ロボアドバイザーとは?助言型・運用型の違いと手数料、おすすめのサービスを比較して解説

ロボアドバイザーとは?助言型・運用型の違いと手数料、おすすめのサービスを比較して解説
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執筆者:
公開:
2023.04.02
更新:
2025.12.18
ロボアドは「おまかせで運用できる」一方で、「手数料が高い」「やめとけ」といった声もあり、何を基準に選ぶべきか迷いやすいサービスです。判断を誤ると、コスト負担やNISA・積立とのミスマッチで期待した効果が得られない可能性があります。この記事ではロボアドの仕組みとタイプ別の違いを整理し、手数料・実質コスト、メリット・デメリット、NISA適性までを比較軸で具体的に解説します。
サクッとわかる!簡単要約
この記事を読めば、ロボアドの基本構造と「投資一任型/助言型」の違い、手数料に加えて確認すべき実質コストの見方、メリット・デメリットや否定意見の論点を体系的に理解できるようになります。さらに、NISA・積立との相性や比較軸をもとに、ロボアドが自分に必要か、使うならどのタイプを選び何を事前確認すべきかを自分で判断できるようになります。
ロボアドバイザーとは?仕組みを「やってくれること」に分解する
ロボアドバイザーは、質問(年齢、資産状況、目的、運用期間、リスク許容度など)への回答をもとに資産配分(ポートフォリオ)を提案し、サービスによっては売買やリバランスまで自動で実行する仕組みです。
一般的な流れは以下です。
ロボアドバイザーの投資
- 診断(質問票)で運用目的・リスク許容度を推定
- 資産配分(国内外株式・債券等)を提示
- 相場変動で配分が崩れたらリバランス等で調整
- 積立や追加投資で長期運用を継続
重要なのは、ロボアドは「必ず勝てる仕組み」ではなく、あくまで長期運用の型(分散・積立・定期的な調整)を実行しやすくするサービスだという点です。「運用の正解」よりも「運用の継続性」を重視したい方に向いています。
ロボアドバイザーの種類
ロボアドバイザーには大きく分けて2種類が存在します。
| 比較項目 | 助言型(投資アドバイス型) | 運用型(投資一任型) |
|---|---|---|
| 位置づけ | 診断結果にもとづき、資産配分や商品案を「提案」する | 資産配分の提案に加え、売買・運用管理まで「実行」する |
| どこまで“やってくれる”か | 目安の提示(配分・商品候補・リスク水準など)まで | 口座での買付、リバランス等の運用管理まで(サービス設計による) |
| 売買(発注) | 自分で行う | 原則サービス側が行う |
| リバランス | 原則自分で判断・実行 | 原則サービス側が自動実行(ルールに基づく) |
| 積立設定 | 自分で設定(証券口座等) | 自動積立・入金連携などを提供することが多い(条件はサービスによる) |
| 主なコスト | 無料〜低コストの例が多い(※商品側の信託報酬等は別途) | 年率手数料がかかる例が多い+投資対象のコスト(含む/別建ては要確認) |
| コストの見え方 | 提案自体は無料でも、選ぶ商品によりコストが変動 | 直接手数料のほか、実質コスト(投資対象コスト込み)で比較が必要 |
| 向いている人 | 自分で設定・継続できる/低コスト重視/投資理解も深めたい | 忙しくて手間を減らしたい/判断ブレを抑えたい/運用を仕組み化したい |
| 向かない人 | 実行が面倒で続かない/相場で迷って積立が止まりやすい | 低コスト最優先/細かくカスタムしたい/仕組みの透明性がないと不安 |
助言型(投資アドバイス型)
助言型ロボアドバイザーは、年齢・年収・投資目的などの、投資家に関する質問に基づき、リスク許容度を分析した上で、投資家にとって最適なポートフォリオを提案してくれるサービスです。
運用型とは異なり、投資商品の売買までは自動化されていません。そのため、助言型ロボアドバイザーでは、投資アドバイスを元に、自分自身で発注を行う必要があります。
- 大手銀行や大手証券会社の多くが提供しており、ほとんどの助言型のロボアドバイザーは、無料で提供されています。
運用型(投資一任型)
運用型ロボアドバイザーは、投資家の投資目的・運用期間・リスク許容度等を踏まえ、投資家にとって最適なポートフォリオを提案します。それに加えて、最適なポートフォリオになるように投資商品を自動で売買する機能や、運用期間中のポートフォリオを最適な状態に維持する機能(リバランス機能)も存在します。
