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安全な資産運用の味方!シニア債・一般社債を わかりやすく解説

難易度:

執筆者:

公開:

2023.11.21

更新:

2024.01.22

債券資産運用

目次

安全な資産運用の味方!シニア債(普通社債)を わかりやすく解説安全な資産運用の味方!シニア債(普通社債)を わかりやすく解説

シニア債(普通社債)とは?特徴と定期収入につながる理由

シニア債の代表的な3つの特徴

シニア債(普通社債)がローリスクになる仕組み

企業が破綻した時に返済される優先順位が高い

シニア債(普通社債)で資産運用する際のメリット・デメリット

シニア債(普通社債)のメリット

シニア債(普通社債)のデメリット

シニア債の具体的な運用事例

1.シニア債の新発債券を購入し満期で償還したケース

2.シニア債の既発債券を購入し、途中売却したケース

3.シニア債の既発債券を購入し、デフォルトしたケース

シニア債の特徴を踏まえて上手に活用しよう

安全な資産運用の味方!シニア債(普通社債)を わかりやすく解説

債券は企業や政府が資金を調達するために発行する証券の1つです。各国政府が発行する債券を国債、企業が発行する債券を社債と言います。債券は一般的に、株式などの他の投資資産に比べ価格変動が小さいため、守りの資産と考えられています。

特に社債には、万が一の破綻時の資金返済の優先度によっていくつかの種類があります。発行体が万が一破綻した場合でも、他の債権と比較し優先的に返済される債券を「普通社債(Straight Bonds)」や「シニア債(Senior Bonds)」と呼びます。

債券発行には、発行体の信用力の高さが求められますし、シニア債はそのの中でも最も低リスク(高格付け)ですので、資産の毀損を防ぎ、安定運用したい投資家に適しています。

本記事では、シニア債の性質やメリット・デメリット、具体的な運用事例について説明します。ぜひ、シニア債の性質を理解した上で運用を検討してください。

シニア債(普通社債)とは?特徴と定期収入につながる理由

シニア債の代表的な3つの特徴

シニア債には、「優先的な返済」「利子の支払い」「信用リスク」という3つの特徴があります。それぞれについて説明します。

  1. 優先的な返済: シニア債は、発行者が破綻した場合に、担保付きの融資の次の優先度で返済されます。銀行が担保を元に融資の回収を行うと、その残りがシニア債保有者に返済されます。他の債権者(例えば、劣後債や株主)よりも優先して返済されることから、「投資したのにただの紙切れになる」というリスクが低い債券です。

  2. 定期的な利子の支払い: 一般的な債券と同様、シニア債を持っていると一定の期間ごとに利息の支払いを受けられます。利率や支払い周期は債券によって異なりますが、定期的な収入源として期待できます。

  3. 信用リスク: 発行元企業の財務状況が悪化すると、利子の支払いが遅れる、または元本が返済されない可能性があります。しかし、元々発行元企業の信用力が高くないと、シニア債は発行されません。そのため、利子の支払いが遅れたり、元本が返済されないリスクは低いです。

上記の特徴から資産運用におけるリスクを取りにくく、安定した収入を求める傾向がある高年齢世代にとって魅力的な投資先となる可能性が高いです。特に、定期的な利子支払いによって、生活費の一部を補完することができます。

シニア債(普通社債)がローリスクになる仕組み

企業がビジネスを展開する際には、資産の調達が不可欠です。資産を調達するプロセスにおいて企業は多くの場合、外部資金を借り入れたり、株式を発行することで資金を手に入れます。これが企業のバランスシートにおいて、右側に負債と資本として反映されます。

企業が破綻した時に返済される優先順位が高い

企業の財務状態が悪化すると、最悪の場合、債務不履行(デフォルト)を起こし、経営破綻(倒産)する可能性があります。

債務不履行(デフォルト)を起こした場合、残った資産から投資家(負債保有者や株式保有者)への返済が行われます。投資した元本のうちどの程度が戻ってくるかは、この際の返済順位が重要となります。

シニア債は、一般的に銀行が行う担保付きの融資の次の返済順位です。社債にの中には「劣後債」と呼ばれる、シニア債よりも優先順位の低い社債があり、さらにその次に株式が来ます。

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(上図の「リスク」とは、「変動の幅の可能性」を意味します)

シニア債(普通社債)で資産運用する際のメリット・デメリット

シニア債で資産運用する際にはメリット・デメリットが存在します。 以下ではそれらを詳しく説明します。

シニア債(普通社債)のメリット

まずは、シニア債のメリットを説明します。

  1. 弁済順位が高く安全 シニア債は返済の優先度が高い債券です。これは、発行者が破綻した場合、他の債券や株式よりも先にシニア債保有者に返済が行われるということです。

不確実性が高い市場や経済状況においては、高い安全性は資産の価値の減少リスクを軽減します。また、投資家がリスクを避けたいと考える場合、シニア債はそのニーズに適した選択肢となる可能性があります。

  1. 利子による定期的な収入 シニア債は通常、固定利率または変動利率で発行されます。これにより、投資家は一定期間ごとに利息を受け取ることができます。一般的に年1回、半年に1回、四半期ごとなど、定期的に利息が支払われます。

