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富裕層が全世界所得課税下で取るべき税務戦略は?

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2025/06/07 16:01


男性

50代

question

資産規模が大きいほど海外投資や法人設立が欠かせませんが、全世界所得課税の下ではリスクも高まります。富裕層が合法的に税負担を最適化しつつ、規制強化に備えるにはどのような戦略が必要でしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

富裕層の国際税務戦略は①国外所得の漏れない申告、②租税条約と外国税額控除の最大活用、③居住地と拠点の最適設計、④制度変更への即応、⑤専門家ネットワークの活用、⑥コンプライアンス重視の6点が柱です。

まず海外投資・法人・信託の収益を一覧化し、条約で軽減税率を確認し、残る負担を控除で調整します。非居住者化を検討する場合は出国税や将来再居住時のリスクを含め長期試算が欠かせません。CRS・CARFにより海外資産の秘匿は困難であり、タックスヘイブン対策税制や移転価格税制の網も広がっています。

行き過ぎた節税は否認・追徴だけでなく社会的信用損失を招くため、国際税務に強い税理士、弁護士、ファミリーオフィスと連携し、定期的にストレステストを行いながら合法的な範囲で税効率と資産保全を両立させることが最良のリスクマネジメントです。

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全世界所得課税

全世界所得課税とは、日本に住んでいる人が、日本国内だけでなく海外で得たすべての所得について、日本の税金の対象となる仕組みのことです。これは「居住者課税主義」と呼ばれる考え方に基づいており、日本に生活の拠点がある人(たとえば1年以上日本に住んでいる人など)が対象になります。たとえば、海外の株式や不動産から得た利益、外国の銀行預金の利息なども日本での所得として申告し、税金を納める必要があります。 一方で、すでにその海外で税金を支払っている場合には、「外国税額控除」という制度を使うことで、同じ所得に対して二重に課税されることを防ぐことができます。海外に資産を持つ投資家や、グローバルに資産運用を考えている方にとっては、正しい申告と節税対策のために知っておくべき重要なルールです。

外国税額控除

外国税額控除とは、日本に住んでいる個人や法人が、海外で所得を得てその国で税金を支払った場合に、同じ所得に対して日本でも課税される「二重課税」を避けるために、日本で支払う税金からその分を差し引くことができる制度のことをいいます。たとえば、外国株式の配当金を受け取った際に、外国で源泉徴収された税金がある場合、その金額を一定の計算に基づいて日本の所得税や法人税から控除することができます。この制度を利用することで、国際的な投資やビジネスを行う際の税負担を適正に調整できるようになります。ただし、控除できる金額には上限があり、正確な申告と証明書類の提出が必要です。資産運用や海外取引を行ううえで、知っておきたい重要な税務上の仕組みです。

租税条約

租税条約とは、国と国との間で取り決められる「税金に関する国際的な協定」です。たとえば、日本に住む人が外国の株式などに投資したとき、利益に対して日本とその国の両方で税金を取られてしまう可能性があります。これを「二重課税」と言います。 租税条約があると、この二重課税を防ぐ仕組みが整えられていたり、源泉徴収税率(配当や利子にかかる税率)が軽減されたりします。こうした仕組みにより、国際的な投資がしやすくなるため、資産運用においてとても重要な存在です。

出国税(国外転出時課税制度)

出国税(国外転出時課税制度)とは、日本に住んでいる人が、一定額以上の有価証券などを保有したまま海外へ移住する場合に、実際には売却していなくても「売却したもの」とみなして、その含み益に対して課税される制度のことをいいます。この制度は、海外移住によって日本の課税権を回避することを防ぐ目的で導入されました。対象となるのは、出国時点で1億円以上の株式や投資信託などの金融資産を保有している人で、原則としてその含み益に対して所得税が課されます。実際に売却していなくても税金が発生する点が特徴で、納税は出国前または一定条件のもとで延納が可能です。資産の多い個人が国外に居住地を移す際には、事前の計画と税務上の対応が重要となる制度です。

タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)

タックスヘイブン対策税制とは、日本の企業や個人が、税率の低い国や地域、いわゆる「タックスヘイブン」に子会社を設立し、そこで得た利益に対して日本で課税されるのを回避するのを防ぐための仕組みです。この制度では、日本に住んでいる人や法人が持っている海外の子会社が、一定の条件を満たす場合、その子会社の利益を日本の親会社の利益とみなして、日本で課税されることになります。 つまり、海外で利益を留め置いても、日本の税務上は合算して課税されるということです。これにより、税逃れを防ぎ、税の公平性を保つことを目的としています。投資先が海外にある場合や、外国の金融商品を利用する際には、この制度の影響を受ける可能性があるため、仕組みを理解しておくことが大切です。

コンプライアンス

コンプライアンスとは、法律や業界ルール、社内規程、さらには社会的・倫理的な基準を遵守することを指します。資産運用の分野においては、金融商品取引法などの関係法令に従い、顧客の利益を守りながら、公正かつ透明な運用を行うことが求められます。 また、不正行為やインサイダー取引の防止、利益相反の管理、説明責任(ディスクロージャー)の徹底なども、コンプライアンスの重要な要素とされています。

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