定期預金でも資産が目減りすることはありますか?
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2025/05/06 16:04
男性
60代
定期預金は元本保証の安全な商品と聞きますが、「実質的に損をする場合もある」と耳にしました。金利がついているのにどうして資産価値が下がることがあるのでしょうか?詳しく知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
定期預金は元本と表面利率が保証されるため「損をしない」と思われがちですが、名目金利より物価上昇率(インフレ率)が高い局面では実質リターンがマイナスになり、同じお金で買えるモノやサービスの量が減少します。たとえば利率0.2%の定期預金に100万円を預けた場合、1年後の残高は100万2,000円ですが、物価が2%上昇すると購買力ベースでは98万円相当まで目減りしたのと同じ状態です。この「インフレによる実質目減り」は帳簿上の元本が保たれていても資産が痩せていく現象であり、定期預金でも実質価値を維持できるかどうかは「名目金利 - インフレ率」で計算される実質リターンがプラスになるかにかかっている点を覚えておきましょう。
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インフレ率
インフレ率とは、物価がどれだけ上昇したかを示す指標です。一般的には、消費者が購入するモノやサービスの価格が一定期間でどの程度上昇したかをパーセンテージで表します。インフレ率が高いと物価が上がり、同じ金額でも購入できる商品が少なくなります。逆にインフレ率が低い、またはマイナスの場合は物価が安定または下落している状態を示します。
名目金利
名目金利とは、金融市場で表示される利率のことで、インフレ率を考慮しない金利を指します。例えば、銀行の預金金利やローンの利率、国債のクーポン利回りなどが該当します。名目金利は、一般的に市場の需給や中央銀行の金融政策によって決まり、経済活動に大きな影響を与えます。 一方、実質金利は、名目金利からインフレ率を差し引いたもので、資産の購買力の変化を示します。例えば、名目金利が5%でインフレ率が3%の場合、実質金利は2%となります。インフレが高いと、名目金利が高くても実質的な利回りは低くなるため、投資や貯蓄の意思決定に影響を与えます。 したがって、名目金利だけでなく、実質金利やインフレ率も考慮することが、金融市場や経済の動向を正しく理解する上で重要です。
リターン
リターンとは、投資によって得られる利益や収益のことを指します。たとえば、株式を購入して値上がりした場合の売却益(キャピタルゲイン)や、債券の利息、投資信託の分配金(インカムゲイン)などがリターンにあたります。 これらを合計したものは「トータルリターン」と呼ばれ、投資の成果を総合的に示す指標です。リターンは、元本に対してどれだけ増えたかを「%(パーセント)」で表し、特に長期投資では「年率リターン」で比較されることが一般的です。 リターンが高いほど投資先として魅力的に感じられますが、そのぶんリスク(価格変動の可能性)も高くなる傾向があるため、自分の目的やリスク許容度に応じて、適切なリターンを見込むことが大切です。
元本保証
元本保証とは、投資や預金において、満期まで保有すれば最低でも投資した元本が保証される仕組みを指します。銀行預金や一部の保険商品などが該当し、元本が減るリスクを抑えられるため、安全性を重視する人に向いています。しかし、元本保証がある商品は一般的に利回りが低く、インフレによる実質的な購買力の低下を考慮する必要があります。