銀行が国債を勧めてこない理由はなんですか?
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2024/10/02 18:19
男性
60代
現在退職金の運用を検討しています。銀行の窓口で国債について質問したところ、投資信託や保険商品を勧められましたが、国債はあまりおすすめでないようなことを言われました。<br>定期預金よりも利率が良く、投資信託のように値下がりしないので良さそうだと思ったのですが・・・<br>銀行が国債を勧めない理由はなんでしょうか?教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
結論として、銀行が個人向け国債を積極的に提案しない最大の理由は、銀行側の収益性が低いためです。国債の販売手数料はごくわずかで、しかも解約手数料もありません。一方、投資信託や外貨建て保険は販売手数料・管理報酬が高く、銀行にとって継続的な収益源になります。そのため、窓口では自然と高収益の商品が優先されやすくなります。
もう一つの背景は「顧客ニーズの想定」です。銀行は「少しでも高い利回りを求める」「NISAなど非課税制度を活用したい」といった要望があると想定し、リスクを取った運用商品や節税メリットを強調しやすい傾向があります。国債は元本が保証される安全資産ですが、利回りはあくまで低リスク相応であり、提案のインパクトに欠けるという営業上の事情も無視できません。
もっとも、国債の安全性と定期預金を上回る利回りは退職金運用において大きな魅力です。資産寿命を延ばすうえで「減らさない資金」を一定割合確保することは基本戦略の一つですから、国債を選択肢から除外する必要はありません。手数料、運用コスト、税制メリットを冷静に比較し、国債・投資信託・保険を組み合わせた分散運用を検討するとよいでしょう。
最終的にはご自身のリスク許容度と資金計画に照らして納得できる運用方針を策定することが肝要です。複数の金融機関や独立系アドバイザーからセカンドオピニオンを取り、商品のコスト構造と期待リターンを確認したうえで判断されることをおすすめします。