執行役員は取締役と比べて法的責任が軽いと言われますが、本当ですか?
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2025/03/24 16:50
男性
40代
取締役には法律上の義務が多いと聞きますが、執行役員はその点で責任が軽いのでしょうか?法的な義務やリスクの違いについて知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
執行役員は会社法上の「役員」ではなく、企業が任意に設ける経営執行ポジションです。取締役のように法定機関として登記されず、株主総会による選任も不要なため、会社法が規定する善管注意義務・忠実義務・競業避止義務などの重い責任、さらには株主代表訴訟による損害賠償リスクを直接負う立場には入りません。取締役は経営方針の決定・監督という公的役割を担うため、これらの義務違反があれば民事・刑事の責任を追及され得る点で、法的リスクははるかに大きいと言えます。
もっとも、執行役員であっても実質的に経営判断の核心に関与する以上、重大な不正や過失があれば免責されるわけではありません。社内規程に基づく懲戒処分や委任契約上の損害賠償請求の対象になり得るほか、金融商品取引法や独占禁止法など実体法に違反すれば行政処分・刑事罰が科される可能性もあります。つまり「法定の役員責任」は限定的でも、「経営執行に伴う実質的責任」は残るため、業務執行のプロセスと内部統制を十分に整備し、リスク管理を怠らない姿勢が欠かせません。