物価連動債と個人向け国債、どちらが安全?
解決済み
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2025/02/01 11:49
男性
50代
私はリスクを抑えた資産運用を考えていますが、物価連動債と個人向け国債(固定3年・5年・10年)では、どちらがより安全でしょうか?インフレやデフレの影響、元本保証の有無、利回りなどを比較して教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
安全性の観点では、個人向け国債の方が安定しています。個人向け国債(固定3年・5年・10年)は元本割れせず、最低金利0.05%の保証があります。一方、物価連動債は市場価格が変動するため、途中売却すると元本割れのリスクがあります。ただし、満期まで保有すれば最低額面(フロア)で償還されるため、大きな損失にはなりにくいです。
インフレ対策の面では、物価連動債の方が有利です。物価上昇時に元本と利払いが増えるため、インフレ下でも資産価値を維持できます。一方、個人向け国債(固定金利型)はインフレ時に実質利回りが目減りするため、インフレに対しては弱いです。
デフレ時には、個人向け国債は額面そのままで保有できますが、物価連動債は元本が減少するリスクがあります。ただし、最低保証額(フロア)があるため、大きく損をすることはありません。
リスクを抑えて確実に資産を守るなら個人向け国債、インフレ対策を重視するなら物価連動債が適しています。
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物価連動国債
物価の変動に応じて元本や利払い額が変動する国債。日本では全国消費者物価指数(コアCPI)に連動しており、インフレ時には元本が増加し、デフレ時には減少するが最低保証額(フロア)が設定されている。
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
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個人向け国債とは、日本政府が個人投資家向けに発行する債券で、安全性が高く元本保証が特徴です。最低1万円から購入可能で、3年・5年の固定金利型と10年の変動金利型があります。変動金利型は半年ごとに金利が見直され、市場金利の上昇に伴い受取利息が増加するメリットがあります。 一方、株式投資ほどの高いリターンは期待できず、インフレ時には実質的な資産価値が目減りする可能性があります。また、購入後1年間は中途換金ができず、その後の換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれる点に注意が必要です。銀行預金より高い金利を求めるが、リスクを避けたい投資初心者や安全資産を確保したい方に適した商品です。
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