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国民年金基金とは?メリット・デメリットや受給額のシミュレーション、損益分岐点を解説

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国民年金基金とは?メリット・デメリットや受給額のシミュレーション、損益分岐点を解説

国民年金基金とは?メリット・デメリットや受給額のシミュレーション、損益分岐点を解説

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執筆者:

公開:

2025.07.22

更新:

2026.02.12

公的年金

自営業者・フリーランスは厚生年金がない分、老後の収入が国民年金だけになりやすく、「このままで足りるのか」と不安を抱えがちです。一方で国民年金基金は、加入条件や年金タイプの選び方を誤ると、資金が長期で固定されるなど後悔につながることもあります。この記事では国民年金基金の仕組み、加入条件、掛金上限と所得控除、終身/確定7タイプ、損益分岐点の考え方、iDeCo等との比較まで具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

国民年金基金が「国民年金の上乗せ」としてどんな役割を持ち、誰が加入できるのかを体系的に理解できるようになります。終身/確定7タイプの違いと、損益分岐点・節税効果の見方が分かり、自分の年齢・家計・働き方に合うプランを選べる状態を目指します。さらにiDeCo・付加年金・小規模企業共済との比較を通じて、併用可否も含めた制度設計を自分で判断できるようになります。

続けてガイドを読む関連する質問を探す

目次

国民年金基金とは?自営業者のための「上乗せ年金」

国民年金(1階)と国民年金基金(2階)の関係

掛金は月額最大6万8,000円:全額が所得控除になる節税の仕組み

一生涯もらえる終身年金が基本

プラン次第では遺族一時金の保障も受けられる

国民年金基金の年金タイプ──終身型と確定型の7パターン

国民年金基金に加入した場合の掛金総額・受取額・損益分岐点をシミュレーション

① 終身年金A型(15年保証)に1口加入した場合

② 終身年金A型(15年保証)に2口加入した場合

③ 終身年金B型(保証期間なし)に1口加入した場合

④ 終身年金B型(保証期間なし)に2口加入した場合

⑤ 終身年金A型(15年保証)+確定年金I型(15年受取り)に各1口加入した場合

⑥ 終身年金B型(保証期間なし)+確定年金I型(15年受取り)に各1口加入した場合

⑦ 終身年金A型(15年保証)+確定年金III型(15年受取り)に各1口加入した場合

⑧ 終身年金B型(保証期間なし)+確定年金III型(15年受取り)に各1口加入した場合

国民年金基金へ加入する前に知っておくべき4つのデメリット

デメリット1. インフレに弱い:将来、年金の価値が目減りする可能性

デメリット2. 途中解約できない:一度始めると資金がロックされる

デメリット3. 現在の予定利率は1.5%で年々低くなっている

デメリット4. 早死にすると元本割れも:保証期間なしプランは掛け捨てに

国民年金基金ならではの5つのメリット

メリット1. 節税効果:掛金が全額所得控除

メリット2. 終身年金: 一生涯もらえ、長生きするほどお得という安心感

メリット3. 遺族一時金(非課税):家族にお金を残せるため万が一の時も安心

メリット4. 将来もらえる年金額が加入時に確定するため運用リスクがない

メリット5 .運用の手間がない

国民年金基金の始め方:加入・変更・脱退・受給手続きの完全ガイド

加入手続きの4ステップ:申し込みから掛金引き落としまでの流れ

収入が変化したら?掛金の増額・減額・一時停止の方法

就職に伴って脱退するときは

65歳になったら:年金を受け取るための請求手続きと注意点

あなたはどっち?国民年金基金が向いている人・向いていない人

国民年金基金がおすすめな人の特徴

加入は慎重に検討すべき人

国民年金基金・iDeCo・付加年金、あなたに合うのはどれ?3制度を徹底比較

国民年金基金とiDeCo選ぶならどっち?:安定の基金か、成長のiDeCoか

国民年金基金と付加年金選ぶならどっち?:まとまった上乗せか、少額からコツコツか

比較対象として知っておきたい「小規模企業共済」

国民年金基金とは?自営業者のための「上乗せ年金」

国民年金基金は、自営業者やフリーランスの方(国民年金第1号被保険者)が、老後の年金を増やせる公的な上乗せ制度です。

年金は「3階建て」構造とされ、1階が国民年金、2階が厚生年金などの公的年金、3階がiDeCoや企業型DC、個人年金保険などの任意加入の私的年金で構成されます。

国民年金保険料をきちんと納付していれば、以下の条件で加入できます。

  • 20歳以上60歳未満の国民年金第1号被保険者
  • 60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入中の方

