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個別債券を購入するメリットを教えて下さい

個別債券を購入するメリットを教えて下さい

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2024/06/04 00:23


男性

60代

question

分散投資の一環で、債券投資を検討しています。株に、投資信託と個別株があるように、債券にも債券型投資信託と個別債券があることを知りました。個別債券を購入するメリットを教えて下さい。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

個別債券へ投資する主なメリットは次の三点です。

① 銘柄を自在に選べる

発行体の信用度、通貨、利率、償還期限などを自分で組み合わせられるため、リスク許容度や将来の資金需要にぴたりと合ったポートフォリオを設計できます。

② クーポンと償還金をダイレクトに受け取れる

信託報酬や運用方針の変更に左右されず、予定利回りとキャッシュフローを把握しやすいのが魅力です。インカム(利息)と償還時の元本返済が確定的で、再投資タイミングも自分で管理できます。

③ 満期まで保有すれば利回りを確定できる

途中の市場価格変動を気にせず、額面で償還される点は「期限付きの高金利預金」に近い感覚です。株式や債券ファンドの価格変動に疲れた投資家にとって、将来の支出イベントに合わせた資金繰りがしやすくなります。

もっとも、分散効果や少額からの投資という点では債券型投資信託や債券ETFが優位です。「自ら設計して利回り確定を狙う個別債券」「小口分散で流動性を取るファンド」を組み合わせ、目的・リスク許容度・運用コストのバランスを取ることが長期的な安定運用につながります。

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個別債券

個別債券とは、投資信託や債券ファンドを通じずに、特定の国債・社債・地方債などを個別に購入する債券投資の形態を指します。満期まで保有することで元本の返済が期待でき、利息収入を得られるため、安定した運用を求める投資家に適しています。ただし、発行体の信用リスクや市場金利の変動による価格変動リスクがあるため、慎重な選定が必要です。

償還

償還とは、金融商品に投資した元本が、発行体や運用会社から投資家に返還されることを指します。利息や分配金といった収益の分配とは異なり、投じた資金そのものが返ってくる行為です。多くはあらかじめ定められた満期日に行われますが、条件によっては予定より早く行われる場合もあります。 債券では、満期時に額面金額で元本が返却されるのが一般的です。保有中は利息を受け取り、満期に元本が戻る仕組みとなっています。ただし、途中で売却した場合は市場価格での取引になり、償還は受けられません。コーラブル債のように発行体に早期償還の権利がある場合は、投資家の予想より早く元本が返却されることもあります。 投資信託の場合、信託期間が満了したときに残存資産が投資家に償還されます。また、運用資産が小さくなったり、継続が難しいと判断された場合には、満期前に「繰上償還」が行われることがあります。その際、保有口数に応じて償還金が口座に入金されます。 外貨建ての金融商品では、償還時の受取額は為替の水準に左右されます。契約条件によっては償還価格が額面と異なる場合もあり、仕組債や証券化商品のように複雑な償還条項が組み込まれているケースもあります。 税制上の扱いも重要です。債券の償還差益(額面より安く買って満期に額面で返ってくる利益)は、株式などと同様に譲渡所得として課税対象になります。投資信託の償還金も分配金とは異なり、売却と同じく譲渡損益の扱いとなります。 投資家にとっての注意点は、早期償還による再投資リスクや、発行体の信用不安による償還不能リスクです。特に利回りの高い環境で購入した商品が、金利低下局面で早期償還されると、期待した利回りを得られないまま再投資を強いられることになります。 初心者の方は、商品を選ぶ際に「いつ」「いくら」償還されるのか、繰上償還や早期償還の可能性があるのかを必ず確認しておくことが大切です。償還は投資商品の出口であり、資産運用の成果を決める重要な要素です。理解しておくことで、利息や配当とあわせた総合的なリターンのイメージを正しく持つことができます。

信託報酬

信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。

ポートフォリオ

ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。

インカムゲイン(インカム)

インカムゲイン(インカム)とは、株式や債券、不動産などの資産を保有していることで定期的または継続的に得られる収益のことを指します。具体的には、株式の配当金、債券の利息、不動産の家賃収入などが代表的な例です。一方で、資産の売買差益から生まれるキャピタルゲインとは異なり、保有し続けることで一定のペースで収入を得る点が特徴です。 インカムゲインを重視する投資では、安定したキャッシュフローを得られることが大きな魅力となります。例えば、株式の配当金は企業の利益から支払われますが、企業の業績や配当方針に応じて増減があるため、定期的なチェックが必要です。債券の利息は発行体の信用力や金利情勢に大きく左右され、金利が上昇すると既存債券の価格が下落するリスクがあります。不動産投資では家賃収入がインカムゲインとなりますが、空室が続いたり修繕費がかさんだりするリスクがあるほか、売却時の価格も景気や立地に左右されるため、投資額の回収が遅れる可能性があります。 これらのリスクを考慮する一方で、インカムゲインには安定性というメリットがあります。資産を保有しているだけでも定期的に資金が手に入り、再投資や生活費に回すことで資産形成を円滑に進めやすい面があります。また、いざ急に資金が必要になった場合には、すぐに売却しなくても配当金や利息で一定の収入を得られる可能性があるため、心理的な安心感につながることもあります。 ただし、インカムゲインを得ようとするあまり、高配当や高利回りをうたう投資商品ばかりに偏ると、発行体の信用リスクや価格変動リスクが高まるケースも考えられます。特に、株式の配当は企業の業績が悪化すれば減配や無配となる恐れがあり、債券の場合でも発行体の破綻リスクや金利上昇リスクが存在します。不動産投資では物件管理の手間や費用が大きく、地方物件などでは買い手が少なく流動性リスクも高くなるため、分散投資の観点で他の資産とバランス良く組み合わせるのが望ましいでしょう。 総じて、インカムゲインは、投資から生まれる継続的な収益を得るための有力なアプローチです。特に、キャピタルゲインだけに頼らず、配当や利息、家賃収入などの定期的な収入源を得ることでリスクを分散しながら安定した資産運用を目指すことができます。ただし、投資対象の選定やリスク管理は欠かせないポイントであり、投資する資金やライフプラン、リスク許容度に応じて最適なバランスを見極める必要があります。

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