定期的な利息支払いは退職後の収入、学費、家の購入などの長期的な資金計画に非常に役立ちます。また、現金が必要なときに、利息収入を使うことができます。

  1. 多様な企業が発行しており選択肢がある シニア債は大企業、多国籍企業、中小企業など、多くの種類の発行者によって提供されます。異なる産業や国々で発行されることによって、投資家はリスクを分散し、ポートフォリオを多様化することができます。 シニア債は異なる通貨で発行される場合もあり、通貨リスクの分散も可能です。 市場条件やリスク許容度に応じて適切なシニア債を選ぶことが可能です。これにより、リスク分散とリターンの最適化が期待できます。

シニア債(普通社債)のデメリット

続いてシニア債のデメリットを説明します。

  1. 安全な分利回りが低い 高い安全性が求められるシニア債は、その「代償」として通常、他のよりリスクの高い資産に比べて利回りが低く設定されています。金利が低い環境では、シニア債の利回りも低くなる可能性があります。

低い利回りは、長期的な資産形成や退職後の資産運用において不利な要素となる場合があります。特にインフレ率が高い状況では、資産の実質的な価値が低下してしまう可能性があります。

  1. 条件によっては流通量が少ない 債券市場は大きな市場ではありますが、条件を絞っていくと一部のシニア債は小規模な発行量であり、それが市場での流動性を低下させる可能性があります。取引量が少ないと、売却時に買値と売値の差が大きくなる可能性があり、売却が困難になることもあります。

低い流動性は、急にキャッシュが必要になった際に、債券を適正な価格で速やかに売却できないリスクを抱えます。これは、短期的なキャッシュフローに悪影響を与える可能性があります。

  1. 信用リスク 格付けが低かったり、企業の安定性が悪いなど、信用の低い企業はシニア債を発行しても引き受け手がいないため、そもそもシニア債を発行できない事がほとんどです。そのため、シニア債を発行できていることが信用の裏付けでもあります。

しかし、シニア債購入時には信用リスクの低い、格付けの高い発行者のシニア債を購入した場合でも、経営状態や市場環境が急変すれば格付けが低下し、破綻するリスクはゼロではありません。

企業の経営状態を、一般人が読み解くことは簡単ではありません。そのため、「格付け機関」が各企業や債券の発行体にランクをつけて信用性を評価し、公開しています。

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図:格付け機関による格付け

特に長期保有を考える場合、発行者が健全な経営を行っているか、しっかりと評価する必要があります。特に外国企業のシニア債を購入した場合は、その企業の情報を国内で取得するのが難しい場合も存在します。格付け機関の公開する情報を定期的に確認するなど、変化が発生していないか特に注意しましょう。

シニア債の具体的な運用事例

ここでは、実際に発行されたシニア債を例にとって、実際の値動きや収益性について説明します。

1.シニア債の新発債券を購入し満期で償還したケース

まずは、シニア債運用でよくある、新規債券を購入し、途中売買することなく満期で償還されるパターンです。このケースではクーポン(年利)が0.3%と低いですが、それでも普通預金や国債よりも利回りが高くなっています。

対象銘柄野村ホールディングス第1回無担保社
発行日2018/9/4
満期(償還日)2023/9/4
クーポン(年利)0.30%
利払い回数年2回
最低購入金額1億円

図:野村ホールディングス第1回無担保社債を新発で発行日に1億円分購入し償還まで保有した場合した場合

シニア債の新規債を購入し満期で償還した事例 シニア債の新規債を購入し満期で償還した事例

2.シニア債の既発債券を購入し、途中売却したケース

次によくあるケースとして、既発債券を購入し途中売却した場合です。

金利が高いときに発行された債券はその分クーポンが高くなっています。そのため、低金利で発行された新規債と比べたときに高い利回りになる事もあり得ます。また、クーポンが高くなっているため、債券自体の魅力も高く、購入時よりも高い値段で売れることもあります。

対象銘柄ソフトバンクグループ株式会社 第51回無担保社債
発行日2017/3/16
満期(償還日)2017/3/16
クーポン(年利)2.03%
利払い回数年2回
最低購入金額500万円

図:ソフトバンクグループ株式会社 第51回無担保社債の既発債を2020/4/10に額面500万円分(単価92.5)を購入し2023/7/14にすべて売却(単価100.5)

シニア債の既発債を購入し途中で売却した事例 シニア債の既発債を購入し途中で売却した事例

3.シニア債の既発債券を購入し、デフォルトしたケース

日本企業が発行した日本円建てシニア債券がデフォルトするケースはほとんどありません。2~30年遡っても1桁社程度です。そのため、シニア債は安全な資産と言われますが、前述の通り、ゼロ件ではありません。シニア債は破綻時の弁済順位が高いので、破綻したとしても多少は資金が回収できる確率が高いです。

対象銘柄第12回ユニゾホールディングス債
発行日2017/11/28
満期(償還日)2027/11/26
クーポン(年利)1.50%
利払い回数年2回
最低購入金額1000万円

図:2018/4/30に第12回ユニゾホールディングス債券を単価90円で額面1000万円分購入し、2023/4/26にデフォルトが発生(シニア債の回収率が10%となった場合)

シニア債が破綻した場合の事例 シニア債が破綻した場合の事例

シニア債の特徴を踏まえて上手に活用しよう

シニア債は資産運用における安全な選択肢です。

シニア債は、その優先的な返済権と定期的な利子支払いによって、特に高年齢世代にとって魅力的な投資先と言えます。ただし、低い利回りや信用リスクも考慮に入れる必要があります。

シニア債を発行できる企業は信頼性が高いと評価された、信用格付けの高い企業がほとんどです。ぜひ資産運用の選択肢として検討してみてください。

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