一方で、会社員・公務員(第2号)やその被扶養配偶者(第3号)、国民年金保険料の免除・猶予を受けている方、農業者年金に加入している方は対象外です。

国民年金(1階)と国民年金基金(2階)の関係

国民年金基金は、日本の公的年金の「2階部分」を担います。

すべての国民が加入する「1階:老齢基礎年金(国民年金)」に、任意で上乗せできるのが「2階:国民年金基金」です。これにより、一生涯受け取れる年金を増やせます。

掛金は月額最大6万8,000円:全額が所得控除になる節税の仕組み

掛金の上限は現在、iDeCoとの合算で月額6万8,000円です。ただし、2025年度の税制改正では、この上限を月額7万5,000円へ引き上げる内容で決定・公布されました。2026年12月分(令和8年12月分掛金)から適用される予定です。

掛金は全額が社会保険料控除の対象で、配偶者分を本人が負担した場合も合算して控除できます。家計全体で節税しながら老後の年金を積み立てられる点が大きな魅力です。

iDeCoの節税効果については以下Q&Aでも解説しています。

一生涯もらえる終身年金が基本

国民年金基金の最大の特徴は、終身年金を受け取れることです。一度加入すれば、65歳(または60歳)から生涯にわたって年金が支給されるため、長生きするほど多くの年金を受け取れます。自営業者やフリーランスなど国民年金だけでは老後資金が不安な第1号被保険者にとって、公的年金に上乗せできる終身保障は大きな安心材料となります。

掛金は全額所得控除の対象となるため、節税効果も期待できます。民間の個人年金保険と異なり、公的な制度として運営されているため、信頼性が高いのも魅力です。

なお、老後生活の柱である公的年金も終身年金です。受け取れる金額やタイミングなどは、以下の記事も参考にしてみてください。

プラン次第では遺族一時金の保障も受けられる

国民年金基金には複数のプランがあり、選択するプランによっては遺族一時金の保障が付いています。例えば、年金受給前や受給開始後の一定期間内に亡くなった場合、遺族に一時金が支払われるタイプがあります。

これにより、「掛金を払ったのに早く亡くなって損をする」という不安を軽減できます。ただし、遺族保障が手厚いプランほど、同じ掛金額でも将来受け取れる年金額は少なくなる傾向があります。終身年金のみのタイプと、確定年金や保証期間付きのタイプなど、自分のライフプランや家族構成に合わせて最適なプランを選ぶことが重要です。

国民年金基金の年金タイプ──終身型と確定型の7パターン

国民年金基金で選べる年金は、2系統7パターンに分かれます。主な違いは「受給期間」「保証期間」「掛金水準」の3点です。

国民年金基金の年金タイプ

  1. 終身年金(A型・B型)
  2. 確定年金(Ⅰ〜Ⅴ型)

なお、加入時のルールとして、1口目は必ず終身年金(A型またはB型)のいずれかを選択する必要があります。確定年金(Ⅰ〜Ⅴ型)は2口目以降でのみ選択可能です。

また、確定年金の年金額が終身年金の年金額(1口目を含めた合計額)を超える組み合わせは選べません。この制限は、老後の基盤となる終身収入を確保するための設計上のルールです。

系統受給開始受給終了保証期間*向くケース(例)
終身A型65歳終身15年長生きリスクに備えつつ、遺族にも最低15年分を残したい
B型65歳終身なし終身収入は欲しいが掛金を抑えたい
確定Ⅰ型65歳80歳15年定年後の生活費を65〜80歳で厚くしたい
Ⅱ型65歳75歳10年65歳開始で掛金を抑えたい
Ⅲ型60歳75歳15年60歳退職後すぐ資金が欲しい+保証も長め
Ⅳ型60歳70歳10年早期受給と掛金バランスを取りたい
Ⅴ型60歳65歳5年退職直後のつなぎ資金を確保したい

※保証期間とは、その期間内に死亡した場合、残期間分が遺族に支給される期間

長生きリスクへの備えを重視する場合は、生涯にわたって年金を受け取れる終身型(A型・B型)がおすすめです。これらは受給開始後、一生涯受け取り続けられるため、長寿時代における老後資金の安定確保に適しています。

A型とB型の違い

  1. A型(保証期間あり):受給前または保証期間中に死亡すると、遺族に一時金が支給
  2. B型(保証期間なし):B型のみ加入で、受給前死亡の場合でも1万円の遺族一時金

ご家族への保障も考慮したい場合は、遺族一時金が付いているA型、または確定年金のⅠ型・Ⅲ型を検討しましょう。万が一の際に、遺族への経済的サポートが得られる点が特徴です。

毎月の掛金負担を抑えながら必要な期間だけ受給したい場合は、確定年金のⅣ型・Ⅴ型が選択肢となります。これらは受給期間が限定される分、掛金を比較的低く抑えられるメリットがあります。ただし、確定年金の年金額が終身年金の年金額(1口目を含めた額)を超える選択はできない点に注意しましょう。

  1. 応用的な方法として、iDeCoなどの運用型制度と併用する「ハイブリッド設計」も効果的です。たとえば、老後の前半期間は確定年金で受給し、後半は終身年金でカバーするといった組み合わせにより、ライフステージに合わせた柔軟な年金設計が可能になります。