つまり、運用型は「全てお任せできる」ロボアドバイザーといえます。
- 運用型は既存の大手証券会社だけではなく、フィンテック系のスタートアップも提供しています。資産運用額に対して、年間1%前後の手数料が必要となることが多いです。
ロボアドを活用して「ほったらかし投資」も可能です。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
助言型ロボアドバイザーのメリット
助言型ロボアドは、診断結果にもとづいて資産配分や商品案を提示し、投資判断の“たたき台”を作ってくれるタイプです。運用型ほどの自動化はない一方で、コストを抑えながら自分の方針に合わせて設計できる利点があります。ここでは、助言型が役立ちやすい場面を具体例とともに整理します。
無料・低コストで資産配分のたたき台を得られる
投資を始めたいと思っても、「株と債券の割合はどれくらいが適切?」「国内と海外はどう分ける?」のような“配分の初期設計”で手が止まる人は多いはずです。助言型ロボアドは、質問に答えるだけで資産配分の案が提示されるため、ゼロから考える負担を減らせます。
特に、NISAを始めたいが商品が多すぎて選べない人にとっては、「まずはこの程度のリスク感で運用するのが一般的」という目安を持てる点が価値です。
注意したいのは、同じ「年齢30代」でも家計の余力や使う時期(教育費・住宅・老後)で最適解が変わることです。助言型の提案は“出発点”として使い、「何を優先したいか」を整理する材料にすると、納得感のある選択につながります。
商品選択と実行を自分でコントロールできる
助言型の強みは、提案を参考にしながらも、最終的な実行は自分で設計できる点です。例えば「毎月の積立額は家計の状況に合わせて増減したい」「投資対象は投信中心にしたい」「為替変動が不安なのでリスクは抑えめにしたい」といった希望は、運用型より反映しやすい傾向があります。
- また、NISAでは「枠のどこを使うか」「積立と一括の比率をどうするか」が意思決定の核になります。助言型であれば、提案をたたき台にしつつ、枠の使い方を自分の方針に合わせて調整できます。投資は“正解の押し付け”では続きません。自分で決められる余地があるほど、方針を守って継続しやすくなる点も実務上のメリットです。
投資判断の理解が深まり、学習効果が得られる
助言型は「提案が出る」だけで完結しないため、提案を実行する過程で自然に学びが発生します。例えば、「株式比率が高い=値動きが大きい」「運用期間が長いほど短期変動を受け止めやすい」「分散するとブレが小さくなりやすい」といった基本が、具体的な数字や配分で理解できます。
- さらに、相場が上下したときに「なぜこの配分なのか」を自分で解釈できると、焦って売買するリスクを減らせます。ロボアドに限らず、投資で大きな差を生むのは“商品選び”よりも“継続できる判断軸を持てるか”です。助言型は、判断軸を作る練習として機能しやすいという意味で、初心者の入口として合理的な選択肢になり得ます。
既存の証券口座・商品と組み合わせやすい
すでにネット証券で投資信託を積み立てている人や、個別株・ETFを少し持っている人は、「ロボアド専用口座に資金を移すべきか」が気になるはずです。助言型は、提案だけを利用し、実行は既存口座で行えるケースが多いため、資産管理を分断しにくい点がメリットです。
- また、「生活防衛資金は現金で確保し、余剰だけを積立に回す」「教育費に近いお金はリスクを落とす」など、家計のルールに沿った運用設計をしやすくなります。資産形成は“商品単体”ではなく“家計全体の設計”が重要です。既存口座と統合して運用を組み立てられる助言型は、生活設計に落とし込みやすい選択肢です。
助言型ロボアドバイザーのデメリット
助言型は提案を得られる反面、売買や積立設定、継続の管理は基本的に自分で行う必要があります。そのため、「提案は見たが結局動けない」「相場が荒れると判断が止まる」といったつまずきが起こりやすい点に注意が必要です。ここでは、助言型で失敗しやすいポイントと、事前に点検すべき点を整理します。
実行(売買・積立設定)を自分で行う必要がある
