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生活防衛資金はいくら必要?

生活防衛資金はいくら必要?世帯別に必要な目安と預け先、効率的な貯め方を徹底解説

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執筆者:

公開:

2025.10.24

更新:

2025.10.24

基礎知識

突然の失業や病気、自然災害など、予期せぬ出来事はいつ起こるかわかりません。そんなときに生活を支えてくれるのが「生活防衛資金」です。NISAやiDeCoなど投資による資産形成が注目されていますが、その前にまず大切なのは、いざという時の備えを整えることです。 この記事では、生活防衛資金の考え方や目安、貯め方のポイントをわかりやすく解説します。

サクッとわかる!簡単要約

生活防衛資金とは、失業・病気・災害などで収入が途絶えた際に生活を維持するための専用資金で、目安は生活費の3〜6ヶ月分が基本です。総務省の家計調査(2024年)をもとにすると、単身世帯で約50〜100万円、夫婦2人で約80〜160万円、子育て世帯で約200〜400万円が必要となります。本記事では、家計見直しや先取り貯蓄などの効率的な貯め方も体系的に解説。読了後には、自分に必要な金額が明確になり、今日から実践できる準備方法を理解できます。

目次

生活防衛資金とは?なぜ必要なのか

生活防衛資金の定義

貯金や投資資金との違い

生活防衛資金がないとどうなる?

生活防衛資金はいくら必要?基本的な考え方

目安は生活費の3〜6ヶ月分が基本

雇用形態で変わる必要額

家族構成で変わる必要額

【世帯別】生活防衛資金の具体的な目安額

独身・一人暮らしの場合

夫婦2人暮らしの場合

子どもがいる家族の場合

自営業・フリーランスの場合

生活防衛資金の計算方法【3ステップ】

ステップ1:月々の生活費を把握する

ステップ2:目安の月数を決める

ステップ3:目標金額を計算する

生活防衛資金の最適な預け先は?

普通預金

定期預金

個人向け国債

投資を始める前には必ず生活防衛資金を用意しよう

投資リスクから生活を守れる

流動性の高い資産があることで安心感を得られる

効率的に生活防衛資金を貯める方法

家計の見直しで貯蓄額を増やす

先取り貯蓄で確実に貯める

専用口座を作って管理する

ボーナスを活用する

収入を増やす選択肢も検討

生活防衛資金とは?なぜ必要なのか

生活防衛資金とは、万が一の事態に備えて確保しておく当面の生活費のことです。失業や病気、災害などで収入が途絶えたときでも、一定期間は安心して生活できるよう準備しておくお金を指します。

生活防衛資金の定義

生活防衛資金は、緊急時の生活維持を目的とした専用の資金です。万が一の事態に備えて確保しておくべき、当面の生活費という性格があります。具体的には、失業・病気・災害などで収入が得られなくなったときに使う専用資金として位置づけられます。

生活防衛資金として重要なのが、すぐに引き出せる流動性の高い資金であることです。緊急時には迅速に現金化できる必要があるため、普通預金や定期預金など、元本が保証されていて換金しやすい金融商品で管理します。

生活防衛資金は「いざというときの命綱」として、他の貯蓄や投資とは明確に区別して準備しておくべきお金なのです。

貯金や投資資金との違い

生活防衛資金と貯金、投資資金は、それぞれ目的が異なる別々のお金です。混同してしまうと、本来の目的を果たせなくなる可能性があります。

貯金は、旅行や結婚、住宅購入など、将来のライフイベントのために計画的に貯めるお金です。使う時期や目的が明確に決まっており、その目標に向けて積み立てていきます。

投資資金は、将来の資産形成を目的とした運用資金を指します。株式や投資信託などで長期的に運用し、資産を増やすことを目指すお金です。

一方、生活防衛資金は、緊急時の生活維持を目的とした安全資産です。元本割れのリスクがなく、いつでも引き出せる状態で管理します。

それぞれの目的に応じて分けて管理すれば、計画的な資産形成と万が一への備えを両立できます。お金に色はついていませんが、用途別に口座を分けるなど、管理方法を工夫しましょう。

生活防衛資金がないとどうなる?

生活防衛資金を準備していない状態で緊急事態が発生すると、深刻な経済的困難に直面するリスクがあります。

まず、緊急時に生活が立ち行かなくなる可能性が高まります。収入が途絶えた状態で当面の生活費をまかなえないと、日々の暮らしを維持できません。

次に、必要な保険や年金を解約せざるを得ない状況に追い込まれるケースがあります。例えば、生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったり、個人年金保険を中途解約したりすると、将来の保障が失われてしまいます。

また、投資資産を不利なタイミングで売却する必要性も生じます。相場が下落しているときに株式や投資信託を現金化すれば、大きな損失を確定させることになるでしょう。

さらに、借金や高金利のローンに頼らざるを得ないケースも考えられます。消費者金融や信販会社(クレジットカード会社)などから借り入れをすると、高い利息負担が家計をさらに圧迫します。