国民年金基金に加入した場合の掛金総額・受取額・損益分岐点をシミュレーション

実際に国民年金基金に加入した場合、掛金総額や受取額はどのようになるのかをシミュレーションします。

加入条件

  1. 加入時年齢:35歳
  2. 掛金の払い込み:60歳まで
No見出し(プラン構成)掛金(月額)年金年額の推移(受給)掛金支払総額損益分岐点(目安)備考
終身A(15年保証)1口13,060円65歳以降:24万円約392万円82歳A型は保証期間あり
終身A(15年保証)2口19,590円65歳以降:36万円約588万円82歳A型は保証期間あり
終身B(保証なし)1口11,890円65歳以降:24万円約357万円80歳B型は遺族一時金なし
終身B(保証なし)2口17,835円65歳以降:36万円約535万円80歳B型は遺族一時金なし
終身A(15年保証)+確定I(15年受取)各1口17,600円65〜79歳:36万円
80歳以降:24万円
約528万円80歳80歳以降に年金が減る
終身B(保証なし)+確定I(15年受取)各1口16,430円65〜79歳:36万円
80歳以降:24万円
約493万円79歳B型は遺族一時金なし/80歳以降に年金が減る
終身A(15年保証)+確定III(15年受取)各1口17,945円60〜64歳:12万円
65〜74歳:36万円
75歳以降:24万円
約538万円80歳受給開始が60歳から一部あり
終身B(保証なし)+確定III(15年受取)各1口16,775円60〜64歳:12万円
65〜74歳:36万円
75歳以降:24万円
約503万円79歳B型は遺族一時金なし/受給開始が60歳から一部あり

35歳の段階で加入した場合のシミュレーション結果や、損益分岐点について加入パターンごとに紹介します。

① 終身年金A型(15年保証)に1口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、終身年金A型(15年保証)を1口で積み立てるケースです。掛金は60歳まで支払い、年金は原則65歳から終身で受け取る前提のシミュレーションです。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月13,060円300か月(60歳まで)約392万円240,000円(=月額20,000円)

損益分岐点が「82歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳の25年=300か月)、年金は原則65歳から終身で受け取る前提
  2. 掛金総額:約392万円
  3. 年金年額:24万円
  4. 回収に必要な受給年数:392万円÷24万円≒16.3年
  5. 受給開始65歳に足すと:65歳+16.3年≒81.3歳

端数や「約」表示(四捨五入)を含めると、支払総額と受取総額が並ぶのはおおむね82歳という整理になります。

② 終身年金A型(15年保証)に2口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、終身年金A型(15年保証)を2口で積み立てるケースです。掛金は60歳まで支払い、年金は原則65歳から終身で受け取る前提のシミュレーションです。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月19,590円300か月(60歳まで)約588万円360,000円(=月額30,000円)

損益分岐点が「82歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳の25年=300か月)、年金は原則65歳から終身で受け取る前提
  2. 掛金総額:約588万円
  3. 年金年額:36万円
  4. 回収に必要な受給年数:588万円÷36万円≒16.3年
  5. 受給開始65歳に足すと:65歳+16.3年≒81.3歳

このケースも、端数・「約」表示を含めるとおおむね82歳が損益分岐点です。なお、口数を増やすと掛金と年金額が概ね比例して増えるため、回収に必要な年数(損益分岐点の年齢)はほとんど変わりません。

③ 終身年金B型(保証期間なし)に1口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、終身年金B型(保証期間なし)を1口で積み立てるケースです。掛金は60歳まで支払い、年金は原則65歳から終身で受け取る前提のシミュレーションです(※B型は遺族一時金はありません)。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月11,890円300か月(60歳まで)約357万円240,000円(=月額20,000円)

損益分岐点が「80歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳)=25年=300か月、年金は原則65歳から終身で受け取る前提
  2. 掛金総額:約357万円(11,890円×300か月=3,567,000円≒約356.7万円)
  3. 年金年額:24万円
  4. 回収に必要な受給年数:357万円÷24万円≒14.9年
  5. 受給開始65歳に足すと:65歳+14.9年≒79.9歳

支払総額と受取総額が並ぶのはおおむね80歳という整理になります。

④ 終身年金B型(保証期間なし)に2口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、終身年金B型(保証期間なし)を2口で積み立てるケースです。掛金は60歳まで支払い、年金は原則65歳から終身で受け取る前提のシミュレーションです。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月17,835円300か月(60歳まで)約535万円360,000円(=月額30,000円)

(掛金内訳:B型 11,890円 + B型 5,945円 = 計17,835円)

損益分岐点が「80歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳)=25年=300か月、年金は原則65歳から終身で受け取る前提
  2. 掛金総額:約535万円(17,835円×300か月=5,350,500円≒約535.1万円)
  3. 年金年額:36万円
  4. 回収に必要な受給年数:535万円÷36万円≒14.9年
  5. 受給開始65歳に足すと:65歳+14.9年≒79.9歳

