場の勢いを把握するのに適しています。トータルリターンは「保有開始から売却・償還までの累積リターン」を示し、長期投資の成果を測る指標です。保有期間が異なる商品どうしを比べるときは、トータルリターンを年平均成長率(CAGR)に換算して年率をそろすことで、複利効果を含めた公平な比較ができます。 債券なら市場価格を反映した現在利回りや償還までの総収益を年率化した最終利回り(YTM)、株式なら株価に対する年間配当の割合である配当利回り、不動産投資なら純賃料収入を物件価格で割ったネット利回りと、対象資産ごとに計算対象は変わります。 また、名目利回りだけでは購買力の変化や税・手数料の影響を見落としやすいため、インフレ調整後や税控除後のネット利回りも確認することが重要です。複利運用では得た収益を再投資することでリターンが雪だるま式に増えますから、年間リターンとトータルリターンを意識しながら、複利効果・インフレ・コストを総合的に考慮すると、より適切なリスクとリターンのバランスを見極められます。


