手数料が高いと投資信託で儲からないって本当?
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2025/02/07 15:23
男性
40代
投資信託には購入手数料や信託報酬などの費用がかかると聞きました。手数料が高いと、どれくらい利益が減ってしまうのでしょうか?また、初心者が選ぶべき低コストの投資信託の種類や、手数料を抑えるコツがあれば知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
投資信託で成果を左右する最大の可変要因はコストです。負担は ①購入時手数料 ②信託報酬(運用管理費用) ③解約時コスト──の3つに集約され、特に年率で差し引かれ続ける信託報酬が長期リターンを最も蝕みます。100万円を年5%で20年間運用するケースを比較すると、
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信託報酬1.5%:最終受取額 ≈ 199万円
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信託報酬0.2%:最終受取額 ≈ 255万円
差額は56万円超。複利効果が削られる典型例です。
低コスト商品を選ぶ3条件
- 購入時手数料0%(ノーロード)
- 信託報酬0.2%前後以下
- 解約時コストなし、または極小
この条件を満たす主な選択肢はインデックスファンド(例:eMAXIS Slim、SBI・Vシリーズ)や超低コスト海外ETF(信託報酬0.05%前後)。さらに、つみたてNISA・iDeCoなどの非課税枠を活用すれば、税負担を抑えつつ実質コストも低減できます。
実践のコツ
- 毎月定額で積み立て、短期売買は避ける
- ポートフォリオを年1回程度リバランスし、無駄な売買を抑制
- コスト引き下げ競争の動向を定期チェックし、より安い同種ファンドに乗り換えも検討
「低コスト×長期・積立・分散」を徹底すれば、派手さはなくとも時間を味方につけた堅実な資産形成が可能です。
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投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。
NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。