端数や「約」表示(四捨五入)を含めると、支払総額と受取総額が並ぶのはおおむね80歳という整理になります。

⑤ 終身年金A型(15年保証)+確定年金I型(15年受取り)に各1口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、1口目は終身年金A型(15年保証)、2口目は確定年金I型(15年間受取り)を1口ずつ組み合わせるケースです。

掛金は60歳まで支払い、年金は原則65歳から受給します。確定年金(I型)は15年間で終了するため、80歳以降は年金額が下がる設計になっています。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月17,600円300か月(60歳まで)約528万円65〜79歳:360,000円(=月額30,000円)
80歳以降:240,000円(=月額20,000円)

(掛金内訳:終身年金A型 13,060円+確定年金I型 4,540円=計17,600円)

損益分岐点が「80歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳の25年=300か月)、年金は原則65歳から受給する前提
  2. 掛金総額:約528万円(17,600円×300か月=5,280,000円)
  3. 年金年額:80歳まで36万円(終身24万円+確定12万円)
  4. 回収に必要な受給年数:528万円÷36万円≒14.7年
  5. 受給開始65歳に足すと:65歳+14.7年≒79.7歳

支払総額と受取総額が並ぶのはおおむね80歳です。

⑥ 終身年金B型(保証期間なし)+確定年金I型(15年受取り)に各1口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、1口目は終身年金B型(保証期間なし)、2口目は確定年金I型(15年間受取り)を1口ずつ組み合わせるケースです。掛金は60歳まで支払い、年金は原則65歳から受給します。確定年金(I型)は15年間で終了するため、80歳以降は年金額が下がる設計です。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月16,430円300か月(60歳まで)約493万円65〜79歳:360,000円(=月額30,000円)
80歳以降:240,000円(=月額20,000円)

(掛金内訳:終身年金B型 11,890円+確定年金I型 4,540円=計16,430円)

損益分岐点が「79歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳の25年=300か月)、年金は原則65歳から受給する前提
  2. 掛金総額:約493万円(16,430円×300か月=4,929,000円≒約492.9万円)
  3. 年金年額(80歳前まで):36万円(終身24万円+確定12万円)
  4. 回収に必要な受給年数:493万円÷36万円≒13.7年
  5. 受給開始65歳に足すと:65歳+13.7年≒78.7歳(≒79歳)

支払総額と受取総額が並ぶのはおおむね79歳という整理になります。

⑦ 終身年金A型(15年保証)+確定年金III型(15年受取り)に各1口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、1口目は終身年金A型(15年保証)、2口目は確定年金III型(15年間受取り)を1口ずつ組み合わせるケースです。確定年金(III型)は60歳から15年間の受取りで終了するため、65歳以降はいったん年金が厚くなり、75歳以降に年金が薄くなる設計になっています。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月17,945円300か月(60歳まで)約538万円60〜64歳:120,000円(=月額10,000円)
65〜74歳:360,000円(=月額30,000円)
75歳以降:240,000円(=月額20,000円)

(掛金内訳:終身年金A型 13,060円+確定年金III型 4,885円=計17,945円)

損益分岐点が「80歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳の25年=300か月)
  2. 掛金総額:約538万円(17,945円×300か月=5,383,500円≒約538.4万円)
  3. 年金の受取り(60〜64歳):年12万円×5年=60万円
  4. 年金の受取り(65〜74歳):年36万円×10年=360万円
  5. 年金の受取り(75〜79歳):年24万円×5年=120万円
  6. 80歳まで年金を受け取ると約540万円
  7. 受給開始65歳に足すと:65歳+13.7年≒78.7歳(≒79歳)

おおむね80歳前後で支払総額と受取総額が並ぶ(=損益分岐点が80歳)という整理になります。なお、このパターンは確定年金が終了する75歳以降に年金年額が36万円→24万円へ下がる点に留意しましょう。

⑧ 終身年金B型(保証期間なし)+確定年金III型(15年受取り)に各1口加入した場合

35歳から国民年金基金に加入し、1口目は終身年金B型(保証期間なし)、2口目は確定年金III型(15年間受取り)を1口ずつ組み合わせるケースです。確定年金(III型)は60歳から15年間の受取りで終了するため、65歳以降はいったん年金が厚くなり、75歳以降に年金が薄くなる設計です。

加入年齢掛金(月額)加入期間掛金の支払総額受け取れる年金(年額)
35歳0か月16,775円300か月(60歳まで)約503万円60〜64歳:120,000円(=月額10,000円)
65〜74歳:360,000円(=月額30,000円)
75歳以降:240,000円(=月額20,000円)

(掛金内訳:終身年金B型 11,890円+確定年金III型 4,885円=計16,775円)

損益分岐点が「79歳」になる根拠

  1. 掛金は60歳まで支払い(35〜60歳の25年=300か月)
  2. 掛金総額:約503万円(16,775円×300か月=5,032,500円≒約503.3万円)
  3. 年金の受取り(60〜64歳):年12万円×5年=60万円
  4. 年金の受取り(65〜74歳):年36万円×10年=360万円
  5. 年金の受取り(75〜79歳):年24万円×4年=96万円
  6. 79歳まで年金を受け取ると約516万円
  7. 受給開始65歳に足すと:65歳+13.7年≒78.7歳(≒79歳)