助言型は、提案が出ても「買う」「積み立てる」「続ける」は自分の作業です。例えば、提案が出た直後はやる気があっても、口座開設や商品選択、積立設定が後回しになり、結局始められないケースは少なくありません。
- また、相場が荒れたときに「今買っていいのか」と迷い、積立を止めてしまうこともあります。助言型は“判断の迷い”を完全には取り除けないため、行動を仕組みにしたい人ほどストレスが残ります。忙しさや性格的に「手続き・設定を自分でやり切るのが苦手」という自覚がある場合、ここが最大のボトルネックになります。
行動のブレが生じやすく運用が継続しにくい
投資の成果を左右するのは、実は「相場予想」よりも「継続できるか」です。しかし助言型では、下落局面で積立を止めたり、上昇局面で焦って一括投資したりと、感情に引っ張られやすくなります。
特に初心者は、評価額がマイナスになった瞬間に“失敗した”と感じやすく、ルールを崩してしまう傾向があります。助言型を選ぶなら、提案を見たうえで「毎月いくらを何年続ける」「価格変動があっても積立は止めない」など、最低限の運用ルールを先に決めておくことが重要です。ルールがないと、提案の良し悪し以前に“続かない”という問題に直面します。
リバランスや税務最適化などの“運用作業”が残る
助言型で見落とされやすいのが、運用は“買って終わり”ではない点です。相場変動で資産配分が崩れた場合、本来は比率を戻す(リバランス)ことでリスクを管理しますが、助言型ではこの点検・実行が自己責任になります。
さらに課税口座を併用していると、損益通算や売却順序など、税務面の判断が絡むことがあります。こうした運用のメンテナンスが苦手な人にとっては、助言型は想像以上に手間が残ります。「投資の勉強を兼ねて自分で管理したい」のか、「手間はなるべく減らしたい」のかで、ここははっきり好みが分かれます。
提案が一般化されやすく、個別事情を反映しにくい
助言型は質問票に基づくため、提案は一定の範囲で一般化されます。例えば、同じ年収・年齢でも「来年まとまった頭金が必要」「数年後に学費が増える」「住宅ローンの返済方針がある」といった個別事情で、取るべきリスク水準は変わります。
- 提案をそのまま採用すると、必要な時期に資産が目減りして困る、あるいは逆にリスクを取りすぎて不安が増える、といったミスマッチが起き得ます。助言型を使うなら、「いつまでに、何に使うお金か」「短期で必要な資金は別で確保できているか」を先に点検し、提案を生活設計に合わせて微調整する視点が欠かせません。
運用型ロボアドバイザーのメリット
運用型ロボアドは、資産配分の提案に加えて、売買やリバランスまでをサービス側が担うのが一般的です。手間を減らし、ルール運用を継続しやすくすることが主な価値であり、忙しい人ほど恩恵が出やすい傾向があります。ここでは、運用型を選ぶことで得られる具体的な効果を、読者の状況に当てはめて解説します。
売買・リバランスを自動化でき運用を継続しやすい
運用型の最大の価値は、運用を“手続き”から解放することです。ポートフォリオ構築、売買、リバランスなどをサービス側が担うため、投資経験が浅い人でも「毎月入金して続ける」だけに集中できます。
とくに、仕事や育児で時間が取れない人、資産の点検をつい後回しにしてしまう人には、継続性という観点で合理的です。投資は、数回の売買よりも「長期間、一定の方針で続けたか」が結果に影響しやすい領域です。運用型はその継続を仕組みに落とし込みやすいという点で、費用を払う意味が生まれます。
感情による判断ミスを減らしルール運用をしやすい
相場が下落すると「今はやめた方がいいのでは」と感じ、上昇すると「もっと増やすべきでは」と焦るのは自然な反応です。問題は、その感情に従って売買すると、長期の成果がぶれやすいことです。
運用型は一定のルールに基づいて運用を継続する設計のため、感情が介入する余地が小さくなります。たとえば、相場が荒れても淡々と積立が続くことで、価格が高いときも安いときも平均化され、結果として“続けやすい行動”になります。投資の不安は「仕組みがない」ほど増えます。運用型は、仕組みで不安を抑える選択肢と言えます。
分散投資を“実装”まで落とし込みやすい
分散の重要性は多くの人が理解していますが、実際に「複数資産に分け、比率を維持する」のは面倒です。運用型は、複数資産への配分と比率調整がサービスの中で完結しやすく、分散を“やったつもり”で終わらせにくい点が強みです。
