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物価連動国債はなぜインフレに強い?仕組み・メリット・デメリットを徹底解説

物価連動国債がインフレに強い仕組み

物価連動国債はなぜインフレに強い?仕組み・メリット・デメリットを徹底解説

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執筆者:

公開:

2024.04.05

更新:

2025.12.30

基礎知識債券インフレ対策資産寿命

物価連動国債とは、物価が上昇すると元本や利息が増える仕組みをもつ国債です。インフレが続くと預金や通常の債券では資産価値が目減りしますが、物価連動国債は物価指数(CPI)に連動して元本や利息が調整されるため、資産の実質価値を維持できます。2015年から個人も購入可能となり、現在は最低10万円から投資が可能です。一方、金利上昇局面では価格下落など注意点もあるため、本記事で仕組みやメリット・デメリットを正しく理解しましょう。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むと、物価連動国債がなぜインフレに強いのか、その仕組みと魅力が明確になります。インフレに応じて元本や利息が増える仕組みのため、現金や一般の国債では守りにくい資産の実質価値を保つことが可能です。例えば、年2%のインフレが10年間続けば資産価値が約21%変動する計算になりますが、物価連動国債はその影響を吸収できます。また、元本割れを防ぐフロア保証の仕組み、購入時に判断材料となるBEIの計算方法、具体的な購入手順まで身につき、自信を持ってインフレ対策ができます。

目次

日銀が発行する利付債の種類

固定利付債

変動利付債

物価連動債

物価連動債の仕組みと利回りの考え方

物価連動債の仕組み

消費者物価指数(CPI)とインフレ率

物価連動債の利回りとコアCPIの関係

物価連動債のメリット

インフレに強く資産が目減りしない

デフレ時にも元本保証するセーフティーネット「フロア」

物価連動債のデメリット

金利変動の耐性がない

既発債の場合元本が欠損する可能性

BEIより低いインフレ率だと不利

購入単位が大きい

通常の固定利付き国債と物価連動債どちらが有利?判断指標「ブレークイーブンインフレ率」

日銀が発行する利付債の種類

物価連動債は利払い方式の特徴を持つ債券の一種ですが、日銀が発行する債券にはその他にも様々な種類の利付債が存在します。ここでは、代表的な利付債の種類を紹介します。

項目固定
利付債
物価
連動債
変動
利付債
利息(クーポン)固定固定(元本が物価に連動)変動(市場金利に連動)
元本一定(額面通り)物価指数に連動して変動一定(額面通り)
インフレの影響実質価値が目減り(インフレに弱い)元本が増加するため実質価値維持クーポンが市場金利に応じて増加する可能性あり
デフレの影響影響なし(額面は一定)元本が減少するため実質価値低下クーポンが市場金利に応じて減少する可能性あり
市場金利の影響価格変動あり(市場金利が上がると価格下落)価格変動あり(実質利回りに影響)クーポンが市場金利に応じて変動

固定利付債

固定利付債は、発行時に決定された一定の利率に基づき、定期的に利息が支払われる債券です。日本では、以下の償還期間の固定利付債が発行されています。半年ごとに決まった額の利息が支払われ、満期時に元本が償還されます。長期債ほど金利リスクは大きくなりますが、利回りも高くなる傾向があります。

変動利付債

変動利付債は、市場金利の変動に応じて利率が変更される債券です。一般的には、一定期間ごとに市場の金利指標に基づいて金利が再設定されます。日本では、15年変動利付国債が発行されており、「半年ごとに利率が見直される」「市場の長期金利に基づいて変動する」という特徴があります。金利が上昇すれば利払いも増えますが、金利が下がると利払いも減るため、固定利付債とは異なるリスクを伴います。

物価連動債

物価連動債は、物価の変動に応じて元本と利払い額が変動する特殊な債券です。物価上昇(インフレ)が進むと元本が増加し、それに応じて利払い額も増えます。物価下落(デフレ)が進むと元本が減少するが、最低元本額(フロア)は保証されます。日本では、主に10年物の物価連動債が発行されています。インフレ時の資産価値保全に適した投資商品ですが、デフレリスクや市場流動性の低さに注意が必要です。

物価連動債の仕組みと利回りの考え方

物価連動債は、物価上昇率(インフレ率)に連動して元本や利払い額が調整される特殊な債券です。ここでは、物価上昇率(インフレ率)をどのように捉えて、元金や利回りが変動していくのか、その仕組みを解説します。