このため、おおむね79歳前後で支払総額と受取総額が並ぶ(=損益分岐点が79歳)という整理になります。

国民年金基金へ加入する前に知っておくべき4つのデメリット

「国民年金基金には入ってはいけない」という意見もあります。なぜそう言われるのか、主なデメリットを一つずつ見ていきましょう。

デメリット1. インフレに弱い:将来、年金の価値が目減りする可能性

国民年金基金で将来受け取る年金額は、加入した時点で決まります。 そのため、将来物価が上がっても年金額は増えません。物価上昇(インフレ)が進むと、お金の価値が下がり、実質的に受け取れる価値が目減りする可能性があります。 国民年金には物価に合わせて年金額が変わる仕組みがありますが、基金にはないため、インフレへの備えとしては弱い側面があります。

デメリット2. 途中解約できない:一度始めると資金がロックされる

国民年金基金は、一度加入すると自己都合で任意解約できず、原則として受給開始まで資金を引き出せません。急な支出が発生しても、基金の掛金はすぐに現金化できないため、家計の資金繰りには注意が必要です。

なお、掛金の負担が重くなった場合は、口数を減らす(減口)などで月々の負担を調整できます。加えて重要なのは、国民年金(基礎年金)の保険料を継続して納めることです。

国民年金保険料の未納が長期化すると、基金の掛金が将来の年金額に反映されない扱いになるケースもあるため、基金に加入する場合は「国民年金の納付管理」もセットで行いましょう。

個人事業主が年金を納めない場合のリスクや不利益については、こちらのQ&Aでも解説しています。

デメリット3. 現在の予定利率は1.5%で年々低くなっている

将来の年金額は、加入時の「予定利率」という運用利回りを元に計算されます。 現在の予定利率は年1.5%程度と、かなり低めに設定されています。これは、安全性を重視した固定利回りの設計だからです。 自分で投資をして積極的にお金を増やしたい人にとっては、物足りないと感じるかもしれません。

国民年金基金の予定利率は、制度発足当初(1991年)は5.5%でした。その後、運用環境の悪化に伴い段階的に引き下げられ、現在は1.5%となっています。しかし、1995年以前に加入した方には当時の高い予定利率(最大5.5%)で約束された年金額が支払われ続けています。

一方で、実際の運用利回りはこの約束された利率を恒常的に下回っており、過去の高利率加入者への給付が積立金を圧迫しているとの指摘があります。現時点で約4兆円の年金資産があり、すぐに給付が滞る状況ではありませんが、加入者数が減少傾向にあることもあわせて、中長期的な財政の健全性については注視が必要です。

国民年金基金の予定利率に関しては、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。

デメリット4. 早死にすると元本割れも:保証期間なしプランは掛け捨てに

国民年金基金は、長生きするほど得をする終身年金です。裏を返せば、早くに亡くなった場合は、支払った掛金の総額よりも受け取る年金額が少なくなる可能性があります。

特に注意したいのが、保証期間のない年金プラン(B型)です。

このプランの場合、年金受給開始前に亡くなると、遺族一時金1万円のみが非課税で支給され、年金受給開始後だと保障期間がないため遺族一時金はありません。掛金はほとんど戻って来ないと考えていいでしょう。

実際に、国民年金基金には「入ってはいけない」やめとけ」など、ネガティブな意見があるのも事実です。詳しくは、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。

国民年金基金ならではの5つのメリット

国民年金基金には、デメリットを上回る可能性のある、見逃せないメリットもあります。一つずつ見ていきましょう。

メリット1. 節税効果:掛金が全額所得控除

支払う掛金は、その全額が社会保険料控除の対象です。 これにより、毎年の所得税や住民税の負担を軽くしながら、将来の年金を準備できます。 配偶者の掛金を支払った場合も合算して控除できるため、世帯での節税効果も期待できます。

たとえば、課税所得400万円の自営業者が終身年金A型に1口(月額13,060円)加入した場合の節税効果を見てみましょう。

項目金額
年間掛金156,720円(13,060円×12か月)
所得税の軽減額(税率20%の場合)約31,344円/年
住民税の軽減額(税率10%)約15,672円/年
年間の節税合計約47,016円/年
25年間(35〜60歳)の節税累計約117.5万円

掛金の支払総額が約392万円に対し、節税額が約117.5万円になるため、実質的な自己負担は約274.5万円です。年金年額24万円で割ると、実質的な損益分岐点は「65歳+約11.4年≒76歳」まで前倒しされます。

なお、本シミュレーションの各パターンで示した損益分岐点(80〜82歳)は、この節税効果を含まないの比較です。実際には節税効果を加味すると、損益分岐点はさらに早くなるため、税制面のメリットも含めて総合的に判断しましょう。