そして何より、精神的なストレスが増大し、冷静な判断ができなくなる点が問題です。経済的な不安を抱えた状態では、転職活動や治療に専念することも難しくなります。生活防衛資金は、こうした最悪の事態を避けるための「安心の土台」なのです。

生活防衛資金はいくら必要?基本的な考え方

生活防衛資金の必要額を決める際は、月々の生活費をベースに考えるのが基本です。一般的には生活費の3〜6ヶ月分が目安とされていますが、これはあくまで平均的な指標にすぎません。

実際に必要な金額は、雇用形態や家族構成、収入源の数などによって大きく変わります。

目安は生活費の3〜6ヶ月分が基本

生活防衛資金の基本的な目安は、月々の生活費の3〜6ヶ月分です。この期間が設定されているのには、明確な理由があります。

3ヶ月分が最低ラインとされる理由は、多くの緊急事態が3ヶ月以内に解決する可能性が高いためです。例えば、転職活動は平均的に2〜3ヶ月程度で決まるケースが多く、病気やケガによる休業も軽度であれば数ヶ月で復帰できます。

この期間を乗り越えられる生活費があれば、次の収入源を確保したり、状況を改善したりする時間的余裕が生まれます。

6ヶ月分あれば安心といわれるのは、ほとんどの緊急事態に対応できる期間だからです。転職活動が長期化した場合や、病気やケガの治療に時間がかかる場合でも、十分な余裕を持って対処できるでしょう。

雇用形態で変わる必要額

生活防衛資金の必要額は、雇用形態によって大きく異なります。これは、公的保障の手厚さに差があるためです。

会社員の場合

会社員の場合は3〜6ヶ月分が目安となります。会社員は雇用保険に加入しているため、失業時には失業保険(基本手当)を受け取れます。

さらに、会社員は病気やケガで働けない期間、健康保険組合から傷病手当金を受け取れます。給与の約3分の2が最長1年6ヶ月間支給されるため、医療費の負担があっても生活を維持しやすいでしょう。

自営業者・フリーランスの場合

自営業者・フリーランスの場合は6ヶ月〜1年分が必要です。会社員よりも多めの生活防衛資金が必要な理由は、公的保障の少なさにあります。

自営業者やフリーランスには雇用保険がないため、失業保険を受け取れません。また、国民健康保険には傷病手当金の制度がないため、病気やケガで働けなくなった場合、収入が完全にゼロになる可能性があります。

会社員と比べると保障は限定的なため、より多めの生活防衛資金を確保しておくと安心です。

なお、傷病手当金がもらえないケースに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

家族構成で変わる必要額

家族構成によって必要な生活費が変わるため、生活防衛資金の目安額も大きく異なります。

独身の場合は、収入を自由に使えるため、比較的少ない金額でも対応できます。一人分の生活費だけで済むうえ、万が一の際も自分だけの判断で迅速に行動できる点がメリットです。

夫婦のみの場合は、共働きか片働きかで必要額が変わります。共働きであれば、一方が働けなくなってももう一方の収入があるため、リスクが分散されます。この場合、生活費の3ヶ月分程度でも十分なケースがあります。

子育て世帯の場合は、6ヶ月〜1年分と多めの準備が必要です。子どもがいると、教育費などで支出を大きく削減するのが難しくなります。また、転職活動の際も、子どもの生活リズムや学校の都合を考慮する必要があり、仕事を探す時間が制限されるケースもあります。

子どもの年齢によっても必要額は変動します。乳幼児期は保育園の費用、小学生以降は学校関連の費用、中高生になれば部活動や塾の費用など、ライフステージごとに必要な支出が異なるためです。

【世帯別】生活防衛資金の具体的な目安額

世帯別の生活防衛資金の具体的な目安額を解説します。総務省の家計調査データをもとに、実際に必要な金額を計算していきましょう。

ただし、ここで紹介する金額はあくまで平均値です。住んでいる地域や生活スタイルによって支出額は大きく変わるため、自分の家計状況に合わせて調整してください。

独身・一人暮らしの場合

総務省統計局の「家計調査報告(2024年平均)」によると、単身世帯の1ヶ月あたりの平均消費支出は16万9,547円でした。この金額には教養娯楽費なども含まれているため、緊急時の最低限の生活費となると、もう少し少ない金額で済む可能性があります。

この平均支出をもとに計算すると、以下のようになります。

期間計算式目安金額
3ヶ月分16万9,547円 × 3ヶ月約51万円
6ヶ月分16万9,547円 × 6ヶ月約102万円
単身世帯の消費支出と生活防衛資金

具体的な金額としては、50万円〜100万円程度を用意しておけば、万が一のトラブルにも対応できるでしょう。

ただし、実家暮らしや社宅に住んでいる場合は、家賃の負担がない分、より少額でも問題ないケースがあります。一方、都市部で一人暮らしをしている方は、家賃が高いため平均より多めに準備する必要があるかもしれません。

計算例:月15万円で生活している独身会社員の場合

  • 3ヶ月分:15万円×3ヶ月=45万円
  • 6ヶ月分:15万円×6ヶ月=90万円

独身の場合、収入を自由に使える点がメリットです。扶養家族がいないため、緊急時も自分の判断で迅速に行動できます。生活防衛資金を効率的に貯めやすい立場ともいえるでしょう。

