専門用語解説
贈与契約書
贈与契約書とは、贈与者と受贈者が財産を無償で移転することに合意した事実を文章で残す書類です。民法上、贈与は口頭でも成立しますが、書面を作成しておけば資金移動の経緯や当事者の意思を客観的に示せるため、税務調査や家族内の誤解を未然に防ぐ効果があります。
書式に法律上の定型はありませんが、日付・当事者の氏名と住所・贈与財産の内容・贈与の態様(現金振込や不動産登記など)を明記し、双方が自署捺印したうえで2通作成してそれぞれ保管するのが一般的です。
現金や株式など不動産以外の贈与では印紙税がかからない一方、不動産の無償贈与では200円の収入印紙を貼付して消印をする義務が生じます。連年贈与を暦年課税で扱う場合には毎年内容を変えた贈与契約書を作成し、都度の合意であることを明確にすることで、税務上「定期贈与」と認定されるリスクを下げられます。
このように贈与契約書は、相続対策や資産移転の透明性を高め、将来の税負担を見通すうえで欠かせない役割を果たします。