メリット2. 終身年金: 一生涯もらえ、長生きするほどお得という安心感

国民年金基金の最大の魅力は、生涯にわたって受け取れる終身年金である点です。 厚生年金のない自営業者にとって、長生きが経済的なリスクになる不安を和らげる、心強い備えとなります。

厚生年金へ加入できない個人事業主の方にとって、国民年金基金は有効活用できるでしょう。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。

メリット3. 遺族一時金(非課税):家族にお金を残せるため万が一の時も安心

保証期間が設定されているプランを選べば、年金を受け取る前や保証期間中に亡くなった場合に、家族へ遺族一時金が支払われます。 この一時金は非課税で受け取れるため、ご自身の老後だけでなく、家族のための保障も兼ねることができます。

メリット4. 将来もらえる年金額が加入時に確定するため運用リスクがない

iDeCoのように自分で運用する必要はなく、加入時に将来受け取れる年金額が確定します。 市場の変動によって元本が減る心配がないため、安全・確実に老後資金を準備したい方に向いています。

メリット5 .運用の手間がない

国民年金基金は確定給付型の制度であるため、加入者自身が運用商品を選んだり、運用状況をチェックしたりする必要が一切ありません。加入時に選んだプランに応じて将来受け取れる年金額があらかじめ決まっているため、「ほったらかし」で安心です。

iDeCoのように投資信託の選択や配分変更、相場の変動に気を配る必要がなく、投資の知識や経験がない方でも気軽に老後資金を準備できます。忙しい自営業者やフリーランスにとって、運用に時間を取られないのは大きなメリットです。また、株式市場の暴落などの影響を受けないため、精神的な負担も少なく、本業に集中できる環境が保てます。

国民年金基金の始め方:加入・変更・脱退・受給手続きの完全ガイド

実際に加入する手続きや、加入後の各種変更手続き、そして将来年金を受け取る際の手続きについて説明します。

加入手続きの4ステップ:申し込みから掛金引き落としまでの流れ

加入手続きは、以下の4つのステップで進みます。

  1. 資料請求
  2. 申込書類の提出
  3. 加入登録・確認
  4. 加入員証の受け取り

公式サイトや電話で資料を請求し、「加入申出書」を郵送またはWebで提出します。申し込みから手続き完了までは1〜2ヶ月ほどかかります。

収入が変化したら?掛金の増額・減額・一時停止の方法

加入後、収入の状況に合わせて月々の掛金額を見直すことができます。 掛金を増やしたい場合は「増口」、減らしたい場合は「減口」の手続きを行います。 どうしても支払いが困難になった場合は、掛金の支払いを最長2年間休止することも可能です。

就職に伴って脱退するときは

脱退希望時は加入支部または国民年金基金連合会に「脱退申出書」と本人確認書類(免許証写しなど)を郵送または窓口で提出します。

脱退時に解約返戻金が支払われる制度はなく、それまでに払い込んだ掛金が一時金として戻ってくることはありません。ただし、積み立てた分が無駄になるわけではなく、将来の受給開始年齢(65歳など)になれば、納付済みの掛金に応じた年金として受け取ることができます。

つまり「掛け捨て」にはならないものの、受給開始まで資金は引き出せない「塩漬け」状態になります。たとえば30歳で3年間だけ加入して会社員になった場合、65歳まで30年以上待つことになり、受け取れる年金額もごく少額です。若くて今後のキャリアが定まっていない方は、この点を踏まえて加入時期を慎重に検討しましょう。

65歳になったら:年金を受け取るための請求手続きと注意点

年金の支給頻度は、年金年額によって異なります。

年金年額支給回数支給タイミング
12万円以上年6回偶数月に前月・前々月の2か月分
12万円未満年1回決まった月に過去1年分をまとめて支給

1口のみの加入で年金年額が12万円程度の場合は、年1回のまとめ払いになる点に注意しましょう。毎月の生活費に充てることを想定している方は、口数を増やして年額12万円以上にするか、他の収入源とのバランスを考慮して計画を立てることが大切です。

あなたはどっち?国民年金基金が向いている人・向いていない人

これまでのメリット・デメリットを踏まえると、国民年金基金への加入が特に向いている人とあまり向かない人の像が見えてきます。

国民年金基金がおすすめな人の特徴

税金の優遇を受けつつ、将来の年金を安全・確実に確保したい人に向いています。特に、安定志向の方や、長生きによる資金不足に備えたい方には心強い制度です。

節税メリットを最大限に活かしたい高所得の人

毎年の掛金全額控除を活用して税負担を軽減しながら老後に備えたい人に基金は適しています。「税金を納めるくらいなら将来の自分の年金に回したい」と考える人にはぴったりです。

投資や運用のリスクを取りたくない安定志向の人

将来受け取る年金額が市場変動で減る心配をしたくない、元本保証で確定した額の年金を確保したいという人にも向いています。「老後資金は堅実に確保したい」という保守的な志向の方には安心感があるでしょう。