物価連動債の仕組み

物価連動債(インフレ連動債)は、物価上昇率(インフレ率)に応じて、元本が調整される債券です。物価上昇に連動して元本が増加するため、利払い額や償還額も増加します。つまり、インフレが発生しても実質的な価値が低下しない債券と言えます。

日本では、財務省が物価連動国債を発行しており、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数:コアCPI)の動きに応じて、元金額や利払い額が増減します。

消費者物価指数(CPI)とインフレ率

消費者物価指数(CPI)は、物価の変動を測る指標で、家庭が購入する消費財やサービスの価格を総合した物価の変動を時系列的に測定するものです。物価連動債に関係するのは、消費者物価指数(CPI)から生鮮食品を除いた総合指数である「コアCPI」です。

生鮮食品は価格変化が大きいため、それを除くことで、物価の状況を正確に計測できるとされています。物価連動債が、コアCPIの動きに応じて変化するのは、物価の変化を正確に捕捉することで、債券の価値と物価の連動性を高めるためです。

物価連動債の利回りとコアCPIの関係

物価連動債は、元金額が物価(生鮮品を除く全国消費者物価指数=コアCPI)の動きに連動して増減します。具体的には、コアCPIが1年後に2%上昇した場合、元金額も同じ率で増加します。この変動した元金額を「想定元金額」と呼びます。表面利率(年利子率)は償還まで同じですが、想定元金額が増えるため、受け取る利子も多くなります。

物価連動国債は、消費者物価指数(CPI)の変化に応じて元本が増減する国債です。インフレ時には元本が上昇し、それに連動して利息額も増加することから、インフレヘッジに活用されます

物価連動債のメリット

物価連動債は、インフレによる資産価値の減少を防ぐ有力な選択肢として注目されています。これは物価(コアCPI)に直接連動し、インフレが進行すると元金額と利子が増加するためです。さらに、デフレ時にも「フロア」と呼ばれるセーフティーネットが設けられており、元本が保証されています。

以下それぞれについて説明します。

  • インフレに強く資産が目減りしない
  • デフレ時にも元本保証のセーフティネット「フロア」がある

インフレに強く資産が目減りしない

物価連動債はインフレによる資産価値の減少を防ぐことができます。物価(コアCPI)と直接的に連動しているため、インフレが進行しても元金額と利子が増加します。通常、各国の政府・中央銀行は2%程度のインフレ率を狙って政策を調整しています。2%のインフレが5年続くと10%、10年続くと21%の変化になります。固定金利の一般国債だと、10年で元本の価値が21%下落することになり、利回りが悪くなります。しかし、物価連動債だと物価と連動しているため、良い利回りで運用することが出来ます。

デフレ時にも元本保証するセーフティーネット「フロア」

「フロア」とは、物価連動債に組み込まれた元本保証の仕組みです。

物価連動債は、物価上昇時、つまりインフレの時にはプラスのインフレ率に連動して元本価格が上昇します。一方で、物価下落時、つまりデフレの時にはマイナスのインフレ率に連動して元本価格が下がっていきます。

フロアは、デフレにより物価連動債の元本価格が下落した時でも、額面金額が元本割れしないように設定された下限額です。「最低保証額」と言い換えることもできます。

フロアがあることで、物価連動債へ投資した人の、物価下落による元本の減少リスクをある程度緩和することができます。

通常、物価の持続的な下落、つまりデフレにならないように各国は動いていきます。しかし、政策の失敗など特殊なケースにおいてはデフレが発生します。インフレ・デフレによる不利益が極力発生しないように設計されているのが物価連動債です。

物価連動債のデメリット

実質的な元本保証がありインフレに強い物価連動債ですが、インフレ・デフレリスクに焦点を当てた結果発生したデメリットも存在します。

  • 金利変動の耐性がない
  • 既発債の場合元本が欠損する可能性
  • BEIより低いインフレ率だと不利
  • 購入単位が大きい

以下で詳しく説明します。

金利変動の耐性がない

物価連動債はインフレに対する耐性はありますが、金利が上昇した場合、債券価格は下がります。通常時には2%程度のインフレ率を狙って各国の政府・中央銀行は動いています。しかし、戦争や災害などの要因により、急に高いインフレ率になる事も起こりえます。インフレ率の過剰な上昇を食い止めようと政策金利の上昇が起こることも。その際は、インフレ率と金利のバランスによって物価連動債の価格も左右されます。