夫婦2人暮らしの場合

夫婦2人暮らしの方の生活防衛資金は、生活費の3〜6ヶ月分が目安となります。

総務省統計局の「家計調査報告(2024年平均)」によると、2人以上世帯の1ヶ月あたりの平均消費支出は30万243円でした。2人世帯に限定すると、この金額よりやや少ない26〜27万円程度になります。

この平均支出をもとに計算すると、以下のようになります。

期間計算式目安金額
3ヶ月分27万円 × 3ヶ月約81万円
6ヶ月分27万円 × 6ヶ月約162万円
二人以上世帯の消費支出と生活防衛資金

具体的な金額としては、80万円〜160万円程度が一つの目安です。

ただし、夫婦2人暮らしの場合、共働きか片働きかによって必要な金額が大きく変わる点に注意が必要です。

共働きの場合は、一方の収入が途絶えても、もう一方の収入で生活できるケースが多いでしょう。リスクが分散されているため、生活費の3ヶ月分(約80万円)程度でも十分な場合があります。

片働きの場合は、収入源が一つしかないため、その収入が途絶えた際の影響は深刻です。生活費の6ヶ月分(約160万円)以上を確保しておくと安心できます。

まずは毎月の収入と支出を確認したうえで、自分たち夫婦に合った目標額を設定しましょう。収入源が複数あるほど、必要な生活防衛資金は少なくて済みます。

子どもがいる家族の場合

子どもがいる家族の場合、生活防衛資金は生活費の6ヶ月〜1年分が目安となります。独身や夫婦2人暮らしと比べて、多めの準備が必要です。

その理由は主に2つあります。まず、子どもがいると固定費が多く、支出を大幅に削減するのが難しい点です。習い事や学校関連の費用は、緊急時でもある程度は必要になるでしょう。

総務省統計局の「家計調査報告(2024年)」の平均消費支出を参考に、生活防衛資金を計算します。

世帯人数月平均支出6ヶ月分12ヶ月分
3人家族約31万円約186万円約372万円
4人家族約34万円約204万円約408万円
5人家族約36万円約216万円約432万円
三人以上の世帯の消費支出と生活防衛資金

子どもの年齢や人数によっても必要額は変動します。乳幼児期は保育園の費用、小学生以降は学校関連の費用や習い事、中高生になれば部活動や塾の費用など、ライフステージごとに支出の内訳が変わるためです。

まずは現在の家計状況を把握し、子どもの成長に合わせて定期的に目標金額を見直すようにしましょう。

自営業・フリーランスの場合

自営業やフリーランスの方は、会社員よりも多めの生活防衛資金が必要です。目安としては、生活費の6ヶ月〜1年分を確保しておきましょう。

会社員より多めの生活防衛資金が必要な理由は、公的保障の少なさにあります。具体的には以下のような違いがあります。

項目会社員自営業・フリーランス
雇用保険◯ あり× なし
傷病手当金◯ あり× なし(国民健康保険)
失業時の保障失業保険を受給可能保障なし
病気・ケガの保障給与の約2/3を最長1年6ヶ月保障なし
会社員とフリーランスの保障の違い

自営業者やフリーランスには雇用保険がないため、失業保険を受け取れません。また、国民健康保険には傷病手当金の制度がないため、病気やケガで働けなくなった場合、収入が完全にゼロになる可能性があります。

さらに、フリーランスは収入の変動が大きい点も考慮が必要です。繁忙期と閑散期で収入に差があるケースが多く、不測の事態が起きたときのダメージが大きくなりやすい傾向があります。

計算例:月30万円で生活しているフリーランスの場合

  • 6ヶ月分:30万円×6ヶ月=180万円
  • 12ヶ月分:30万円×12ヶ月=360万円

自営業やフリーランスの方は、最低でも半年分、できれば1年分の生活防衛資金を目標に、計画的に準備していきましょう。収入が不安定だからこそ、より厚い備えが安心につながります。

自営業者やフリーランスにとって価値のある保険が、就業不能保険です。詳しくは、こちらの記事で解説しています。

生活防衛資金の計算方法【3ステップ】

ここまで世帯別の目安額を紹介しましたが、実際にあなたに必要な金額を計算する方法を解説します。平均的な数字ではなく、自分の家計に合った金額を算出しましょう。

この計算方法を使えば、漠然とした不安が具体的な目標に変わり、今日から行動を起こせるようになります。順番に見ていきましょう。

ステップ1:月々の生活費を把握する

最初のステップは、自分や家族の月々の生活費を正確に把握することです。これが生活防衛資金を計算するうえで最も重要な基礎となります。

生活費は大きく「固定費」と「変動費」の2つに分けられます。それぞれを洗い出していきましょう。

分類具体例
固定費の例家賃(住宅ローン返済額)
水道光熱費(電気・ガス・水道)
通信費(スマホ・インターネット)
保険料(生命保険・医療保険・火災保険など)
車関連費(駐車場代・自動車保険)
教育費(保育園・学校の月謝)
サブスクリプション(動画配信・音楽配信など)
変動費の例食費(自炊・外食)
日用品費
医療費
交通費
被服費
美容費
交際費
固定費と変動費