長生きリスクに備え、生涯続く収入源を確保したい人

「自分は家系的にも長寿の可能性が高い」という人は、終身年金である基金に加入する価値が高いです。平均寿命を超えて長生きすれば受取総額がどんどん増えていきます。

長生きリスクに備えるうえで、できるだけ年金額を増やすことは効果的です。現在の年金受給世帯が受け取っている年金額は、こちらの記事を参考にしてみてください。

加入は慎重に検討すべき人

途中で解約できず、資金が長期間固定される点に注意が必要です。高い運用益を狙いたい方や、近い将来、会社員になる可能性がある方も、慎重な検討が求められます。

資金の自由度を重視する・手元に現金を残したい人

収入が不安定だったり、日々の生活費で精一杯だったりする場合、長期の掛金負担は大きなリスクです。基金は原則途中でやめられないため、余剰資金がほとんどない方には不向きです。

将来、会社員になる(第2号被保険者になる)可能性がある人

若いフリーランスなどで、「いずれ就職して第2号被保険者になるかもしれない」という人も注意が必要です。会社員になると基金の加入資格を喪失し、新たな掛金は払えなくなります。短期間の加入では年金額もごくわずかです。

高いリターンを狙って積極的に資産を増やしたい人

元本割れのリスクがあっても、株式投資などで積極的に資産を増やしたい人には基金は退屈かもしれません。基金の予定利率は1.5%程度と保守的であり、リターン重視派には物足りない制度と言えます。

国民年金基金・iDeCo・付加年金、あなたに合うのはどれ?3制度を徹底比較

国民年金基金以外にも、自営業者の老後を支える心強い制度があります。それぞれの特徴を比較し、あなたに最適な選択肢を見つけましょう。

比較項目国民年金基金iDeCo付加年金
掛金上限(月額)6万8,000円(iDeCoと合算)6万8,000円(基金と合算)400円(固定)
最低掛金数千円程度〜5,000円400円
所得控除区分(拠出時)社会保険料控除小規模企業共済等掛金控除社会保険料控除
控除対象者本人・配偶者分を合算可本人のみ本人のみ
受給時課税公的年金等控除公的年金等控除または退職所得・一時所得公的年金等控除
運用方式固定予定利率(1.5%程度)自己運用(元本確保〜高リスク商品)固定利率(国の運用)
受給形態終身(A型・B型など)有期年金または一時金終身で上乗せ(200円×納付月数)
途中引き出し可否不可(払込停止可)60歳まで不可不可
手数料・コスト口数に応じた管理費加入時・運営管理機関・信託銀行手数料なし
併用可否iDeCoと可、付加年金と不可基金・付加年金と可iDeCoと可、基金と不可
国民年金基金・iDeCo・付加年金比較表

国民年金基金とiDeCo選ぶならどっち?:安定の基金か、成長のiDeCoか

どちらも掛金が全額所得控除になる強力な制度ですが、性格は大きく異なります。

国民年金基金が向いている人:安定・確実な年金が欲しい

将来受け取る年金額が加入時に確定している安心感を求める方に向いています。運用は専門家におまかせで、市場の変動に一喜一憂したくない安定志向の方におすすめです。

iDeCoが向いている人:自分で運用して資産を増やしたい

自分で運用商品を選び、積極的にリターンを狙いたい方に向いています。元本割れのリスクはありますが、インフレに強い資産で運用し、将来の資産を大きく増やしたい方におすすめです。

「守りの基金」と「攻めのiDeCo」で併用する方法もあり

両制度は併用でき、掛金の合計は月額68,000円が上限です。

国民年金基金で安定した終身年金を確保しつつ、iDeCoで資産の成長を狙う、という「守りと攻め」を両立した資産形成が可能です。

老後の年金を増やす手段は、国民年金基金やiDeCoだけではありません。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。

国民年金基金と付加年金選ぶならどっち?:まとまった上乗せか、少額からコツコツか

この2つの制度は併用できず、どちらか一方を選ぶ必要があります。国民年金基金が向いているのは、しっかり掛金を拠出し、年金額を大きく増やしたいと考えている方です。月々まとまった掛金を拠出して、将来の年金額を大きく増やしたい方に向いているでしょう。

付加年金が向いている人は、まずは少額から始めたい方です。月々400円というわずかな負担で、2年間受け取れば元が取れるほど効率よく年金を増やせます。詳しくは、以下の記事やQ&Aも参考にしてみてください。

比較対象として知っておきたい「小規模企業共済」

自営業者の老後資金づくりには、上記3制度に加えて小規模企業共済も重要な選択肢です。国民年金基金やiDeCoとは枠が別のため併用が可能で、組み合わせることで節税効果と老後資金の積み増しを最大化できます。