既発債の場合元本が欠損する可能性

物価連動債は償還時にはフロアによって額面を下回ることはありません。しかし、購入時の単価によっては、元本が欠損する可能性があります。損益分岐点がどこにあるのかを計算し、元本割れを防ぐ必要があります。

BEIより低いインフレ率だと不利

物価連動債はインフレ率が高いほど利回りが高くなります。一方でインフレ率が低いと、利回りも低くなり一般国債より不利なケースが発生してきます。BEIよりインフレ率が低い場合一般債券の方利回りが良いことが多いです。

購入単位が大きい

物価連動国債の購入単位は額面金額ベースで10万円からと設定されています。個人向け国債が1万円から購入可能なため、物価連動債の方が比較的大きな単位で購入する必要があります。

通常の固定利付き国債と物価連動債どちらが有利?判断指標「ブレークイーブンインフレ率」

ブレークイーブンインフレ率(BEI:Break Even Inflation rate)は、物価連動国債と通常の固定利付国債の間で、どちらがより良い投資であるかを判断するための指標です。物価連動国債の利回りと同じ残存期間の固定利付国債の利回りの差によって以下の式で計算されます。

BEI = 固定利付国債利回り(名目金利) − 物価連動国債利回り(実質金利)

ブレークイーブンインフレ率は、物価連動国債の売買参加者が予測する今後のインフレ率を示しています。つまり、市場がどの程度の物価上昇(インフレ)を見込んでいるかを示すデータです。

ブレークイーブンインフレ率がプラスの場合は、市場が今後インフレになると考えており、マイナスの場合は、市場が今後デフレになると考えていることを示します。

各国の中央銀行(日銀・FRBなど)は、ブレークイーブンインフレ率の変動を把握し、予想インフレ率の目標値を定めて金融政策を行うことが多いです。

この記事のまとめ

物価連動国債は、物価の上昇に連動して元本や利息が増えるため、資産の実質価値をインフレから守る有効な手段です。また、物価が下落しても元本保証のフロアが設定されているため、大きな損失リスクは限定的です。一方で、金利上昇時には債券価格が下落したり、低インフレ環境下では通常の固定利付債が有利になったりするため、投資判断時には必ずBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)を確認することが重要です。記事で学んだ仕組みやリスクを踏まえて、適切な割合での組み入れを検討しましょう。

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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関連する専門用語

物価連動国債

物価連動国債は、元本を全国消費者物価指数(コアCPI)に連動させ、実質固定利率を調整後元本に掛けて利息を計算する国債です。たとえば表面利率0.2%の10年債なら、物価が2%上昇して元本が102円に増えれば利息も0.204円に増えます。逆にデフレが進んでも元本は額面100円を下回らないフロアが設けられており、元本毀損は限定的です。ただしCPIは公表にタイムラグがあり、発行から利払いまで概ね3か月遅れて反映されるため、急激なインフレ局面では追随がやや遅れます。 税制上は名目利息に加え、元本調整で増えた分も利子所得として課税されるため、実質利回りより手取り利回りが低くなる傾向があります。また日本の物価連動国債市場は発行量が少なく流動性が限られるため、価格が振れやすい点にも注意が必要です。 投資判断では、同じ年限の名目国債利回りとの差で算出するブレークイーブン・インフレ率を確認し、市場が織り込むインフレ期待と照らして割高・割安を見極めます。インフレヘッジの有力手段である一方、指数ラグや流動性、税務コストも踏まえ、ポートフォリオ全体の資産配分を検討することが大切です。

全国消費者物価指数(コアCPI)

日本の物価動向を示す指標で、消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測る。物価連動債では、生鮮食品を除いた総合指数(コアCPI)に基づいて元本や利払い額が調整される。

ブレークイーブンインフレ率(BEI)

ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は、同じ残存期間の固定利付国債(名目債)の利回りから物価連動国債(実質債)の利回りを差し引いた値で、市場が織り込む平均インフレ率を示す“温度計”です。たとえば10年債で名目2.0%、実質0.8%ならBEIは1.2%となり、「今後10年間で年平均1.2%の物価上昇」が示唆されます。代表年限は5年と10年で、短期・長期の水準差を見るとインフレ期待の強弱が読み取れます。 BEIが上昇するとインフレ懸念が強まり、物価連動債やコモディティ、REITなど実物資産が相対的に有利になる可能性があります。逆に低下、あるいはマイナス圏入りはデフレ懸念を映し、長期固定債やキャッシュ比率を高める判断材料になり得ます。ただし流動性の乏しさやインフレリスクプレミアムの影響で、BEIは純粋な期待インフレ率から数十bp乖離することもあります。米国TIPS、欧州ILB、日本JGBiの水準を横比較し、中央銀行の見通しや原油価格と併せて確認すると、より立体的にインフレ動向を把握できます。

固定利付国債

固定利付国債とは、国が発行する債券の一種で、利率(利子の割合)があらかじめ決まっており、満期まで一定の利息が定期的に支払われるタイプの国債のことです。たとえば、年2%の固定利付国債であれば、購入後の市場金利が上がっても下がっても、毎年同じ額の利息が支払われます。そのため、将来にわたって安定した収益を見込めるという特徴があります。 主に中長期の資産形成やリスクを抑えた運用を希望する投資家に向いています。ただし、市場金利が上昇すると、相対的に魅力が下がるため、途中で売却する場合は価格が下がることもあります。利率が固定されている点に安心感がある一方で、金利変動による影響を受ける可能性もあるため、購入時には市場動向にも注意が必要です。

変動利付国債

市場金利の変動に応じて利率(クーポン)が変動する国債。一定期間ごとに利率が再設定され、金利上昇時には利払い額が増加するが、金利が低下すると利払い額も減少する。

市場金利

債券市場や銀行間取引で決定される金利のこと。市場金利が上昇すると、既発債の価格は下落し、逆に市場金利が低下すると債券価格は上昇する。物価連動債の価格にも影響を与える要因となる。

名目金利

名目金利とは、金融市場で表示される利率のことで、インフレ率を考慮しない金利を指します。例えば、銀行の預金金利やローンの利率、国債のクーポン利回りなどが該当します。名目金利は、一般的に市場の需給や中央銀行の金融政策によって決まり、経済活動に大きな影響を与えます。 一方、実質金利は、名目金利からインフレ率を差し引いたもので、資産の購買力の変化を示します。例えば、名目金利が5%でインフレ率が3%の場合、実質金利は2%となります。インフレが高いと、名目金利が高くても実質的な利回りは低くなるため、投資や貯蓄の意思決定に影響を与えます。 したがって、名目金利だけでなく、実質金利やインフレ率も考慮することが、金融市場や経済の動向を正しく理解する上で重要です。

実質金利

実質金利とは、名目金利からインフレ率を差し引いた後の金利を指します。この金利は、資金の貸借や投資の実際の収益性を測るための重要な指標であり、インフレの影響を考慮に入れた金利の実態を示します。名目金利が投資やローンの表面的な利率であるのに対し、実質金利はその金利から物価上昇の影響を除いた純粋な利益の率を表しています。 実質金利が正の場合、投資のリターンはインフレ率を上回っていることを意味し、投資家の購買力は増加します。逆に、実質金利が負の場合には、投資のリターンがインフレ率に追いついていないため、時間の経過と共に購買力が減少します。これは、実際の利益が期待ほど高くないことを示しており、投資や貯蓄の実質的な価値が減少している状態です。 投資家は実質金利を用いて、異なる金融商品や投資案件の収益性を比較し、インフレの影響を考慮したうえで最も効果的な投資選択を行うことができます。また、中央銀行は実質金利を金融政策の設定において重要な指標として利用し、経済成長や物価安定の目標を支えるための政策利率を調整する際の参考にします。 実質金利の動向は経済全体の健全性を示すバロメーターともなり、経済の過熱や不況のサインを察知する手がかりとなるため、経済分析において非常に重要な役割を果たします。

