超富裕層向けファンドラップ SMAとは?

超富裕層向けファンドラップ SMAとは?
難易度:
執筆者:
公開:
2023.04.02
更新:
2025.12.30
SMAとは、証券会社などが提供する資産運用に関するサービスの一種です。
証券会社等と投資家の間で投資一任契約※を締結することで、投資家の意向を踏まえながら、投資対象の選定から実際の売買までをお任せできます。
ここまで読むと、ファンドラップと同様のサービスのように思えますが、SMAはファンドラップと異なり、運用する商品を運用会社がフルカスタムメイドで選んでくれるという特徴があります。
そのため、ファンドラップよりも最低投資金額が高く、富裕層向けのサービスといえます。
なおSMAは、Separately Managed Accountの略で、「個々に管理された口座」を意味します。「エグゼクティブラップ」と呼ばれることもあります。
※投資家が投資一任運用会社としての証券会社に対して、有価証券の投資判断の全部を一任し、この投資判断にもとづいて投資家にかわって投資するために必要な権限を証券会社に委任する契約
SMAのメリット
①初心者でも安心。投資のプロに任せられる
SMAでは、投資家の代わりに証券会社等が、投資家の意向も踏まえながらポートフォリオ運用を実施します。
いつ、どの銘柄を、いくら売買するかは、投資のプロフェッショナルが投資家の代わりに判断してくれますので、投資初心者にとっては安心です。
②忙しい人でも投資を始められる
投資をお任せできますので、普段忙しくて投資のことを考える時間がない方でも、適切に投資を始めることができます。
③投資家のニーズを細かく踏まえた投資判断
SMAでは、投資家のニーズを細かく踏まえた上で、証券会社等でフルカスタムメイドでのポートフォリオ運用提案を受けられます。
類似サービスのファンドラップは、「投資家の意向を細かくヒアリングされる訳ではない」「投資判断も投資家一人ひとりに応じて変えてくれる訳ではない」ことが多いので、この点はSMAの特徴の一つとして挙げられます。
SMAのデメリット
①手数料が高い
運用期間中は毎年、投資顧問報酬や信託報酬といった手数料がかかります。
手数料の水準は証券会社によって差がありますが、4%を超える手数料がかかることもあり、その分運用の利益が毎年目減りすることとなります。
類似サービスであるファンドラップより、手数料が高い傾向にあります。
②最低投資金額が高い
SMAには最低投資金額が設定されています。
金額の水準は証券会社によって差がありますが、最低投資金額を2億円に設定している証券会社も存在します。
類似サービスであるファンドラップより、最低投資金額が高い傾向にあるため、富裕層向けのサービスであるといえそうです。
主要な証券会社のサービス比較
主要金融機関ごとのサービスを比較しました(記載は2021年3月25日時点の内容)。
| サービス名 | 金融機関 | 手数料率※1 | 最低投資金額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 野村SMA | 野村証券 | 1.650%※2 | 3,000万円 | 選定する運用商品は自社あるいはグループ会社に限定せず、幅広に採用 |
| ダイワSMA | 大和証券 | 4.4%※3 | 1億円 | 株式や債券を直接保有する形態か、投資信託を活用するスタイルを選択可能 |
| ダイワSMA PAAサービス※4 投信コース | 大和証券 | 4.4%※3 | 1億円 | 投資信託に投資。アセットアドバイザー(運用担当者)が、投資家に運用報告を実施 |
| ダイワSMAPAAサービス※4 投信・ETFコース | 大和証券 | 4.4%※3 | 2億円 | 投資信託に加えて、ETFでの投資も可能。アセットアドバイザーが投資家に運用報告 |
| 三井住友信託SMA | 三井住友信託銀行 | 1.760%※5 | 5,000万円 | 国内、外国投資信託に投資 |
| プライベートアカウント | 三菱UFJ信託銀行 | 1.760%※6 | 5,000万円 | ポートフォリオマネージャーが、投資家に運用報告を実施 |
※1:手数料は税込・年率。複数の規定がある場合は最大値を記載
※2:信託報酬(野村証券):別途最大4.0%
※3:信託報酬(大和証券):別途徴収されるも事前の明示なし
※4:「PAAサービス」はプライベート・アセットアロケーション・サービスの略
※5:信託報酬(三井住友信託銀行):別途最大1.155%
※6:信託報酬(三菱UFJ信託銀行):別途最大2.0%
SMAはファンドラップと比べて取扱い証券会社が少なく、大手証券会社では野村証券と大和証券の2社しか取扱いがありません。
手数料での比較
最も手数料が低いSMAは、野村証券が運営する野村SMA(手数料率:1.650%)です。
一方、最も手数料が高いSMAは、大和証券が運営するダイワSMA(手数料率:4.4%)です。
実際にSMAを利用する場合には、手数料の他に信託報酬もかかってきますので、さらに手数料が高くなります。
最低投資金額での比較
最低投資金額が最も低いSMAは、野村証券が運営する野村SMA(3,000万円から)です。
一方、最低投資金額が最も高いファンドラップは、大和証券が運営するダイワSMAPAAサービス投信・ETFコース(2億円から)でした。
大和証券はファンドラップとSMAの双方とも取扱種類が豊富であり、ラップサービスに注力していることがわかります。
まとめ
- SMAは、投資のプロに資産運用を一任できるサービス。類似のサービスとしてファンドラップが挙げられるが、ファンドラップと比べて、より富裕層向けのサービス。
- SMAのメリットには、初心者でもポートフォリオを実践できる、ファンドラップより、投資家のニーズを細かく汲み取った投資提案を受けられるといったものが挙げられる。
- 一方、SMAのデメリットには、手数料と最低投資金額が高い(ファンドラップと比べても高い)といったものが挙げられる。
- SMAはファンドラップより、取り扱う証券会社の数が少ない。

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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関連する専門用語
投資一任契約
投資運用業者が投資家から投資判断の全部または一部を一任され、その投資判断に基づき投資を行うための権限を委託されることを内容とする契約のこと。投資一任契約を締結したラップ口座サービスでは、この契約に基づいた資産配分構築や、株式、投資信託などの売買判断の一任、売買の注文執行、定期的な報告などが提供される。
ポートフォリオ運用
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ヘッジファンド
ヘッジファンドは、私募形式の投資信託です。富裕層や機関投資家向けに設計された投資ファンドで、高いリターンを追求するために多様な戦略を活用します。短期売買や空売り、デリバティブ(金融派生商品)などを駆使し、市場平均を上回る成果を目指します。 伝統的なファンドに比べて規制が比較的緩やかであるため、運用の柔軟性が高い一方で、情報開示の水準が異なり、ファンドによっては透明性が低い場合があります。また、成功報酬を含む手数料体系は一般的な投資信託よりも高く設定される傾向があり、一定の資金拘束期間が設けられることが多いため、流動性が低い点にも留意が必要です。 投資家は、これらの特性を理解した上で、自身のリスク許容度に合った選択をすることが重要です。
富裕層
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信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。