専門用語解説
実質金利
実質金利とは、名目金利からインフレ率を差し引いた後の金利を指します。この金利は、資金の貸借や投資の実際の収益性を測るための重要な指標であり、インフレの影響を考慮に入れた金利の実態を示します。名目金利が投資やローンの表面的な利率であるのに対し、実質金利はその金利から物価上昇の影響を除いた純粋な利益の率を表しています。
実質金利が正の場合、投資のリターンはインフレ率を上回っていることを意味し、投資家の購買力は増加します。逆に、実質金利が負の場合には、投資のリターンがインフレ率に追いついていないため、時間の経過と共に購買力が減少します。これは、実際の利益が期待ほど高くないことを示しており、投資や貯蓄の実質的な価値が減少している状態です。
投資家は実質金利を用いて、異なる金融商品や投資案件の収益性を比較し、インフレの影響を考慮したうえで最も効果的な投資選択を行うことができます。また、中央銀行は実質金利を金融政策の設定において重要な指標として利用し、経済成長や物価安定の目標を支えるための政策利率を調整する際の参考にします。
実質金利の動向は経済全体の健全性を示すバロメーターともなり、経済の過熱や不況のサインを察知する手がかりとなるため、経済分析において非常に重要な役割を果たします。