固定費は毎月ほぼ一定の金額ですが、変動費は月によって増減します。正確な平均を出すには、家計簿アプリやエクセルで3ヶ月間記録するのがおすすめです。

3ヶ月分のデータがあれば、季節による変動も考慮した現実的な金額を算出できます。例えば、夏と冬は冷暖房費で光熱費が上がる傾向があるため、年間を通した平均を知るには複数月のデータが有効です。

計算のポイントは、緊急時に削減できる費用は除外することです。娯楽費や趣味の費用、頻繁な外食費などは、万が一のときには削れる支出でしょう。本当に必要な最低限の生活費を把握すれば、現実的な目標金額が見えてきます。

家計簿をつけていない方は、まず1ヶ月間だけでも支出を記録してみてください。銀行口座やクレジットカードの明細も活用すれば、簡単に把握できます。

ステップ2:目安の月数を決める

月々の生活費が把握できたら、次は何ヶ月分の生活防衛資金を準備するかを決めます。目安の月数は、雇用形態と家族構成によって変わります。

雇用形態目安の期間理由
会社員(正社員)3〜6ヶ月雇用保険・傷病手当金あり
契約社員・派遣社員6ヶ月雇用の安定性が低い
自営業・フリーランス6〜12ヶ月公的保障が少ない
パート・アルバイト3〜6ヶ月収入の安定性による
雇用形態による目安

まず、自分の雇用形態を確認しましょう。会社員であれば失業保険や傷病手当金といった公的保障があるため、3〜6ヶ月分で対応できるケースが多いでしょう。

一方、自営業やフリーランスの方は、これらの保障が限られるため、6〜12ヶ月分の準備が推奨されます。収入の変動が大きい職種ほど、長めの期間を設定すると安心です。

共働き世帯の場合、一方の収入が途絶えても、もう一方の収入で生活できる可能性があります。この場合、収入源が複数あるため、必要な月数は少なめに設定できるでしょう。

ステップ3:目標金額を計算する

ステップ1とステップ2が完了したら、いよいよ目標金額を計算します。計算式は非常にシンプルです。

生活防衛資金の計算方法

この計算式に、ステップ1で算出した生活費とステップ2で決めた月数を当てはめるだけで、あなたに必要な生活防衛資金がわかります。

具体例1:独身会社員Aさんのケース

  • 月々の最低限の生活費:15万円
  • 雇用形態:会社員(正社員)
  • 目安の月数:6ヶ月
  • 目標金額:15万円×6ヶ月=90万円

Aさんは独身で会社員のため、公的保障もあり、90万円を目標に設定すれば十分でしょう。

具体例2:共働き夫婦Bさんのケース

  • 月々の最低限の生活費:25万円
  • 雇用形態:夫婦とも会社員
  • 目安の月数:3ヶ月(共働きでリスク分散)
  • 目標金額:25万円×3ヶ月=75万円

Bさん夫婦は共働きで、一方の収入が途絶えても、もう一方の収入があります。リスクが分散されているため、3ヶ月分の75万円で対応できるでしょう。

具体例3:子ども2人の家族Cさんのケース

  • 月々の最低限の生活費:35万円
  • 雇用形態:夫・会社員、妻・専業主婦
  • 目安の月数:12ヶ月(子どもあり・片働き)
  • 目標金額:35万円×12ヶ月=420万円

Cさん家族は子どもが2人おり、収入源も一つです。教育費などの固定費も多いため、12ヶ月分の420万円を目標にすると安心できます。

具体例4:フリーランスDさんのケース

  • 月々の最低限の生活費:30万円
  • 雇用形態:フリーランス
  • 目安の月数:12ヶ月(公的保障が少ない)
  • 目標金額:30万円×12ヶ月=360万円

Dさんはフリーランスで公的保障が限られるため、1年分の360万円を目標に設定します。収入の変動リスクも考慮した金額設定です。

計算した目標金額は、定期的に見直すようにしましょう。結婚や出産、転職などのライフイベントが起きたときや、収入や支出に大きな変化があったときは、必ず再計算してください。

年に1回程度、自分の家計状況を確認し、生活防衛資金の目標額が適切かどうかをチェックする習慣をつけると、常に最適な備えを維持できます。

家計管理や生活防衛資金の計算方法で悩む場合は、専門家と一緒にライフプランシミュレーションをしませんか?投資のコンシェルジュでは、無料相談を承っています。

生活防衛資金の最適な預け先は?

