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仕手株のチャートの特徴を教えて下さい

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2025/08/12 10:49

株式
株式

女性

40代

question

最近、仕手株という言葉を耳にするようになり、興味を持っています。特にチャートの動きに特徴があると聞いたのですが、どのようなチャートパターンや値動きが仕手株特有なのか、初心者でも見分けられるポイントがあれば詳しく教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

仕手株とは、特定の投資家やグループが株価を人為的に操作することで急騰・急落を引き起こす銘柄のことを指します。仕手株のチャートにはいくつかの特徴があり、それらを把握することで初心者でもリスクを回避しやすくなります。

まず注目すべきは「出来高の変化」です。仕手株は、長期間ほとんど取引がなかったのに、ある日を境に突然出来高が数倍、時には数十倍に増加する傾向があります。これは仕手筋と呼ばれる仕掛け人が大量に買い集めたサインである可能性があります。また、出来高が増えた後も板(買い・売り注文の深さ)が極端に薄いことがあり、これも不自然な動きの一つです。

次に、価格の急騰・急落です。明確な材料やニュースがないにもかかわらず、仕手株は数日間にわたってストップ高やストップ安を繰り返すことがあります。これは企業の本質的価値とは無関係に、需給の歪みによって動いている証拠です。

ローソク足のパターンも特徴的です。仕手筋が買いを仕掛けている時期には、ヒゲが短く、実体の大きい陽線(白いローソク足)が連続して出現します。また、急騰後に仕手筋が売り抜けるタイミングでは、長い上ヒゲの陰線や「宵の明星」といった天井圏のチャートパターンが突然現れることがあります。

移動平均線にも注目しましょう。仕手株は5日移動平均線が25日線や75日線を鋭角に上抜け、株価と移動平均線の乖離が極端に大きくなります。これはファンダメンタルな理由ではなく、作為的な需給によるものなので、持続性がないまま短期間でデッドクロス(下降転換)を迎えることが多いです。

ボラティリティ(価格変動の激しさ)も大きな特徴です。ATR(平均的な1日の値動き幅)やボリンジャーバンドといった指標が急拡大し、バンドの+3σを連日超えたあと、今度は-3σまで一気に急落するような値動きも見られます。このような動きに巻き込まれると、損切りの判断が遅れて大きな損失を出す可能性があります。

仕手株に関わる大きなリスクとして、「出口の狭さ」が挙げられます。仕手筋が売り抜けを始めると、あっという間に買い手がいなくなり、流動性が消えて成行売りすら成立しなくなる恐れがあります。

また、情報の非対称性にも注意が必要です。SNSや掲示板などで話題になる頃には、仕手筋はすでに売り抜け段階に入っていることが多く、個人投資家が“最後の買い手”にされてしまうことがあります。さらに、場合によっては相場操縦として金融当局の調査対象となることもあり、無意識に加担していたとみなされるリスクもゼロではありません。

仕手株を見分けるためには、いくつかのチェックポイントがあります。まず、株価の急騰に見合う適時開示やニュースがあるかを必ず確認してください。また、信用取引の買い残が急増していたり、売り残が極端に減少しているような銘柄は注意が必要です。さらに、SNSや掲示板の投稿数が急増していたり、同業他社が動いていないにもかかわらず単独で急騰しているような場合も、仕手化の兆候と考えられます。

初心者の方には、仕手株のような不自然な値動きを見せる銘柄にはむやみに手を出さないことを強くおすすめします。短期で大きな利益を狙うよりも、業績が安定していて成長性のある企業に分散投資を行うことが資産形成の王道です。

また、テクニカル指標とファンダメンタル(企業の本質的な価値)を両面から確認し、上昇の背景に業績改善などの根拠があるかを見極めることが大切です。万一仕手株に巻き込まれた場合は、テクニカルな水準よりも自分が許容できる損失額を基に損切りラインを決め、迷わず撤退することが重要です。