また、投資初心者ほど「どの商品を何%買うか」の判断に疲れてしまい、結局現金のまま動けなくなることがあります。運用型は、そこを自動化してくれるため、「まず始めて、続ける」状態を作りやすいという実務的な価値があります。
サービスによっては税務面の調整機能を活用できる
運用型の一部には、課税口座での運用において、損益の発生状況を見ながら売買を調整し、税負担を抑えることを狙った機能があります。ただし、これは万能ではなく、NISA口座では非課税のため効果が出る領域が異なります。
それでも、税務を含めた運用のメンテナンスを自分でやり切るのが難しい人にとって、こうした機能があること自体が「管理の外部化」という価値につながる場合があります。導入前に、自分が主に使う口座(NISAか課税口座か)と、その機能が働く条件を確認しておくと、期待値のズレを防げます。
運用型ロボアドバイザーのデメリット
運用型は便利な一方で、年率の手数料が継続的に発生し、カスタマイズ性や制度適合(NISA・積立)に制約が出る場合があります。「おまかせ」にするほど、費用対効果や運用の透明性が重要になります。
手数料負担が継続し低コスト運用より不利になり得る
運用型は便利な一方で、手数料が“毎年”かかります。例えば、年率1%前後の手数料は、一度だけの支払いではなく運用期間中ずっと積み上がるため、長期になればなるほど影響は無視できません。さらに、投資対象(ETF・投信)のコストが別途かかる場合もあり、トータルコストで見ないと比較になりません。
ここで重要なのは、「手数料が高いか安いか」ではなく、「そのコストで自分の行動が改善されるか」です。自分で低コスト商品を淡々と積み立てられる人には不利になりやすく、逆に“続けられないリスク”が高い人には、コストを払ってでも仕組み化する価値が出る可能性があります。
仕組みが見えにくく納得感を得づらいことがある
運用型は自動化の分、運用の中身がブラックボックスに感じられることがあります。相場が下がったときに「なぜこの配分で耐えるのか」が理解できないと、不安が増して解約につながりやすい点は現実的なリスクです。
比較の際は、運用レポートのわかりやすさ、資産配分の根拠、リバランスの考え方など、説明の透明性を確認しましょう。自分の性格として「納得していないと続かない」タイプなら、手数料よりも説明の質が重要になることもあります。
カスタマイズ性に限界があり意図とずれる可能性がある
運用型は、個別銘柄の指定や、細かな資産配分の調整ができない(または制約がある)ことが一般的です。「特定テーマに集中投資したい」「この資産は絶対に入れたくない」「為替リスクを細かく調整したい」といった希望が強いと、サービスの標準設計と合わず、満足度が下がる可能性があります。
運用型を選ぶ場合は、まず「自分は運用を任せたいのか、コントロールしたいのか」を明確にすることが先決です。任せたい気持ちが強いほど運用型と相性が良く、こだわりが強いほど助言型や自分での運用が向きやすくなります。
NISA・積立の設計と噛み合わない場合がある
運用型はNISA対応の方式や対象枠、積立の自由度がサービスごとに異なります。例えば「つみたて投資枠中心で運用したい」「枠を最大限使い切りたい」と考えている場合、成長投資枠のみの対応や、商品設計の違いで候補から外れることがあります。
そのため、導入前には「どの枠で使えるか」「積立は毎月いくらから可能か」「途中の増減や停止がどこまで柔軟か」を確認する必要があります。制度との噛み合わせが悪いと、ロボアド自体が悪いのではなく、目的に対して道具が合っていない状態になります。ここを先に点検できるかが、失敗を防ぐポイントです。
確実に利益を得られるわけではない
ロボアドはAIやアルゴリズムを用いて資産配分を提案・調整する仕組みですが、どのような相場局面でも確実に利益を得られるわけではありません。ロボアドが行うのは、主に分散投資やリバランスといった「長期運用の型」を自動で実行しやすくすることであり、短期的な値上がりを保証するものではありません。
例えば、株式市場が大きく下落する局面では、分散していても資産全体が一時的に目減りする可能性があります。また、金利上昇や為替変動などが重なる局面では、株式だけでなく債券や外貨建て資産にもマイナスの影響が出ることがあり、ポートフォリオ全体が想定より振れるケースもあります。
- リバランスはリスク水準を一定に保つ効果が期待できますが、「損失を避ける機能」ではない点は押さえておく必要があります。
