ウェルスマネジメントはどのくらいの資産を持つ人向けのサービスなの?
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2025/04/01 19:08
男性
30代
ウェルスマネジメントというと富裕層向けのサービスというイメージがありますが、具体的にどのくらいの資産を持っていれば利用できるのでしょうか?また、金融機関によって基準は異なるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ウェルスマネジメントは、一般に「金融資産1億円以上」が利用基準の目安とされますが、実際のハードルは機関ごとに大きく異なります。都市銀行のプライベートバンク部門では1〜3億円、外資系プライベートバンクでは5億円前後を求める一方、ネット証券や独立系IFAでは5,000万円程度から総合的なサポートを受けられるケースも増えています。こうした差は、提供する専門家リソースの範囲と手数料体系の違いに起因します。
資産基準が設けられている背景には、ウェルスマネジメントが単なる運用提案にとどまらず、税務・相続対策、不動産戦略、法人設立や慈善寄付といった多岐にわたる専門サービスを包括的に行う点があります。資産がまとまるほど課題は複雑化し、弁護士・税理士・不動産鑑定士などの多職種チームを組成するコストを賄う必要があるため、一定の基準が設定されているのです。
もっとも、資産額はあくまで「入口基準」にすぎません。ご家族のライフプランの複雑さや事業承継の有無、国際的な資産配置などによって必要となるサポート範囲は変わります。「資産を守り、増やし、次世代へ円滑に引き継ぎたい」というニーズこそが利用可否を左右する最大のポイントです。気になる金融機関やIFAに現在の資産規模と課題を率直に伝え、どのレベルまで支援が受けられるか確認なさることをおすすめします。
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ウェルスマネジメント
ウェルスマネジメントとは、一定以上の資産を保有する個人やその家族に対して提供される、総合的な資産管理サービスのことを指します。 ここでいう「総合的」とは、単に資産を運用するだけでなく、税金対策、相続対策、保険の活用、ライフプランの設計など、複数の分野にまたがる支援を一体的に行うという意味です。資産の構成や目的は人それぞれ異なるため、個別の事情に応じてカスタマイズされたアドバイスが求められます。 このサービスは、通常、金融・法律・税務などの専門家がチームを組んで提供します。例えば、資産を運用して増やすだけでなく、それに伴って発生する税負担を軽減するための対策や、次世代にスムーズに資産を引き継ぐための相続設計も同時に検討されます。生命保険を活用して納税資金を確保したり、遺産分割のトラブルを避ける仕組みを整えたりすることも、ウェルスマネジメントの重要な要素です。 こうしたサービスは、特に資産規模が大きくなるほど必要性が増します。資産が一定の規模を超えると、「どのように増やすか」だけでなく、「どう守るか」「どう引き継ぐか」「どう使うか」といった視点が不可欠になります。ウェルスマネジメントは、こうした多面的なニーズに応えるための、長期的・戦略的なコンサルティングサービスといえるでしょう。 一般的には富裕層を対象としたサービスと位置づけられていますが、近年では資産形成の初期段階から専門的な支援を求める人も増えており、ウェルスマネジメントの考え方そのものが広がりを見せています。
金融資産
金融資産とは、現金や預金、株式、債券、投資信託など、金融市場で取引可能な資産のことを指します。不動産や貴金属のような実物資産とは異なり、換金性が高く、運用によって価値が変動する特徴があります。個人の資産運用においては、金融資産を適切に分散し、リスクとリターンのバランスを取ることが重要とされます。企業の財務管理においても、金融資産の保有状況は流動性や資金繰りに影響を与えるため、戦略的な管理が求められます。
富裕層
富裕層とは、高額な資産を保有し、投資や資産運用を積極的に行う個人を指す。一般的には、金融資産1億円以上を持つ人々が該当するとされ、さらに超富裕層(資産5億円以上)などの分類もある。彼らは資産の保全・運用だけでなく、事業承継、相続対策、節税対策、慈善活動などにも関心を持つことが多い。金融機関やプライベートバンク、ファミリーオフィスなどの専門機関と連携しながら、資産を効率的に管理し、長期的な財産維持・成長を目指す。
信託銀行
信託銀行とは、銀行業務に加えて信託業務を行う金融機関のことで、資産の管理・運用・承継を専門的に取り扱う。個人向けには遺言信託や資産承継のサポート、法人向けには年金信託や不動産管理などを提供する。特に、富裕層に対する資産保全や相続対策の面で重要な役割を果たし、長期的な資産管理の手段として活用される。信託契約を通じて、顧客の資産を安全に管理し、特定の目的に沿った資産運用が可能となる。
独立系アドバイザー(IFA)
IFAとは、Independent Financial Advisorの略で、日本語では「独立系フィナンシャルアドバイザー」と呼ばれる資産運用の専門家を指す。内閣総理大臣より金融商品仲介業の登録を受け、1つ以上の証券会社と業務委託契約を締結し、投資家に対して資産運用のアドバイス業務や金融商品の仲介を行う。
プライベートバンキング(PB)
プライベートバンキングとは、富裕層の個人顧客向けに提供される資産運用サービスのことです。資産管理、相続対策、税務アドバイス、投資戦略など、顧客のニーズに合わせた総合的な金融サービスが含まれます。通常、専門のファイナンシャルアドバイザーが個別に対応し、長期的な資産形成や保全をサポートします。