ESG投資はリターンにどのような影響を与えますか?
解決済み
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2025/01/18 14:42
女性
30代
ESG投資を検討しています。良い取り組みのように思うのですが、いまいち企業の業績が上がるイメージがつきません。 ESG投資を選ぶことで、パフォーマンスやリスクにどのような影響があるのか教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ESG投資は、企業の持続可能性に関連する非財務要素を考慮することで、長期的な投資リターンにプラスの影響を与える可能性があるとされています。
みずほ第一フィナンシャルテクノロジー社のレポートによると、ESGスコアの高い企業に投資することで、ポートフォリオ全体のボラティリティ(価格変動の激しさ)を抑える効果が認められています。さらに、超過リターンをもたらす可能性があるとする研究も多数存在します。
ただし、評価機関やスコアリング方法によって結果が異なる場合があり、分析基準の違いに注意が必要です。また、ESG投資は短期的な利益追求よりも長期的な安定を重視する投資手法であるため、特に長期保有を前提とする投資家に向いています。市場全体の動向や評価基準を慎重に見極めることが成功の鍵となるでしょう。
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ESG
ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の略で、企業がこれらの観点で持続可能性に配慮しているかを評価する基準です。投資判断に活用され、社会的課題への関心が高まる中、注目されています。
ESG投資
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮して行う投資のことです。従来、企業の投資価値は主にキャッシュフローや利益率などの財務情報を基に判断されてきましたが、近年は、環境負荷の低減、社会的責任の遂行、健全な経営体制といった非財務情報も投資判断の重要な指標となっています。 ESGの概念は、2006年に国連が機関投資家向けに「責任投資原則(PRI)」を提唱したことをきっかけに広まりました。ESG要素を投資プロセスに組み込むことで、長期的なリスクを抑えながら持続可能なリターンの向上が期待されます。特に、ESGに積極的に取り組む企業は、規制対応力やブランド価値の向上につながるため、将来的な成長性や安定性の面で投資家の関心を集めています。
ESG評価機関
ESG評価機関とは、企業の「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」に関する取り組みを調査・評価し、その結果を投資家や金融機関に提供する専門機関のことです。具体的には、企業が地球環境にどれだけ配慮しているか、労働環境や人権への対応が適切か、経営の透明性や社内統制が整っているかなどを多角的に分析します。評価結果は、スコアやレポートの形で公表され、投資家は企業の財務情報だけでなく、長期的な成長性やリスク対応力といった非財務面も考慮して投資判断を行うことができます。ESG投資が世界的に広まる中で、MSCIやSustainalyticsなどの評価機関の情報は、持続可能な投資の基盤としてますます重要視されています。ただし、各機関ごとに評価基準が異なるため、スコアを比較する際は注意が必要です。
超過リターン(エクセスリターン)
超過リターン(エクセスリターン)は、投資の成果が基準となる指標(ベンチマーク)をどれだけ上回ったかを示すものです。 たとえば、株式市場全体の動きを表す指標である「日経平均株価」や「S&P500」が年間5%上昇したとします。このとき、あなたが投資している商品が7%のリターンを得た場合、その差の2%が超過リターンです。この指標は、投資の「成果が良かったかどうか」を客観的に判断する基準になります。特にアクティブ運用(市場平均を上回ることを目指す投資)の成果を評価する際に重要です。ただし、超過リターンを得るためにはリスクを取る必要がある場合が多いので、投資初心者は自分のリスク許容度をよく考えることが大切です。
ボラティリティ
ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。