生活防衛資金を貯める方法がわかったら、次はどこに預けるかを考えましょう。生活防衛資金の預け先を選ぶ際は、「安全性」と「流動性」の2つが最も重要です。

安全性とは、元本が保証されていて価値が減らないことを指します。流動性とは、必要なときにすぐ現金化できることです。この2つの条件を満たす金融商品を選ぶ必要があります。

普通預金

普通預金は、最も流動性が高い預け先です。いつでも自由に預け入れや引き出しができるため、緊急時に即座に対応できます。

普通預金を生活防衛資金の預け先にする場合は、必ず生活費口座とは別の専用口座を作りましょう。同じ口座で管理すると、どこまでが生活費でどこまでが生活防衛資金かわからなくなってしまいます。

ネット銀行を選べば、メガバンクより金利が高い場合があります。例えば、一部のネット銀行では普通預金でも年0.2〜0.5%程度の金利を設定しています。少しでも金利が高い銀行を選ぶとよいでしょう。

定期預金

定期預金は、一定期間お金を預ける預金です。普通預金より金利が高く、引き出しにくいという特徴があります。

定期預金の満期は、自分で自由に設定できます。生活防衛資金として定期預金を利用する場合は、預入期間を分散させれば、一部は比較的早く満期を迎えるため、必要に応じて使いやすくなります。

また、自動継続の設定をしておけば、満期後も自動的に同じ期間の定期預金として継続されます。生活防衛資金として長期間保管する場合は、自動継続を設定しておくと便利です。

定期預金に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

個人向け国債

個人向け国債は、国が発行する債券を個人向けに販売している金融商品です。元本保証があり、普通預金より金利が高い点が魅力です。

タイプ金利タイプ満期特徴
固定3年固定金利3年金利が変わらない
固定5年固定金利5年3年より金利が高い
変動10年変動金利10年半年ごとに金利が見直される
個人向け国債の3つのタイプ

変動10年型は、市場金利が上昇すれば利息も増える仕組みです。今後金利が上がる可能性を考えると、変動10年型が有利になるケースもあります。

個人向け国債は1年間換金できないため、生活防衛資金の全額を国債にするのは避けましょう。最低でも3ヶ月分程度は、普通預金や定期預金で確保しておく必要があります。

また、中途換金すると直前2回分の利息相当額が差し引かれるため、実質的に利息がほとんど受け取れません。できれば満期まで保有するつもりで購入するとよいでしょう。

生活防衛資金は、安全性と流動性を最優先に、自分の状況に合わせて最適な預け先を選んでください。複数の預け先を組み合わせることで、リスクを分散しながら効率的に管理できます。

個人向け国債について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

投資を始める前には必ず生活防衛資金を用意しよう

NISAやiDeCoといった税制優遇制度の充実により、資産運用を始める方が増えています。しかし、生活防衛資金を準備せずに投資を始めるのは危険です。

投資で資産を増やすことは大切ですが、その前に「守りの資金」である生活防衛資金を確保しておく必要があります。なぜなら、投資にはリスクが伴い、緊急時にすぐ使えるお金ではないからです。

この章では、投資を始める前に生活防衛資金が必要な3つの理由を詳しく解説します。焦って投資を始める前に、まずはしっかりとした土台を作りましょう。

投資リスクから生活を守れる

投資には必ず元本割れのリスクが存在します。株式や投資信託は価格が変動するため、購入時よりも価値が下がる可能性があります。

生活防衛資金がない状態で投資をすると、緊急時に大きな問題が発生します。例えば、突然失業したり病気になったりして生活費が必要になったとき、投資している資産を売却せざるを得ません。

このとき、相場が下落していれば、損失を確定させることになります。本来であれば価格が回復するまで保有し続けたいところですが、生活費がないため売却するしかない状況に追い込まれるのです。

流動性の高い資産があることで安心感を得られる

生活防衛資金と投資資金では、「流動性」に大きな違いがあります。流動性とは、資産を現金化するまでのスピードや容易さのことです。

普通預金であれば、ATMやネットバンキングを使って即座に引き出せます。急な出費が発生したときも、すぐに対応できるでしょう。

一方、投資信託は解約申込をしてから実際に現金が振り込まれるまで、通常2〜5営業日かかります。国内株式も、売却した日から2営業日後が受渡日となり、その日まで現金を受け取れません。

なお、年代別にライフイベントや起こり得るリスクは異なります。こちらの記事も参考にしながら、必要な生活防衛資金を考えてみてください。

効率的に生活防衛資金を貯める方法

生活防衛資金の必要性と目標額がわかったら、次は実際に貯める方法を考えましょう。「貯金が苦手」「なかなかお金が貯まらない」という方でも、効率的に貯められるコツがあります。

この章では、生活防衛資金を確実に貯めるための5つの方法を紹介します。どれも今日から実践できる具体的な方法ばかりです。

家計の見直しで貯蓄額を増やす

生活防衛資金を貯めるための第一歩は、家計の見直しです。支出を削減できれば、その分を貯蓄に回せます。

まず現在の支出を把握し、削減できる部分を見つけましょう。家計簿アプリを使えば、スマホで簡単に支出を記録できます。1ヶ月間記録するだけでも、無駄な支出が見えてきます。