手間をかけずに運用したいという方は、ロボアド以外にも「ファンドラップ」という選択肢があります。特徴やメリットなどはこちらの記事で解説しているため、参考にしてみてください。
ロボアドバイザーのサービス比較
助言型ロボアドバイザー
助言型ロボアドバイザーは、資産配分や商品案の提案までは行う一方で、実際の売買や積立設定は利用者が行うタイプです。そのため、比較では「何を提案してくれるか」だけでなく、「提案を実行に移しやすい導線があるか」「自分の口座・NISA運用と両立できるか」を確認することが重要になります。
| 名称 | 会社 | 提案している商品 |
|---|---|---|
| SMART FOLIO | みずほ銀行 | 投資信託 |
| SMBCロボアドバイザー | 三井住友銀行 | 投資信託 |
| Guide! | りそな銀行 | 投資信託 |
| 野村のゴールベース | 野村證券 | 投資信託 |
| カライス | 東海東京証券 | 投資信託 |
| fund eye | SMBC日興証券 | 投資信託 |
| 投信工房 | 松井証券 | 投資信託 |
| 信用ロボアド | auカブコム証券 | 株式(信用取引) |
候補が絞れたら、次は「提案どおりに積立を続けられる運用ルールを作れるか」を点検しましょう。
助言型はコストを抑えられる反面、設定や継続が自己責任になりやすいため、迷いやすい人ほど“運用型”との比較も必要です。なお、提案内容や連携条件、NISA対応の範囲は変更される可能性があるため、最終判断は公式情報で最新の条件を確認したうえで行うことを推奨します。
運用型ロボアドバイザー
運用型ロボアドバイザーは、資産配分の提案に加え、売買やリバランスなどの運用プロセスまでをサービス側が担うのが一般的です。比較の際は、表示されている手数料だけでなく、「手数料に投資対象のコストが含まれるか」「NISA・積立の設計と噛み合うか」「最低投資額や入金方法が生活設計に合うか」を同じ軸で確認する必要があります。
| サービスの名称 | 提供会社 | 対象商品 | 手数料(税込) | 最低投資金額 |
|---|---|---|---|---|
| WelthNavi | ウェルスナビ | 米国上場ETF | 年率1.1%※3 | 10万円 |
| THEO | お金のデザイン | 米国上場ETF | 年率1.1%※4 | 1万円 |
| ON COMPASS | マネックスAM※1 | 国内外ETF | 年1.0075%※5 | 1000円 |
| Mirai Value | 三菱UFJMS証券※2 | 投資信託 | 年率1.1% | 10万円 |
| おまかせ投資 | FOLIO | 国内外ETF | 年率1.1%※6 | 10万円 |
| 楽ラップ | 楽天証券 | 投資信託 | 最大年率0.715% | 1万円 |
| ダイワファンドラップオンライン | 大和証券 | 投資信託 | 年率1.1% | 1万円 |
※1 マネックス・アセットマネジメントの略
※2 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の略
※3 3000万円を超える部分は0.5%(現金部分を除く、年率・税込0.55%)
※4 利用状況に応じて、通常1.10%の手数料が最大0.715%※まで引き下げられる
※5 概算。市場環境等によっては、実質コストが1.0075%程度(税込)を超えることがある
※6 3000万円を超える部分は0.5%(年率・税込0.55%)
運用型は手間を減らして継続しやすできる点が価値ですが、その対価として手数料が継続的に発生します。候補が見えてきたら、①自分は手間削減にどれだけ価値を置くか、②NISAで使う場合は対象枠や運用方式が目的に合うか、③許容できる総コスト水準はどこか、を決めたうえで比較を確定させましょう。
NISA・積立との相性:制度対応で“候補が変わる”
「ロボアドでNISAを使いたい」という検索ニーズは強い一方、対応の仕方はサービスによって大きく異なります。
ON COMPASS:成長投資枠のみ
ON COMPASSはNISAの成長投資枠で利用できる一方、つみたて投資枠は利用できないと明記されています。つみたて投資枠中心で積み上げたい人は、ここで合わなくなる可能性があります。
