国債の償還日が気づいたら過ぎていました。利子や元本はいつまで受け取れますか?
国債の償還日が気づいたら過ぎていました。利子や元本はいつまで受け取れますか?
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2025/10/28 09:11
男性
60代
保有していた国債の償還日をうっかり過ぎてしまいました。銀行や証券会社から特に案内もなく、どうすれば元本や利子を受け取れるのか分からず不安です。償還日を過ぎても受け取りができる期間や手続きの流れについて教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
国債の利子と元本はどちらも「支払開始日の翌日から5年間」は受け取ることができます。5年を過ぎると消滅時効が成立し、請求する権利がなくなります。利子は各利払日ごとに個別に5年、元本は償還日の翌日から一括で5年という扱いです。
現在の個人向け国債を含む国債はすべて振替制度で管理されており、通常は指定口座に自動的に利子や償還金が振り込まれます。ただし、受取口座を解約していたり、名義変更や住所変更が済んでいない場合などは振込ができず、受け取りが保留になることがあります。
その場合でも時効期間内であれば、購入先または保有している金融機関に請求できます。
請求する際には、本人確認書類や当時の取引を示す資料(取引報告書、口座番号、銘柄・利払期・償還期など)が必要です。相続が絡む場合は、戸籍関係書類や遺産分割の証明書類が求められることもあります。
利子はそれぞれの利払日ごとに5年の時効が個別に進行するため、古い期の利子から順に受取期限が切れていきます。一方で償還金は満期一括の扱いであり、たとえば満期が2025年3月10日なら、翌日の2025年3月11日から2030年3月10日までに請求すれば受け取ることができます。
時効が過ぎた場合は、法的に受け取ることができなくなります。国債は国の債務であるため、民間債券のように「元本10年、利息5年」といった区別はなく、どちらも5年で統一されています。もし期限が迫っている可能性がある場合は、早急に購入先または取扱金融機関へ連絡し、未受領の有無や請求方法を確認することが重要です。
関連する専門用語
償還日
償還日とは、債券などの金融商品で、発行体が投資家に元本を返す日、つまりお金を返してもらえる期日のことです。債券を購入すると、通常は定期的に利子を受け取ることができますが、最終的に投資した元本が戻ってくるのがこの償還日になります。 償還日まで債券を保有すれば、基本的には額面金額がそのまま返ってくるため、投資家にとっては非常に重要な日です。また、償還日が遠いか近いかによって、債券のリスクや価格の変動性にも違いが出てくるため、購入時には必ず確認すべきポイントです。
利払い日
利払い日とは、債券の保有者に対して発行体が利息(クーポン)を支払う日を指します。債券を購入すると、発行体はあらかじめ決められたスケジュールに従って、一定の利息を定期的に支払う義務を負います。 多くの場合、年2回、半年ごとに支払われるのが一般的ですが、年1回など、債券の種類によって異なる場合もあります。利払い日は債券の条件として発行時に明記されており、投資家はその日まで債券を保有していれば利息を受け取ることができます。資産運用の計画を立てるうえで、利払い日は安定した収入のタイミングとして重要な要素となります。
消滅時効
消滅時効とは、一定の期間が経過すると、法律上の権利が行使できなくなる制度のことです。たとえば、お金を貸した場合、一定の年数が過ぎてしまうと、原則として裁判などで返済を請求する権利が消滅します。これは、時間の経過とともに事実関係が不明確になることを避け、社会的な安定と公平を図るために設けられている制度です。 民法では、原則として権利を行使できることを知ったときから5年(または権利が発生してから10年)という期間が定められています。資産運用や金融の分野でも、貸付債権、未払いの配当金、保険金請求などにおいて消滅時効のルールが適用され、時効を過ぎると本来受け取れるはずだった資産を失う可能性があります。したがって、請求や権利行使のタイミングには注意が必要であり、時効制度の理解は金融実務において極めて重要です。
償還金
償還金とは、債券などの金融商品を発行した企業や自治体が、満期になった際に投資家へ元本を返すために支払うお金のことです。投資家は債券を購入することで一定期間資金を提供し、その期間が終わると発行体から元本が返済されます。この返済金が「償還金」です。 償還金には、満期償還と途中償還の2種類があり、満期償還はあらかじめ定められた期日に返されるもの、途中償還は予定より早く返済されるものを指します。投資家にとっては、債券の安全性や流動性を判断するうえで重要な要素であり、償還金の受け取り時には利息や税金の扱いにも注意が必要です。
個人向け国債
個人向け国債とは、日本政府が個人投資家向けに発行する債券で、安全性が高く元本保証が特徴です。最低1万円から購入可能で、3年・5年の固定金利型と10年の変動金利型があります。変動金利型は半年ごとに金利が見直され、市場金利の上昇に伴い受取利息が増加するメリットがあります。 一方、株式投資ほどの高いリターンは期待できず、インフレ時には実質的な資産価値が目減りする可能性があります。また、購入後1年間は中途換金ができず、その後の換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれる点に注意が必要です。銀行預金より高い金利を求めるが、リスクを避けたい投資初心者や安全資産を確保したい方に適した商品です。
元本
元本とは、投資や預金を始めるときに最初に出すお金、つまり「もともとのお金」のことを指します。たとえば、投資信託に10万円を入れた場合、その10万円が元本になります。 運用によって利益が出れば、元本に運用益が加わって資産は増えますが、損失が出れば元本を下回る「元本割れ」の状態になることもあります。 元本が保証されている商品(例:定期預金、個人向け国債など)もありますが、多くの投資商品では元本保証がないため、どれくらいのリスクを取るかを理解しておくことが大切です。

