扶養から外れる場合保険証はどうなりますか?
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2025/09/01 08:31
男性
30代
扶養から外れると健康保険の扱いがどうなるのか、特に保険証が使えなくなるタイミングや、その後どのような手続きが必要になるのか教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
扶養から外れた場合、これまで使用していた健康保険証はその時点で無効となります。扶養に入っている間は、被保険者(親や配偶者など)が加入する健康保険組合や協会けんぽから保険証が交付されています。しかし、扶養から外れるとその資格がなくなるため、保険証は返却しなければなりません。
新しい保険証は、扶養から外れた後に自分で加入する健康保険制度から交付されます。たとえば、就職して勤務先で社会保険に加入する場合は会社を通じて新しい健康保険証が発行されます。一方、自営業や無職の場合は市区町村の国民健康保険に加入することになり、その後に国保の保険証が届きます。
注意しなければならないのは、扶養を外れたのに古い保険証を使い続けると、不正利用とみなされる可能性がある点です。そのため、必ず速やかに返却や切り替えの手続きを行う必要があります。
また、新しい保険証が届くまでの間に病院にかかる場合は、いったん医療費を全額自己負担し、後から加入した保険者に請求して払い戻してもらうケースもあります。
したがって、扶養から外れることが決まったら、できるだけ早く新しい保険加入の手続きを進めることが安心につながります。
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被保険者
被保険者とは、保険の保障対象となる人物。生命保険では被保険者の生存・死亡に関して保険金が支払われる。医療保険では被保険者の入院や手術に対して給付金が支払われる。損害保険では、被保険者は保険の対象物(自動車など)の所有者や使用者となる。被保険者の同意(被保険者同意)は、第三者を被保険者とする生命保険契約において不可欠な要素で、モラルリスク防止の観点から法律で義務付けられている。
健康保険組合
健康保険組合とは、主に大企業や業界団体が、従業員やその家族の医療費をまかなうために設立・運営している独自の健康保険の運営団体です。一般的な会社員は全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入しますが、一定の条件を満たす企業は、自社や業界内で健康保険組合を設立することができます。 健康保険組合は、保険料の率を独自に決めたり、付加給付と呼ばれる独自の医療費補助や保健事業(健康診断、予防接種補助など)を行ったりすることで、加入者にとってより手厚い保障が受けられる場合があります。運営費は主に事業主と従業員が支払う保険料でまかなわれ、加入者の健康維持や医療費の適正化を目的としています。加入者にとっては、より柔軟で充実した医療支援を受けられる仕組みとなっています。
協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)
協会けんぽとは、正式名称を「全国健康保険協会管掌健康保険」といい、主に中小企業に勤める会社員やその家族が加入する公的医療保険制度です。企業と被保険者が折半で保険料を納めることで、病気やけがの治療費の一部を負担したり、傷病手当金や出産手当金などの給付を受けられる仕組みになっています。 保険料率や給付内容は全国一律ではなく、都道府県ごとの医療費水準に応じて毎年度見直されるため、加入者は自分の居住地の料率やサービスを確認しておくと安心です。大企業が独自に設立する健康保険組合と異なり、規模の小さな事業所でも安定した医療保障を受けられることが特徴で、退職後には任意継続被保険者として最長2年間まで加入を継続できます。
国民健康保険
国民健康保険とは、自営業者やフリーランス、退職して会社の健康保険を脱退した人、年金生活者などが加入する公的医療保険制度です。日本ではすべての国民が何らかの健康保険に加入する「国民皆保険制度」が採用されており、会社員や公務員が加入する「被用者保険」に対して、それ以外の人が加入するのがこの国民健康保険です。 市区町村が運営主体となっており、加入・脱退の手続きや保険料の納付、医療費の給付などは、住民票のある自治体で行います。保険料は前年の所得や世帯の構成に応じて決まり、原則として医療機関では医療費の3割を自己負担すれば診療を受けられます。病気やけが、出産などの際に医療費の支援を受けるための基本的な仕組みであり、フリーランスや非正規労働者にとっては重要な生活保障となる制度です。
社会保険
社会保険とは、国民の生活を支えるために設けられた公的な保険制度の総称で、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険などが含まれます。労働者や事業主が保険料を負担し、病気や高齢による収入減少、失業時の経済的支援を受けることができます。社会全体でリスクを分担し、生活の安定を図る仕組みです。 また、社会保険は万が一の備えとして機能し、資産運用においては「公的保障の不足分をどのように補うか」を考える前提となる存在です。