WealthNavi:枠の使い方と手数料体系がポイント
WealthNaviはNISA利用時の手数料が枠の使い方で変わる設計になっています(つみたて投資枠は手数料0%、成長投資枠は年率最大1%などの説明)。
「自動積立中心で枠をどう使うか」を事前に把握しておくと、費用感のズレを防げます。
THEO:THEO本体は特定口座、NISAは“投信”で活用する設計
THEOは、THEO自体はNISA口座ではなく特定口座で運用しつつ、NISA対応は「THEO投信」をNISA口座で購入して連携する形で説明されています。「ロボアド=NISA口座で直接運用できる」と思い込むと混乱しやすいポイントです。
ロボアドに限らず、NISAは有効活用すべき制度です。詳しくは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
この記事のまとめ
この記事では、ロボアドの仕組みとタイプ別の違い、手数料を含む実質コストの考え方、メリット・デメリットと「やめとけ」と言われる理由、NISA・積立との相性を整理しました。次は、①求めるのは手間の削減か低コスト運用か、②NISAで運用したいか、③許容できるコスト水準はどこかを決め、候補サービスを同じ比較軸で見比べましょう。判断に迷う場合は、投資のコンシェルジュの無料相談で運用方針と選択肢を整理するのも有効です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
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ロボアドバイザー(ロボアド)
ロボアドバイザーとは、投資家のリスク許容度や運用目的に応じて、自動的に資産配分や投資商品を提案・運用するサービスです。利用者は、いくつかの質問に答えるだけで最適なポートフォリオの提案を受けることができ、少額からでも投資を始められるのが特徴です。 ロボアドバイザーには、「提案型(アドバイス型)」と「運用型(投資一任型)」の2種類があります。提案型は、投資家に適したポートフォリオを提案するものの、実際の運用は投資家自身が行います。一方、運用型は、提案だけでなく資産運用もロボアドバイザーが自動で行い、定期的なリバランスも実施します。 主にインデックス運用を中心としたバランス型の商品が提供され、現代ポートフォリオ理論(MPT)を活用した分散投資が行われます。そのため、個別株の選定や細かい資産管理には向いていません。また、投資家の保有資産全体を考慮した包括的なアドバイスを受けることができない点に注意が必要です。 ロボアドバイザーのメリットとして、投資初心者でも簡単に分散投資ができること、感情に左右されない合理的な運用が可能であること、対面の投資アドバイザーと比較して低コストで運用できることが挙げられます。一方で、一定の手数料がかかること、投資家が細かくカスタマイズできないこと、相場急変時の柔軟な対応が難しいことがデメリットとして存在します。 それでも、投資初心者や手間をかけずに資産運用を始めたい人にとって、ロボアドバイザーは手軽に利用できるサービスとして人気を集めています。
ポートフォリオ運用
ポートフォリオ運用とは、複数の金融商品に分散して投資することで、全体としてのリスクを抑えながら安定的な運用成果を目指す方法です。株式、債券、投資信託、不動産など、異なる種類の資産を組み合わせて「投資のかご」をつくるイメージで、その組み合わせ全体をポートフォリオと呼びます。一つの資産だけに頼ると、大きな損失を受けるリスクが高まるため、資産を分けて投資することで特定の市場の変動に強い運用を目指すことができます。初心者でも、自分の投資目的やリスク許容度に合わせてバランスの取れたポートフォリオをつくることが大切です。
投資一任契約
投資運用業者が投資家から投資判断の全部または一部を一任され、その投資判断に基づき投資を行うための権限を委託されることを内容とする契約のこと。投資一任契約を締結したラップ口座サービスでは、この契約に基づいた資産配分構築や、株式、投資信託などの売買判断の一任、売買の注文執行、定期的な報告などが提供される。
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リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。



