債券型ETFのメリットは何でしょうか?個別債券を買うのとどちらがいいでしょうか。
債券型ETFのメリットは何でしょうか?個別債券を買うのとどちらがいいでしょうか。
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2025/02/13 15:44
男性
60代
投資を始めたいのですが、債券に興味があります。個別の債券を買うのと、債券型ETFを買うのでは、初心者にはどちらが向いていますか?それぞれの違いやメリット・デメリットを、できるだけわかりやすく教えてください。また、始めるときに必要な金額や、途中で売ることができるのかどうかも気になります。リスクの違いについても知りたいです。初心者でも安心して選べる方法があれば、ぜひ教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
債券型ETFは「複数の債券を一口単位でまとめ買いできる上場ファンド」です。株式と同様に証券取引所でリアルタイムに売買でき、口数あたり数千円〜数万円から投資を始められるため、債券投資のハードルを大幅に下げてくれます。さらに (1) 小口で幅広い銘柄に自動分散できる、 (2) 満期がなくいつでも現金化しやすい、 (3) 信託報酬が年0.05〜0.3%程度と低コスト――という三つの利点が初心者にとって大きな安心材料です。利息(分配金)を自動で再投資するタイプを選べば、複利効果も取り込みやすくなります。
一方、個別債券は「額面を貸し付け、満期に元本が返ってくる」という分かりやすい仕組みと、満期まで保有すれば金利上昇局面でも帳簿上の評価損益に振り回されにくい点が魅力です。国債なら5万円前後、社債なら100万円超と購入単価はETFより高めですが、満期利回りをロックできるため将来の資金計画が立てやすいという利点があります。ただし途中売却では買い手が見つからず希望価格で換金できないこともあり、満期ごとに再投資先を探す手間も発生します。
リスクは両者とも「金利変動リスク」と「信用リスク」に集約されます。ETFは市場で常に価格が可視化される分、値動きが大きく感じられますが、個別債券も市場金利が急上昇すれば本質的には同じだけ価格が下落しています。価格変動を気にせず満期まで保有したいなら個別債券、値動きを利用して機動的に売買益も狙いたいならETF――この視点で選ぶと判断しやすいでしょう。
実務的には「まずETFで小口・分散・高流動性のメリットを享受し、資産規模が大きくなったら満期管理しやすい個別債券をラダー(満期をずらした階段状保有)で組み込む」という二段構えが王道です。こうすれば債券投資の安定性と柔軟性をバランス良く享受できます。
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債券
債券(サイケン、英語表記:Bond)とは、発行者が投資家に対して将来一定の金額を支払うことを約束する金融商品です。 国や地方自治体、企業などが資金を調達する目的で発行し、投資家はこれを購入することで、定期的に利息(クーポン)を受け取ります。満期が来ると、投資した本金が返済されます。 債券はリスクが比較的低く、安定した収入を求める投資家に選ばれることが多いです。 また、市場で自由に売買が可能であるため、流動性も確保されています。債券市場は世界的にも広がりを見せており、多様な投資戦略に利用されています。
個別債券
個別債券とは、投資信託や債券ファンドを通じずに、特定の国債・社債・地方債などを個別に購入する債券投資の形態を指します。満期まで保有することで元本の返済が期待でき、利息収入を得られるため、安定した運用を求める投資家に適しています。ただし、発行体の信用リスクや市場金利の変動による価格変動リスクがあるため、慎重な選定が必要です。
東京証券取引所(東証)
東京証券取引所とは、日本国内で最も規模が大きく、中心的な株式市場のことです。「東証(とうしょう)」という略称でも知られており、株式会社や投資信託などの金融商品が日々売買されている場所です。 上場企業は、一定の基準を満たすことで東京証券取引所で株式を公開でき、投資家はこれらの株を売買することで資産運用を行います。2022年には、従来の市場区分が見直され、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに再編されました。東京証券取引所の動向は、日本の経済全体を反映する指標としても注目されており、日経平均株価やTOPIXなどの主要な株価指数もここで算出されています。資産運用を始めるうえで、非常に基本かつ重要な取引所です。
分散投資
分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。