支出の見直しで効果が高いのは、固定費の削減です。一度見直しをして固定費を削減できれば、その後も継続的な節約効果が期待できます。

項目削減方法効果・ポイント
スマホ代大手キャリアから格安SIMに乗り換え・月3,000〜5,000円の削減
・年間36,000〜60,000円の節約
・家族3人で変更すれば年間10万円以上の効果
保険保障内容の見直しと掛け捨て型への変更・生命保険や医療保険の保障内容をチェック
・過剰な保障に加入していないか確認
・必要保障額を再計算して適正な保険に加入し直す
サブスクリプション未使用サービスの解約と整理・使っていない動画配信・音楽配信サービスを解約
・本当に必要なものだけに絞る
・月額500〜1,000円でも年間6,000〜12,000円の削減
電気代新電力会社への切り替え・年間数千円〜数万円の削減が可能
・Webから簡単に手続き可能、工事不要
・電気使用量が多い家庭ほど効果が大きい
住宅ローンより低金利への借り換え・金利低下時に総返済額を削減
・諸費用を考慮しても長期的にメリットあり
・残高が多く、残存期間が長いほど効果的
固定費の削減方法

固定費を月1万円削減できれば、年間12万円の貯蓄につながります。この金額を生活防衛資金に回せば、数年で目標額に到達できるでしょう。

必要以上に生命保険に加入すると、家計を圧迫してしまう可能性があります。必要な保険と不要な保険を考える歳には、以下の記事を参考にしてみてください。

先取り貯蓄で確実に貯める

「毎月の収入から使わなかった分を貯金する」という方法では、なかなかお金が貯められない方も多いでしょう。確実に生活防衛資金を貯めるためには、「先取り貯蓄」の仕組みを作ることが重要です。

先取り貯蓄とは、毎月の収入からまず決まった金額を貯蓄し、残ったお金で生活する方法です。「収入−貯蓄= 支出」という順番で考えます。

従来の「収入−支出=貯蓄」という考え方では、支出が膨らむと貯蓄に回せるお金がなくなってしまいます。先取り貯蓄なら、最初から貯蓄分を別にするため、確実に貯められるのです。

専用口座を作って管理する

生活防衛資金は、日常の生活費とは別の専用口座で管理しましょう。口座を分けることで、どこまでが生活費で、どこまでが生活防衛資金かを明確に区別できます。

専用口座を作るメリット

  1. 使ってしまうリスクを減らせる
  2. 目標までの進捗が一目でわかる
  3. 心理的にも「このお金は使えない」という意識が働く
  4. 家計管理がシンプルになる

専用口座を作る際は、定期預金口座の作成がおすすめです。定期預金は満期を任意で設定でき、引き出しには解約手続きが必要になります。

普通預金と比べて簡単には引き出せないため、この「引き出しにくさ」が資金を確実に貯める助けになります。ATMでつい引き出してしまう心配もありません。

ボーナスを活用する

ボーナスがある方は、ボーナスの一部を生活防衛資金に回すことで、目標達成を早められます。

生活防衛資金は決して少ない金額ではありません。独身でも50〜100万円、家族がいれば200〜400万円以上が必要です。毎月の積立だけでは、目標達成までに数年かかるケースもあるでしょう。

例えば、毎月5万円を積み立てている場合、1年間で貯まる金額は60万円です。しかし、これに加えてボーナスで15万円ずつを年2回貯めれば、1年間で貯まる金額が90万円に増えます。

貯蓄方法月々ボーナス年間合計
月々の積立のみ5万円0円60万円
ボーナス併用5万円15万円×2回90万円
ボーナスの積立例

この例では、ボーナスを活用することで年間30万円も多く貯められます。2年間で目標の180万円に到達できる計算です。

収入を増やす選択肢も検討

家計を見直しても貯蓄に回せる金額が少ない場合や、より早く生活防衛資金を貯めたい場合は、収入を増やすことも検討しましょう。

近年、副業を認める企業が増えています。本業以外の収入源を確保すれば、その収入を全額生活防衛資金に回せるでしょう。副業で月3万円の収入を得られれば、年間36万円を生活防衛資金に回せます。本業の収入には手をつけず、副業収入だけで貯めるという方法も効果的です。

長期的な視点では、自分のスキルを高めて昇給や転職を目指す方法もあります。スキルアップには時間がかかりますが、長期的に見れば大きな収入増につながります。生活防衛資金を貯めながら、将来の収入アップにつながる自己投資も並行して進めましょう。

この記事のまとめ

生活防衛資金は、人生の「もしも」に備える最優先の資金です。投資やその他の貯蓄よりも先に確保すべきお金といえます。普通預金や定期預金など、元本が守られる資産で管理することで、いざというときにすぐ使える安心感が得られます。

目安は生活費の3〜6ヶ月分が基本ですが、雇用形態や家族構成によって必要な金額は大きく変わります。自分の状況に合わせて、現実的な目標を設定しましょう。

安心できる資金があれば、投資や人生の選択肢も広がります。万が一の備えができれば、投資や将来の選択も自信を持って進められます。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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生活防衛資金

