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公募増資が行われると、株価が下がる理由を教えてください。

公募増資が行われると、株価が下がる理由を教えてください。

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2025/11/21 09:20

株式
株式

男性

40代

question

公募増資が発表されると、株価が下がることがありますが、なぜでしょうか。投資家心理や市場の需給バランスなど、主な理由をわかりやすく知りたいです。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

公募増資が発表されると株価が下がりやすいのは、主に株式価値の「希薄化」、市場の需給悪化、そして経営判断への不安が同時に働くためです。企業が新株を発行して資金調達を行うと既存株主の持ち分が相対的に減り、1株あたり利益(EPS)が薄まります。特に、市場価格より安い“ディスカウント価格”で発行される場合は、理論株価が下がりやすく、株価調整につながります。

新たな株式が市場に出回ることで需給バランスも崩れます。公募増資に申し込んだ機関投資家がヘッジとして売りを出したり、空売りが増えることで短期的な売り圧力が強まるケースも多く、需給面の悪化が株価の下押しにつながります。

さらに、投資家心理も大きく影響します。「なぜ今増資をするのか」が明確でないと、資金繰りへの不安や事業の収益力低下を連想し、ネガティブに受け止められがちです。増資目的が不透明で、調達資金の使い道が株主価値向上につながると判断できない場合、投資家はリスク回避姿勢を強め、売りが優勢になります。

しかし、公募増資が必ずしも悪材料とは限りません。成長投資やM&A、財務改善など、株主価値にプラスとなる明確な使途が示されている場合、むしろ前向きに評価され株価が上昇するケースもあります。借入金の返済による財務リスク低減や収益性の高い事業への投資は、将来的な利益拡大につながるためです。

最終的に重要なのは「増資後の資金がどのように活用されるか」です。希薄化率、発行価格の割引幅、資金の使途、財務改善効果などを確認することで、その増資が一時的な売り材料にとどまるのか、企業の成長力を高める要因になるのかを判断できます。

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増資

増資とは、企業が新たにお金を集めるために、株式を追加で発行して資本金を増やすことをいいます。会社が事業を拡大したり、設備を整えたり、新しいプロジェクトに投資したりする際に必要な資金を得る手段の一つです。 増資には、既存の株主に優先的に株を買う機会を与える「株主割当増資」や、不特定多数に広く売り出す「公募増資」などの方法があります。増資が行われると株式の数が増えるため、もともとの株主の持ち株比率が下がってしまうことがあり、これを「希薄化」といいます。投資家にとっては、会社の成長につながる前向きな増資かどうかを見極めることが大切です。

希薄化(ダイリューション)

希薄化(ダイリューション)とは、企業が新株発行やストックオプションの行使、転換社債の株式転換などを行った結果、発行済株式数が増加し、既存株主が保有する株式の「持ち分比率」や1株当たり指標(EPS・BPS・配当など)が相対的に低下する現象を指します。たとえば、発行済株式が1,000万株の会社で100万株を追加発行すると、株数は1,100万株に増え、従来10%を保有していた株主の持株比率はおよそ9.1%へ下がります。この比率低下だけでなく、利益や純資産が同じまま株数だけ増えるため、1株当たり利益(EPS)や1株当たり純資産(BPS)も薄まる点が既存株主にとっての実質的な影響です。 希薄化は、資金調達やM&A対価の支払いなど経営上の目的で避けられない場合がありますが、次のような視点で注意が必要です。 発行規模と発行価格 既存株主に与える希薄化インパクトは「何株・いくらで」発行するかで大きく変わります。発行株数が多い、あるいは発行価格が市場より著しく低い場合は希薄化が急激に進みやすいです。 資金使途とリターン 調達資金が成長投資や財務改善に使われ、中長期で収益拡大が見込めるなら、希薄化を上回る株価上昇につながる可能性があります。逆に、明確なリターンが見込めない増資は株価を長期的に押し下げることがあります。 潜在株式の規模 ストックオプションや転換社債など、まだ株式化していない潜在株式も将来の希薄化要因です。有価証券報告書の「潜在株式数」や平均行使価格を把握し、完全希薄化後EPSでバリュエーションを確認することが重要です。 ロックアップ・売却制限 発行先にロックアップ(一定期間の売却禁止)が設定されているかで、実際に市場へ売り圧力が出るタイミングが異なります。解除時期が近いと、株価の上値を抑えるオーバーハング要因になります。 まとめると、希薄化は発行済株式数の増加に伴う既存株主の持ち分低下と1株当たり価値の減少を意味します。投資判断を行う際は、新株発行の規模・価格・資金使途に加え、潜在株式の存在やロックアップ条件まで確認し、将来のリターンとリスクを総合的に見極めることが欠かせません。

EPS(1株あたりの利益)

EPS(Earnings Per Share)とは、企業を評価する際に使われる指標のひとつで、企業が稼いだ純利益を発行済み株式数で割った値です。1株当たりの利益がどれだけあるのかを示します。 EPS = 当期純利益÷発行済株式数 EPSは株式投資の重要な指標であり、企業の収益性を測る基準として活用されます。EPSが高いほど、投資家にとって魅力的な企業とされることが多いです。

空売り

空売りとは、信用取引の1つで、株を借りて行う取引手法のこと。借りた株式を売却し、売却額より低い価格で買い戻すことにより利益を狙う手法である。 現物取引とは異なり、株価の下落局面で利益を狙うことができる。他にもすでに所有している現物株式のリスクヘッジになる点もメリットとして挙げられる。 デメリットとしては株価の上昇幅には上限がないことから損失が無限に膨らむ可能性がある、手数料をはじめとした費用がかかる点が挙げられる。

需給バランス

需給バランスとは、株式市場における需要(買い注文)と供給(売り注文)の均衡状態を指します。需給バランスが崩れると、株価の変動要因となります。例えば、買い注文が多ければ株価は上昇し、売り注文が多ければ株価は下落します。

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