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「ファミリーファンド」とは?メリットや利用目的、ファンド・オブ・ファンズとの違いなどを解説!

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執筆者:

公開:

2023.04.02

更新:

2024.12.11

基礎知識

目次

ファミリーファンド方式の利用メリット・利用目的例

1.資産運用の効率化

2.インデックスの値動きをより精緻に再現可能

3.決算頻度の多様化(毎月決算型・年1回決算型など)

4.為替リスクヘッジに関する選択肢の提供

5.一般投資家・機関投資家の運用資金の統合

ファンド・オブ・ファンズとの違い

1.マザーファンドとベビーファンドの資産運用会社は同じ

2.コストが二重にかからない

3.投資するファンドは1つでもOK

まとめ

ファミリーファンド方式とは、投資信託の運用方式の一つです。ベビーファンド(投資家が直接購入できる投資信託)で集めた資金を、1つの投資信託(マザーファンド)へ投資し、マザーファンドからさまざまな資産に投資する形式を指します。

マザーファンドとベビーファンドの関係が文字通り親子のような関係のため、ファミリーファンド方式と呼ばれています。

ファミリーファンド方式を利用することで、資産運用の効率化の実現やインデックスの値動きをより精緻に再現できるようになります。また投資家にとっては、決算頻度の多様化、為替リスクヘッジに関する選択肢の増加、一般投資家と機関投資家の運用資金統合による規模の経済性等の各種メリットを享受することができます。

ファミリーファンドの全体像

ファミリーファンド方式の利用メリット・利用目的例

1.資産運用の効率化

運用手法が全く同じファンドが別々で取引を行うよりも、マザーファンドにお金をまとめて投資をする方が、規模の経済性が働き、運用管理の効率化や売買コストの削減効果を期待することができます。ファンドの実質的な運用コストが削減されることは、資産運用会社だけでなく投資家にとってもメリットがあります。

2.インデックスの値動きをより精緻に再現可能

インデックスファンドは、投資信託の運用資金が大きい方が、インデックスに近い組入状況を再現することができます。ファミリーファンド方式を採用することで、運用資金を増やすことができるので、インデックスファンドの値動きとインデックスの値動きの乖離幅を小さくすることができます。

3.決算頻度の多様化(毎月決算型・年1回決算型など)

投資信託の決算頻度を多様化することを目的として、マザーファンドが利用されることがあります。決算後に分配金が支払われますので、決算頻度の多様化=分配金支払い頻度の多様化といえます。

例えば、ダイワ日本国債ファンドという投資信託には、ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)ダイワ日本国債ファンド(年1回決算型)の2種類が存在します。毎月分配型は毎月(年12回)決算が行われるのに対し、年1回決算型は文字通り年に1回決算が行われるという違いがありますが、どちらもダイワ日本国債マザーファンドに投資を行っています。

ダイワ日本国債ファンドのファミリーファンド

※図はダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)の交付目論見書より引用

4.為替リスクヘッジに関する選択肢の提供

外国資産に投資する投資信託の中には、為替リスクヘッジを行うかどうかを選択できる商品も存在します。このときにもファミリーファンド方式が利用されます。

例えば、みずほUSハイイールドオープンという投資信託には、Aコース(為替ヘッジあり)とBコース(為替ヘッジなし)の2種類が存在します。AコースとBコースは、為替リスクヘッジの有無という点で違いがありますが、どちらもLA米国ドル建てハイイールド債マザーファンドに投資を行っています。

みずほUSハイイールドオープン

図はみずほUSハイイールドオープンの交付目論見書より引用

5.一般投資家・機関投資家の運用資金の統合

一般投資家(個人・中小企業など)の運用資金と、機関投資家の運用資金を一つのマザーファンドに統合するために、ファミリーファンド方式が利用されることがあります。

基本的に、一般投資家は機関投資家が投資するファンドに投資できず、機関投資家は個人投資家が投資するファンドには投資しません。

一方、資産運用の効率性という観点からは、できるだけ運用資金をまとめて投資した方が良いため、個人投資家向けのベビーファンドと、機関投資家向けのベビーファンドを組成し、マザーファンドに投資することで、一般投資家と機関投資家の資金を統合して資産運用を行うことができます。

ファンド・オブ・ファンズとの違い

ファミリーファンドと似たような言葉に、ファンド・オブ・ファンズがあります。ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託に投資する投資信託です。ここでは、混同されがちな2つの用語について、3つの違いをお伝えしたいと思います。

1.マザーファンドとベビーファンドの資産運用会社は同じ

ファンド・オブ・ファンズでは、複数の資産運用会社の投資信託を組み合わせて運用されます。

一方、ファミリーファンドの場合は原則、マザーファンドとベビーファンドは同一もしくは委託先の資産運用会社が運用指図しています。

2.コストが二重にかからない

ファンド・オブ・ファンズでは、ファンド・オブ・ファンズ自体に信託報酬などのコストがかかるだけでなく、投資対象先の投資信託に関するコストも二重にかかります。

一方、ファミリーファンドの場合は、ベビーファンドとマザーファンドは同一もしくは委託先の資産運用会社によって運用されるため、ベビーファンドで信託報酬がかかりますが、マザーファンドでは信託報酬がかかりません。

3.投資するファンドは1つでもOK

ファンド・オブ・ファンズでは、原則として複数の投資信託に対して投資を行います。

一方、ファミリーファンドの場合、マザーファンドは1つでも複数でも問題ありません。

まとめ

  • ファミリーファンド方式とは、ベビーファンドで集めた資金を、1つの投資信託(マザーファンド)へ投資し、マザーファンドからさまざまな資産に投資する投資形式。
  • ファミリーファンド方式の利用により、規模の経済性が働き、資産運用が効率化。
  • 家が享受できるメリットとしては、決算頻度の多様化(毎月決算型・年一回決算型など)や、為替リスクヘッジに関する選択肢の提供、一般投資家・機関投資家の運用資金の統合といった目的で利用される。
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投資のコンシェルジュ編集部

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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