生活防衛資金とは、万が一の病気や失業、災害などで収入が途絶えた場合でも、一定期間は生活を維持できるように、あらかじめ確保しておく現金のことです。投資を始める前にまず準備しておくべきお金で、一般的には生活費の3か月から6か月分を目安にするとされています。 この資金は、株や投資信託のように価格が変動する商品ではなく、すぐに引き出せる預金などで保管するのが望ましいとされています。生活防衛資金がしっかりと確保されていれば、投資のリスクを過度に恐れずに冷静な判断がしやすくなり、精神的な安心感にもつながります。

流動性

流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。

元本保証

元本保証とは、投資や預金において、満期まで保有すれば最低でも投資した元本が保証される仕組みを指します。銀行預金や一部の保険商品などが該当し、元本が減るリスクを抑えられるため、安全性を重視する人に向いています。しかし、元本保証がある商品は一般的に利回りが低く、インフレによる実質的な購買力の低下を考慮する必要があります。

個人向け国債

個人向け国債とは、日本政府が個人投資家向けに発行する債券で、安全性が高く元本保証が特徴です。最低1万円から購入可能で、3年・5年の固定金利型と10年の変動金利型があります。変動金利型は半年ごとに金利が見直され、市場金利の上昇に伴い受取利息が増加するメリットがあります。 一方、株式投資ほどの高いリターンは期待できず、インフレ時には実質的な資産価値が目減りする可能性があります。また、購入後1年間は中途換金ができず、その後の換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれる点に注意が必要です。銀行預金より高い金利を求めるが、リスクを避けたい投資初心者や安全資産を確保したい方に適した商品です。

雇用保険

雇用保険とは、労働者が失業した際に一定期間、給付金を受け取ることができる公的保険制度です。日本では、労働者と事業主がそれぞれ保険料を負担しており、失業給付だけでなく、教育訓練給付や育児休業給付なども提供されます。 この制度は、収入が途絶えた際の生活資金を一定期間補う役割を果たし、資産の取り崩しを抑えるという意味でも、資産運用と補完的な関係にあります。雇用の安定を図るとともに、労働市場のセーフティネットとして重要な位置を占めています。

傷病手当金(しょうびょうてあてきん)

傷病手当金(しょうびょうてあてきん)とは、会社員など健康保険に加入している被保険者が、業務外の病気やけがによって働けなくなり、給与の支払いを受けられない場合に支給される所得補償制度です。 原則として、連続する3日間の待期期間のあと、4日目以降の働けなかった日から支給されます。支給期間は同一の傷病につき、支給開始日から通算して最長1年6か月です。支給額は、休業前の標準報酬日額の3分の2に相当する額で、収入減少を一定程度補う役割を果たします。 支給を受けるには、医師による「労務不能」の証明が必要です。また、会社から給与が一部支給される場合は、その分が差し引かれて調整されます。なお、退職後であっても在職中に支給要件を満たしていれば、継続して受給できる場合があります。 一方で、国民健康保険(自営業者やフリーランスなどが加入する制度)には原則として傷病手当金の仕組みがありません。 これは、国民健康保険が「個人単位」での医療費給付を目的とした制度であり、勤務先を持たない人には“給与の喪失”という概念が存在しないため、所得補償を行う仕組みが制度設計上含まれていないことが理由です。 ただし、一部の自治体では独自に「国民健康保険傷病手当金」を設けており、新型コロナウイルス感染症など特定の事由に限って給付されるケースがあります。とはいえ、全国的には例外的な措置にとどまります。 このように、傷病手当金は会社員や公務員など被用者保険に加入している人のための制度であり、自営業者など国民健康保険加入者は対象外となる点に注意が必要です。

雇用保険

雇用保険とは、労働者が失業した際に一定期間、給付金を受け取ることができる公的保険制度です。日本では、労働者と事業主がそれぞれ保険料を負担しており、失業給付だけでなく、教育訓練給付や育児休業給付なども提供されます。 この制度は、収入が途絶えた際の生活資金を一定期間補う役割を果たし、資産の取り崩しを抑えるという意味でも、資産運用と補完的な関係にあります。雇用の安定を図るとともに、労働市場のセーフティネットとして重要な位置を占めています。

国民健康保険

国民健康保険とは、自営業者やフリーランス、退職して会社の健康保険を脱退した人、年金生活者などが加入する公的医療保険制度です。日本ではすべての国民が何らかの健康保険に加入する「国民皆保険制度」が採用されており、会社員や公務員が加入する「被用者保険」に対して、それ以外の人が加入するのがこの国民健康保険です。 市区町村が運営主体となっており、加入・脱退の手続きや保険料の納付、医療費の給付などは、住民票のある自治体で行います。保険料は前年の所得や世帯の構成に応じて決まり、原則として医療機関では医療費の3割を自己負担すれば診療を受けられます。病気やけが、出産などの際に医療費の支援を受けるための基本的な仕組みであり、フリーランスや非正規労働者にとっては重要な生活保障となる制度です。

労災保険

労災保険とは、働いている人が仕事中や通勤中にけがをしたり、病気になったり、あるいは亡くなってしまった場合に、その人や遺族を金銭的に支援するための公的保険制度です。正式には「労働者災害補償保険」といい、すべての労働者が対象となります。保険料は事業主(雇用主)が全額負担し、労働者自身が支払うことはありません。 治療費の補償だけでなく、働けない期間の生活費を支える給付や、障害が残った場合の補償、遺族への年金など多くの給付内容が含まれています。資産運用の視点から見ると、万が一の事態に備えるセーフティネットとして、この制度を理解しておくことが安心につながります。

