現在35歳で、貯金が1000万円貯まりました。少ないのか多いのか、気になります。
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2025/10/30 09:14
男性
30代
社会人になってから貯金を続けてきて、ようやく貯金額が1000万円に到達しました。ただ、同年代と比べてこの金額が多いのか少ないのか、正直よくわかりません。平均的な貯蓄額や中央値と比較した場合の立ち位置を知りたいです。また、今後は資産運用なども考えるべきなのか、現金のままでよいのか、今後の方針についてもアドバイスをいただきたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
1,000万円の貯金は、全国的に見ても十分に立派な水準です。結論から言えば、あなたの年齢が30代前半〜40歳未満であれば平均を上回り、40代でも全国平均に近い堅実な水準に位置しています。
2024年の家計調査では、二人以上世帯の貯蓄平均は約1,984万円、中央値は約1,189万円であり、中央値で見ればちょうど中位クラスに相当します。年齢別に見ると、40歳未満の平均は約905万円、40〜49歳では約1,230万円です。したがって、1,000万円という貯蓄額は全国的にも決して少なくなく、着実に貯蓄を進めてきた結果といえます。
次に、今後は現金のまま保有するか、運用を始めるかという点です。結論としては、全額を現金で持ち続けるのはリスク回避というより「機会損失」を生む可能性が高い選択です。今後も物価上昇や金利変動が続くことを考えると、生活防衛資金を確保した上で、残りを長期的な投資に振り向けるのが賢明です。まずは生活費の半年から1年分を安全資産として確保し、それ以外は少しずつ投資へ移すのが理想です。
運用を始めるなら、まず新NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を最大限活用しましょう。新NISAでは年間最大360万円、生涯で1,800万円まで非課税で投資でき、低コストのインデックスファンドを中心に長期積立を行うのが基本です。iDeCoは所得控除が受けられる点が魅力で、老後資金の形成に適しています。いずれも、リスクを抑えながら資産を増やす仕組みとして優れています。
具体的には、仮に生活費が月30万円の会社員であれば、12〜18か月分の360〜540万円を現金・個人向け国債で確保し、残りの460〜640万円を新NISAなどの枠内で分散投資するのが理想です。全世界株式や先進国株式を中心にしつつ、債券を20〜30%組み合わせれば、安定性と成長性のバランスが取れます。
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新NISA
新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。
全世界株式ファンド
全世界株式ファンドとは、世界中の株式市場に分散して投資を行う投資信託のことです。日本や米国といった先進国だけでなく、新興国も含めた幅広い国や地域の企業の株式に投資することで、一つの国や地域の経済状況に左右されにくくなります。個別の株を選ぶ必要がなく、一つのファンドで世界経済全体の成長を取り込めるため、長期的な資産形成を目指す方に向いています。また、為替や国ごとの景気動向によるリスクを分散できる点も特徴です。
為替ヘッジ
為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。
インデックス投資(指数投資)
インデックス投資(指数投資)とは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して投資する方法のことを指します。たとえば、日経平均株価やS&P500といった市場全体の動きを示す指数に連動するように、同じ銘柄を同じ比率で組み入れることで、指数全体の成績を再現しようとする投資手法です。個別の銘柄を選ぶのではなく、幅広い銘柄に分散して投資するため、リスクが抑えられやすく、長期的な資産形成に向いているとされています。運用コストも比較的低く、初心者にも始めやすいのが特徴です。近年では、ETFやインデックスファンドを通じて指数投資を行う投資家が増えており、資産運用の基本的な選択肢の一つとなっています。
物価連動国債
物価連動国債は、元本を全国消費者物価指数(コアCPI)に連動させ、実質固定利率を調整後元本に掛けて利息を計算する国債です。たとえば表面利率0.2%の10年債なら、物価が2%上昇して元本が102円に増えれば利息も0.204円に増えます。逆にデフレが進んでも元本は額面100円を下回らないフロアが設けられており、元本毀損は限定的です。ただしCPIは公表にタイムラグがあり、発行から利払いまで概ね3か月遅れて反映されるため、急激なインフレ局面では追随がやや遅れます。 税制上は名目利息に加え、元本調整で増えた分も利子所得として課税されるため、実質利回りより手取り利回りが低くなる傾向があります。また日本の物価連動国債市場は発行量が少なく流動性が限られるため、価格が振れやすい点にも注意が必要です。 投資判断では、同じ年限の名目国債利回りとの差で算出するブレークイーブン・インフレ率を確認し、市場が織り込むインフレ期待と照らして割高・割安を見極めます。インフレヘッジの有力手段である一方、指数ラグや流動性、税務コストも踏まえ、ポートフォリオ全体の資産配分を検討することが大切です。
リバランス
リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。