比較項目国民年金基金小規模企業共済
掛金上限(月額)6万8,000円(iDeCoと合算)7万円(単独枠)
所得控除区分社会保険料控除小規模企業共済等掛金控除
受取方法終身年金または確定年金一括・分割・併用を選択可
途中解約不可(払込停止は可能)可能(ただし任意解約は元本割れの可能性あり)
貸付制度なしあり(掛金の範囲内で事業資金等を借入可能)
受取時の課税公的年金等控除(雑所得)退職所得控除(一括)または公的年金等控除(分割)

小規模企業共済は、廃業・退職時の「退職金」としての性格が強く、一括受取りの場合は退職所得控除が適用されるため税制面でも有利です。また、掛金の範囲内で低金利の貸付制度を利用できるため、事業資金の流動性も確保できます。

国民年金基金で終身年金の「守り」を固め、小規模企業共済で退職金と緊急時の資金繰りを確保し、さらにiDeCoで運用リターンを狙う──この3制度の併用が、自営業者にとって最も強固な老後設計の一つといえるでしょう。

小規模企業共済に関しては、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

この記事のまとめ

この記事では、国民年金基金の位置づけ(1階の国民年金に上乗せする2階)、加入条件、掛金上限と所得控除、終身/確定7タイプの特徴、損益分岐点の考え方、メリット・デメリット、加入から受給までの手続きを整理しました。次の行動として、まずは「自分が加入対象か」「月々いくら拠出できるか」「終身保障をどれだけ厚くするか」を確認し、iDeCoや小規模企業共済との組み合わせも含めて設計しましょう。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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国民年金基金

国民年金基金とは、自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者が、将来の年金額を上乗せするために任意で加入できる制度です。これは、国民年金(基礎年金)だけでは老後の生活費として不十分な場合に備えて、公的に用意された追加の年金制度です。加入者は自分の希望に合わせて受け取る年金の型や金額を選ぶことができ、掛金もそれに応じて決まります。終身で年金を受け取れる選択肢もあるため、長生きリスクへの備えとして有効です。また、支払った掛金は全額が所得控除の対象となるため、節税効果も得られます。資産運用の視点では、自分で備える年金制度の一つとして、iDeCoなどと並んで重要な選択肢となります。

第1号被保険者

第1号被保険者とは、日本の公的年金制度において、20歳以上60歳未満の自営業者や農業従事者、フリーランス、無職の人などが該当する国民年金の加入者区分のひとつです。会社員や公務員などのように厚生年金に加入していない人が対象で、自分で国民年金保険料を納める義務があります。 保険料は定額で、収入にかかわらず同じ金額が設定されていますが、経済的に困難な場合には免除制度や納付猶予制度を利用できることがあります。将来の年金受給の基礎となる制度であり、自分でしっかりと手続きや納付を行う必要があります。公的年金制度の中でも、自主的な加入と負担が特徴の区分です。

老齢基礎年金

老齢基礎年金とは、日本の公的年金制度の一つで、老後の最低限の生活を支えることを目的とした年金です。一定の加入期間を満たした人が、原則として65歳から受給できます。 受給資格を得るためには、国民年金の保険料納付済期間、免除期間、合算対象期間(カラ期間)を合計して10年以上の加入期間が必要です。年金額は、20歳から60歳までの40年間(480月)にわたる国民年金の加入期間に応じて決まり、満額受給には480月分の保険料納付が必要です。納付期間が不足すると、その分減額されます。 また、年金額は毎年の物価や賃金水準に応じて見直しされます。繰上げ受給(60~64歳)を選択すると減額され、繰下げ受給(66~75歳)を選択すると増額される仕組みになっています。 老齢基礎年金は、自営業者、フリーランス、会社員、公務員を問わず、日本国内に住むすべての人が加入する仕組みとなっており、老後の基本的な生活を支える重要な制度の一つです。

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

付加年金

付加年金とは、国民年金に加入している人が、定額の保険料(月額400円)を上乗せして納めることで、将来の年金額を増やせる制度です。自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者が対象で、支払った付加保険料に応じて、老齢基礎年金に上乗せして受け取ることができます。 受け取り額は、付加保険料を納めた月数に200円をかけた金額が年金に加算される仕組みで、長生きするほどお得になるとされています。特に、iDeCoなどの他の自助努力型制度と併用することで、老後の年金対策に柔軟性を持たせることができます。資産運用の観点からは、少ない負担で将来の収入を増やす手段として、非常に効率的な選択肢の一つです。

終身年金

終身年金とは、一度受給が始まると、契約者が生きている限り年金が支給され続けるタイプの年金です。主に民間の年金保険や国民年金基金、企業年金などで採用される形式で、老後の長生きリスクに備えるための仕組みとして重視されています。たとえば、90歳まで生きた場合でも、支給は一生涯続くため、資金が尽きる心配が少なくなります。支給額は契約時に決められており、途中で変更されることは通常ありません。 資産運用の視点からは、定期的な安定収入を確保する手段として終身年金は非常に有効であり、特に退職後の生活費の柱として設計する際に重宝されます。ただし、早期に亡くなった場合は支払った保険料よりも受け取る年金総額が少なくなることもあるため、遺族保障とのバランスも検討が必要です。

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