財形貯蓄

財形貯蓄とは、企業に勤めている人が、毎月のお給料から一定額を自動的に天引きして積み立てていく貯蓄制度のことです。会社を通じて契約するため、通常の銀行預金よりも手間がかからず、計画的にお金を貯めることができます。 主に「一般財形」「住宅財形」「年金財形」の3種類があり、それぞれ目的に応じて利用できます。特に住宅財形と年金財形では、一定の条件を満たせば利子に対する税金が非課税となる優遇措置があります。長期的な資金計画に役立ちやすく、将来の住宅購入や老後の生活に備えたい人に向いています。

積立定期預金

積立定期預金とは、あらかじめ決めた金額を毎月一定のタイミングで銀行口座から自動的に預け入れていく貯蓄の方法です。定期預金の一種でありながら、まとまったお金を最初に用意する必要がなく、少額からコツコツと貯めることができるのが特徴です。期間が満了するまで引き出さずに預け続けることで、普通預金よりも高い金利が適用されることがあります。 毎月無理のない範囲で貯蓄習慣を身につけたい方や、将来のために計画的にお金を貯めたい方に適した仕組みです。元本が保証されているため、リスクを避けたい初心者にとって安心感のある選択肢となります。

格安SIM

格安SIMとは、大手通信会社の通信回線を借りてサービスを提供している通信事業者(MVNO)が発行する、料金の安いSIMカードのことを指します。スマートフォンに挿して使うことで、通話やインターネットが利用できます。 大手キャリアに比べて月々の通信費を大きく抑えられるため、通信費の節約手段として注目されています。サービス内容は会社によって異なり、通話重視のプランやデータ通信専用のプランなど多様です。資産運用の観点から見ると、毎月の固定費を見直すことは支出を減らし、その分を貯蓄や投資に回すことができる有効な手段です。格安SIMは、そうした家計の見直しを始めたい方にとって、取り入れやすい節約術の一つと言えます。

サブスクリプション

サブスクリプションとは、製品やサービスを単発で販売するのではなく、月額や年額など定期的な料金を受け取り続けるビジネスモデルを指します。利用者にとっては初期費用を抑えつつ常に最新版や追加機能を享受できるメリットがあり、企業にとっては安定した継続収益(リカーリングレベニュー)が見込める点が最大の魅力です。 投資家の視点では、解約率(チャーン)や顧客獲得コスト(CAC)、年間経常収益(ARR)といった指標が企業価値を左右します。サブスクリプション型企業は売上の先行きが比較的読みやすい反面、利用者拡大の初期段階ではマーケティング費用が膨らみ利益が出にくい傾向があります。投資判断では、継続率の高さと顧客基盤の拡大速度、そしてキャッシュフローの健全性を総合的に確認することが重要です。

金利(利率)

金利(利率)とは、お金を貸したり預けたりしたときに発生する利息の割合を表す言葉です。たとえば、銀行にお金を預けると一定の利息がもらえますが、そのときの利息の割合を金利または利率と呼びます。一般的には「金利」が金融機関との貸し借りに使われることが多く、 「利率」は投資商品の収益率などに使われる傾向がありますが、日常的にはほぼ同じ意味で使われています。資産運用の場面では、金利の動きが預金、ローン、債券などの価格や収益に影響を与えるため、金利や利率に注目することはとても大切です。特に経済状況や中央銀行の政策によって金利は変動するため、それを理解しておくことでより良い投資判断につながります。

中途解約

中途解約とは、契約期間が満了する前に利用者の都合で契約を終了することを指し、定期預金・保険・投資信託など幅広い金融商品に使われます。中途解約では、利息や運用益が減るだけでなく、元本割れや手数料の発生といったコストが生じる場合があります。 たとえば投資信託では、解約時に「信託財産留保額」と呼ばれる費用が差し引かれます。これは、解約によってファンドが保有資産を売却する際のコストを公平に負担するための仕組みで、一般的には基準価額の0.1〜0.5%程度が設定されています。たとえば120万円分を解約し、信託財産留保額が0.3%の場合、3,600円が差し引かれ、残りの金額が支払われます。 一方、定期預金では中途解約時に約定金利が適用されず、普通預金並みの低い「中途解約利率」が使われるため、受取利息が数円にとどまることもあります。 さらに保険商品では、特に契約初期に解約すると解約返戻率が低く、払込総額を大きく下回ることが多いです。たとえば200万円支払った学資保険を5年目で解約すると、返戻金が170万円前後となり、実質30万円の損失となるケースもあります。 このように中途解約は、利息・手数料・税金・元本割れリスクのいずれかを伴うため、急な資金需要があっても即時解約が最善とは限りません。生活防衛資金や他の調達手段を検討しつつ、満期まで保有した場合の利得や保障との比較を行い、総合的に判断することが重要です。

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