償還

償還とは、金融商品に投資した元本が、発行体や運用会社から投資家に返還されることを指します。利息や分配金といった収益の分配とは異なり、投じた資金そのものが返ってくる行為です。多くはあらかじめ定められた満期日に行われますが、条件によっては予定より早く行われる場合もあります。 債券では、満期時に額面金額で元本が返却されるのが一般的です。保有中は利息を受け取り、満期に元本が戻る仕組みとなっています。ただし、途中で売却した場合は市場価格での取引になり、償還は受けられません。コーラブル債のように発行体に早期償還の権利がある場合は、投資家の予想より早く元本が返却されることもあります。 投資信託の場合、信託期間が満了したときに残存資産が投資家に償還されます。また、運用資産が小さくなったり、継続が難しいと判断された場合には、満期前に「繰上償還」が行われることがあります。その際、保有口数に応じて償還金が口座に入金されます。 外貨建ての金融商品では、償還時の受取額は為替の水準に左右されます。契約条件によっては償還価格が額面と異なる場合もあり、仕組債や証券化商品のように複雑な償還条項が組み込まれているケースもあります。 税制上の扱いも重要です。債券の償還差益(額面より安く買って満期に額面で返ってくる利益)は、株式などと同様に譲渡所得として課税対象になります。投資信託の償還金も分配金とは異なり、売却と同じく譲渡損益の扱いとなります。 投資家にとっての注意点は、早期償還による再投資リスクや、発行体の信用不安による償還不能リスクです。特に利回りの高い環境で購入した商品が、金利低下局面で早期償還されると、期待した利回りを得られないまま再投資を強いられることになります。 初心者の方は、商品を選ぶ際に「いつ」「いくら」償還されるのか、繰上償還や早期償還の可能性があるのかを必ず確認しておくことが大切です。償還は投資商品の出口であり、資産運用の成果を決める重要な要素です。理解しておくことで、利息や配当とあわせた総合的なリターンのイメージを正しく持つことができます。

流動性

流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。

利回り

利回りとは、投資で得られた収益を投下元本に対する割合で示し、異なる商品や期間を比較するときの共通尺度になります。 計算式は「(期末評価額+分配金等-期首元本)÷期首元本」で、原則として年率に換算して示します。この“年率”をどの期間で切り取るかによって、利回りは年間リターンとトータルリターンの二つに大別されます。 年間リターンは「ある1年間だけの利回り」を示す瞬間値で、直近の運用成績や市場の勢いを把握するのに適しています。トータルリターンは「保有開始から売却・償還までの累積リターン」を示し、長期投資の成果を測る指標です。保有期間が異なる商品どうしを比べるときは、トータルリターンを年平均成長率(CAGR)に換算して年率をそろすことで、複利効果を含めた公平な比較ができます。 債券なら市場価格を反映した現在利回りや償還までの総収益を年率化した最終利回り(YTM)、株式なら株価に対する年間配当の割合である配当利回り、不動産投資なら純賃料収入を物件価格で割ったネット利回りと、対象資産ごとに計算対象は変わります。 また、名目利回りだけでは購買力の変化や税・手数料の影響を見落としやすいため、インフレ調整後や税控除後のネット利回りも確認することが重要です。複利運用では得た収益を再投資することでリターンが雪だるま式に増えますから、年間リターンとトータルリターンを意識しながら、複利効果・インフレ・コストを総合的に考慮すると、より適切なリスクとリターンのバランスを見極められます。

クーポン

クーポンとは、債券を保有している投資家が発行体(国や企業)から定期的に受け取る利息のことです。クーポンの金額は、債券発行時に設定された利率(クーポン利率)に基づき計算されます。通常、半年ごとまたは1年ごとに支払われることが多いです。クーポン収入は安定したキャッシュフローをもたらし、特に長期保有する債券投資家にとって重要な収益源となります。

インフレリスク

インフレリスクとは、物価の上昇が投資の実質的な価値や収益を減少させるリスクを指します。インフレが進行すると、通貨の購買力が低下し、同じ金額で以前よりも少ない商品やサービスしか購入できなくなります。このリスクは特に固定収益をもたらす投資、例えば債券や定期預金に顕著に現れます。債券のクーポン支払いや元本返済の実質的価値が、インフレによって目減りするためです。 投資家はインフレリスクを考慮に入れてポートフォリオを構築する必要があります。たとえば、インフレに対抗するために不動産や株式などのリアルアセットに投資する方法があります。これらの資産は、インフレの環境下で価値が上昇する傾向にあるため、インフレリスクから保護する効果が期待できます。また、インフレに連動する形で利息が上昇するインフレ連動債(TIPSなど)に投資することも、インフレリスクを管理する一つの手段です。 インフレリスクは、特に長期投資の計画において重要であり、経済全体の物価水準の変動を考慮に入れながら、資産を適切に配置し、リバランスを行うことが必要です。 さらに、異なる国や地域でのインフレ率の違いにも注意を払い、グローバルな視点からポートフォリオを見直すことも有効です。このように、インフレリスクを適切に理解し、対策を講じることで、投資の目標達成に向けた戦略的な判断が可能となります。

