含み損を減らすためにナンピン買いは有効?
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2025/03/03 22:03
男性
30代
投資対象の価格が下がったとき、追加購入(ナンピン買い)をすることで含み損を減らせますか?リスクはありますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ナンピン買いは、平均取得単価を下げて反発時の損失回復を早める戦術ですが、成功には三つの条件が欠かせません。第一に、下落要因が一時的で企業価値は損なわれていないこと。第二に、長期的な成長シナリオが依然として妥当であること。第三に、追加投資後もポートフォリオ全体のリスク水準が許容範囲に収まることです。これらを満たさない場合、資金を投じても損失が拡大し、他の有望な投資機会を逃すリスクが高まります。実行する際は投入額と撤退ライン(価格または期間)を事前に定め、想定外の下落が続けば速やかに損切りできる体制を整えてください。ナンピンは含み損を帳消しにする万能策ではなく、確かな成長見込みと自己のリスク許容度が噛み合う局面でのみ検討すべき補助的手法だと理解しておきましょう。
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ナンピン
ナンピンとは、すでに保有している資産の価格が下がったときに、追加で同じ銘柄を買い増すことで、平均購入単価を下げようとする投資手法のことをいいます。たとえば、1株1,000円で買った株が800円に下がったときにもう1株買うと、平均購入価格は900円になります。 これにより、価格が少し戻るだけでも損失を回収しやすくなるメリットがありますが、一方で下落が続くと損失がさらに膨らむリスクもあるため注意が必要です。ナンピンは資金に余裕があり、冷静にリスクを判断できる中・上級者向けの戦略とされることが多く、初心者が無計画に行うと損失拡大につながることがあります。適切な資金管理とリスク管理が欠かせない投資行動です。
含み損益
含み損益とは、保有している資産をまだ売却していない段階で発生している、見かけ上の利益や損失のことを指します。たとえば、購入時よりも価格が上がっている株を持っていれば「含み益」、逆に価格が下がっていれば「含み損」となります。 これはあくまで現在の評価額と購入額の差であり、実際に売却して現金化しない限り、確定した損益とはなりません。そのため、「含み」とは「まだ確定していない」という意味を含んでいます。 投資判断をする際には、この含み損益をもとに、売却のタイミングや資産配分の見直しを検討することがあります。また、税金は原則として実際に売却して利益が確定した時点で課税されるため、含み益があるだけでは課税対象にはなりません。資産運用において、現在の状況を把握する重要な指標のひとつです。
損切り(ロスカット)
損切り(ロスカット)とは、投資で保有している資産の価格が下がり、これ以上損失を広げないために、その資産をあえて売却して損失を確定させる行為のことをいいます。多くの投資家は、含み損の状態で損を確定させることに心理的な抵抗を感じますが、損切りをしないまま価格がさらに下がると、より大きな損失につながる可能性があります。そのため、あらかじめ損失の許容範囲を決めておき、一定の価格に達したら機械的に売る「ルールとしての損切り」が資産を守る手段として重要です。また、FXや信用取引では、証拠金維持のために強制的にロスカットが行われることもあります。損切りは投資のリスク管理の基本のひとつです。