情報収集においても、SNSや個人ブログだけでなく、証券会社のレポートや会社四季報、適時開示情報など信頼できる一次情報を使って裏付けをとるようにしてください。

仕手株は、急騰するチャートに惹かれて初心者が飛びつきやすいものですが、その裏では流動性の急減や情報格差といった大きなリスクが潜んでいます。不自然な出来高や急騰・急落の背景に注意を払い、冷静な判断とリスク管理を徹底することが、投資で資産を守るための第一歩です。

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仕手株(してかぶ)

仕手株とは、一部の投資グループや個人投資家が、意図的に株価を動かそうとする銘柄のことを指します。こうした仕手筋と呼ばれる人たちは、比較的市場の参加者が少ない小型株を狙い、大量に株を買い集めることで値上がりを演出します。 その結果、株価が急騰し、注目が集まったところで他の投資家が参入し、さらに株価が上昇することがあります。しかし、その後仕手筋が一気に売り抜けると、株価が急落し、大きな損失を被るリスクが高まります。初心者が仕手株に手を出すと、相場の流れに巻き込まれて損をする可能性があるため、十分に注意が必要です。

出来高

出来高とは、ある期間に売買された株式の数量のことを意味します。出来高が多いと、その株に多くの人が関心を持って取引していることを表し、価格も動きやすくなります。反対に出来高が少ないと、取引が活発でないため、売りたいときに売れなかったり、価格が思ったように動かなかったりすることもあります。

ストップ高

ストップ高とは、株式市場において、ある銘柄の株価がその日に上昇できる最大限の価格まで達し、それ以上は取引されなくなる状態のことを指します。これは、急激な株価の変動を抑えるために証券取引所が設定している「値幅制限」によって決まる仕組みです。 ストップ高になると、それ以上の価格で売買することができなくなりますが、買い注文は入り続けるため、板情報では「買い気配」のまま取引が成立しない場合もあります。初心者の方にとっては、ストップ高は「その銘柄に非常に強い買い需要があるサイン」として捉えることが多いですが、その理由が一時的なニュースや思惑である場合もあるため、冷静な判断が重要です。

ストップ安

ストップ安とは、株式市場で一日に下がることのできる最大限の価格まで株価が下落し、それ以上は取引ができなくなる状態のことです。これは、株価の急激な下落による混乱を防ぐために、取引所があらかじめ決めている制度です。株価が大きく下がり続けると投資家の不安が広がり、市場がパニックに陥る可能性があります。そのような極端な変動を一時的に食い止めることで、冷静な判断ができるように時間を確保する役割を果たしています。ストップ安になると、その銘柄の売買は可能ですが、価格はそれ以上下がらず、買い注文が非常に少ない場合は売りたい人がいても売れないことがあります。特に企業の業績悪化や不祥事、経済の悪材料などが原因で発生することが多いです。

ローソク足

ローソク足とは、株価や為替レートなどの値動きを、一定期間ごとに視覚的に表すチャートの形式のひとつです。日本で古くから使われてきた手法で、今では世界中の投資家に利用されています。1本の「足」は、たとえば1日や1時間といった特定の時間における4つの価格、すなわち「始値(はじめね)」「終値(おわりね)」「高値(たかね)」「安値(やすね)」を表します。 棒のような形をしており、中心の太い部分が「実体」、上下に伸びた細い線が「ヒゲ」と呼ばれます。実体の色によって、値上がりか値下がりかがひと目で分かるのが特徴です。ローソク足を複数並べて見ることで、相場の流れや売買の勢い、投資家の心理を読み取る手がかりになります。テクニカル分析の基礎として、初心者でも理解しやすく、多くの取引ツールに標準で搭載されています。

移動平均線

移動平均線とは、株価や為替レートなどの価格の動きを滑らかにして、相場のトレンド(方向性)をわかりやすくするための線のことをいいます。 たとえば、ある株の過去5日間の終値を毎日平均して、その平均値を線でつないでいくと「5日移動平均線」ができます。これにより、日々の細かい値動きに左右されず、価格の流れや傾向をつかみやすくなります。 投資の世界では、短期(例:5日)、中期(例:25日)、長期(例:75日や200日)といったさまざまな期間の移動平均線が使われ、それぞれが売買のタイミングを見極める目安とされます。特に初心者でも視覚的にトレンドを把握しやすいため、テクニカル分析の基本として広く利用されています。

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