デフレリスク

デフレリスクとは、物価が持続的に下落し、経済活動が停滞することによって企業の業績悪化や消費の低迷を招くリスクを指します。デフレ局面では、中央銀行が景気対策として金融緩和策を講じ、金利が低下する傾向にあります。これにより、既に発行されている債券の固定利回りが市場金利よりも魅力的になり、信用度の高い国債などは価格が上昇する可能性があります。しかし、企業の業績悪化が進むと、信用リスクの高い企業債は倒産リスクや利払い遅延の懸念から価格が下落する恐れもあります。 また、株式市場にもデフレの影響は大きく現れます。物価下落や消費の冷え込みにより、企業の売上や利益が圧迫されると、株価が下落するリスクが高まります。特に、業績成長に期待される株式は、業績悪化のニュースによって投資家がリスク回避に動く傾向があり、株価が大きく変動する可能性があります。一方で、生活必需品や医療、公益事業など、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄は、比較的安定した業績を維持できるため、デフレ局面でも一定の支持を得る場合があります。 投資初心者の方は、デフレリスクが債券と株式にどのような影響を及ぼすかを十分に理解し、それぞれの資産の特性を考慮した分散投資やリスクヘッジの手法を検討することが、長期的な資産運用の安定化につながります。

既発債

既発債とは、すでに発行され市場に流通している債券のことを指します。新規に発行される新発債と区別され、既発債は発行時に決定された金利、償還期間、利払い条件などの契約内容が固定されているため、その後の市場環境の変化に応じて価格が変動する特徴があります。 投資家は、既発債を市場で売買する際に、発行時の条件と現行の金利状況などを考慮してリスクとリターンを判断する必要があります。また、既発債の市場動向は、金融全体の金利環境や信用リスクの変動を反映するため、経済の健全性や市場動向の分析においても重要な指標となっています。

新発債

新発債とは、最新の市場環境や経済状況、政府や発行体の政策に基づいて新たに発行される債券を指します。 発行時には、その時点での金利や償還期間、利払い条件などが設定されるため、現行の市場動向や信用リスクを反映した内容となります。 投資家は、新発債の発行条件をもとに投資判断を行い、発行後は市場で売買されることによって既発債と同様に取引される可能性もあります。新発債の情報は、発行直後の市場反応や将来の金利動向に影響を受けるため、慎重なリスク評価が重要とされています。

ゼロ金利政策

ゼロ金利政策とは、中央銀行が景気低迷やデフレを食い止めるために、短期の政策金利を実質ゼロ%前後まで引き下げたうえで据え置く金融緩和策です。金利が限りなく低くなると、企業や家計は資金調達コストを気にせず融資や社債発行を行いやすくなり、その資金が設備投資や消費に回ることで経済活動を押し上げる効果が期待されます。日本では1999年に初めて導入され、その後の長期デフレ局面でマイナス金利や長期金利の操作(イールドカーブ・コントロール)へと発展しました。 一方、金利を極端に下げ続けると銀行の利ざやは縮小し、金融機関の収益力が低下します。また、利回りを求めるマネーが株式や不動産に流入しやすくなるため、資産価格が経済実態以上に上昇するバブルの温床にもなりかねません。さらに、内外金利差が拡大すれば自国通貨が下落し、輸入物価を通じてインフレ圧力が高まるリスクもあります。 資産運用の観点では、ゼロ金利環境下では国債など安全資産の利息収入がほぼ期待できない一方、債券価格は金利上昇に弱くなります。そのため、インフレ期待の動きや中央銀行の出口戦略を見極めつつ、株式への比重を上げたり、物価連動債や外貨建て資産、オルタナティブ資産で実質リターンを確保する戦略が重視されます。ゼロ金利政策が採られている背景と、そこからの転換点を読み解くことが、ポートフォリオを守り育てるうえで欠かせない判断材料となります。

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