サムライ債の為替リスク以外の注意点は?
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2025/04/09 16:01
男性
40代
サムライ債は為替変動の影響を受けにくいとされていますが、それ以外に考慮すべきリスクがあるとすれば何でしょうか。信用リスクや市場での売買のしやすさなど、具体的な注意点を知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
確かにサムライ債は円建てで発行されるため、為替変動によるリスクを回避できるのが大きなメリットです。しかし、それ以外にも注意すべきポイントがあります。
信用リスク
サムライ債は海外の政府や企業が日本の投資家向けに発行するため、発行体の信用力が重要です。財務状況や経営の安定性に問題があると、元本や利息の支払いが滞る可能性もあります。信用格付け(例:S&P、ムーディーズなど)を確認し、発行体の信用リスクをしっかりと評価することが大切です。
情報開示の不透明さ
発行体が海外企業の場合、日本企業に比べて開示資料が少なかったり、英語のみでの提供であったりすることがあります。投資判断に必要な情報を十分に得られない場合があるため、事前に開示内容を確認し、不明な点があれば専門家に相談しましょう。
流動性リスク
サムライ債は一部の銘柄を除き、発行規模が小さく市場での売買が活発でないこともあります。中途売却を希望しても、希望価格で売れなかったり、買い手が見つからなかったりする可能性があります。購入前に、取引実績や市場での流動性も確認しておきましょう。
投資はリスクとリターンのバランスを見極めることが重要です。ご自身のリスク許容度や投資目的に合っているかどうかを判断するためにも、金融機関や資産運用の専門家に相談することをおすすめします。適切なアドバイスを受けながら慎重に検討しましょう。
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関連する専門用語
信用リスク
信用リスクとは、お金を貸した相手や投資した企業・国などが、何らかの理由で約束通りに返済や利息の支払いをしてくれなくなる可能性のことを指します。たとえば、企業が倒産したり、国が財政危機に陥ったりすると、債券などの投資商品から予定していた収益が得られなくなる恐れがあります。これが信用リスクです。 信用リスクの高い相手に対しては、一般的に高い利回り(リターン)が設定されますが、その分リスクも大きくなります。資産運用においては、リターンだけでなく、このような信用リスクをしっかりと見極めることが、安定した投資のためにとても重要です。
流動性リスク
流動性リスクとは、資産を売却したいときに市場で買い手が見つからず、希望する価格で売却できないリスクのことを指します。特に市場が混乱した場合や、取引量の少ない資産では、このリスクが顕著になります。例えば、不動産や未上場株式、流動性の低い債券などは、売却に時間がかかることが多く、想定よりも低い価格での取引を余儀なくされる場合があります。金融機関や企業にとっては、必要な資金を調達できずに支払いが滞る可能性があることを意味し、経済危機や市場の急激な変動時には特に注意が必要です。投資ポートフォリオを構築する際には、資産の換金しやすさを考慮し、現金や流動性の高い資産とのバランスを取ることが重要とされます。
格付け(信用格付け)
格付け(信用格付け)とは、取引をする際に参考にされる基準の一つで、取引の相手側の信用度を確認するために支払い能力や財務状況、安全性などを総合的にランク付けしたものである。アルファベットや数字で表されるのが一般的である。 (例)格付投資情報センター(https://www.r-i.co.jp/index.html) による発行体格付の定義 AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。 A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 CCC:発行体の金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 CC:発行体の金融債務が不履行に陥っているか、その懸念が極めて強い。 C:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。
発行体
発行体とは、債券や株式などの金融商品を市場に出して資金を調達する側のことを指します。債券であれば、お金を借りる側であり、投資家から集めた資金を使って事業活動や設備投資などを行います。発行体には、国や地方自治体、企業、政府機関などさまざまな種類があります。投資家にとっては、発行体の信用力や財務状況がその金融商品の安全性や利回りに大きく影響するため、誰が発行しているのかをしっかりと確認することが重要です。信頼できる発行体であれば、安定した利息や元本の返済が期待できます。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。