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海外売上が多い企業は円安で必ず利益が伸びますか?

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2025/06/02 13:44


男性

60代

question

「海外売上が多い会社は円安に強い」とよく聞きますが、本当にそうですか?原材料や人件費も外国通貨で払っていれば、あまり得しない気がします。初心者でも円安の影響を見分けるには、どんな資料や数字を見ればいいのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

円安になると「海外売上が多い企業は有利」と言われますが、実際には企業ごとに影響の大きさが違います。その理由は、売上やコストに使われている通貨の組み合わせにあります。

たとえば、輸出によってドルなどの外貨で売上を得ている一方、原材料の仕入れや人件費を主に円で支払っている企業では、円安が進むと収入は増え、支出は増えにくくなるため、利益が大きく伸びます。

一方で、売上も仕入れも海外で完結しており、売上もコストも同じ外貨建てで動いている企業では、円安になっても利益はあまり変わりません。円建てへの換算額こそ増えますが、実質的な収益力が高まったとは言えないからです。

こうした違いを見分けるには、企業が出している決算資料やIR情報をチェックするのが有効です。具体的には、どの地域でどれだけ売上を上げているか、コストの内訳がどうなっているかを確認すると、売上とコストの通貨がずれているかどうかが分かります。

さらに、「為替感応度」という情報が参考になります。これは「為替が1円動くと営業利益がどれくらい変化するか」を示したもので、多くの企業が決算資料の中で公表しています。

もう一つ重要なのが為替ヘッジの有無です。為替リスクを抑えるために、先に売上分の為替を固定しておく企業もあります。このような企業は、円安になっても利益が大きく動かない傾向があります。

つまり、「円安=好影響」と単純には考えず、売上とコストの通貨のずれや、為替リスクへの対応状況を見ていくことで、企業ごとの円安への強さを見極めることができます。

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為替予約(フォワード契約)とは、将来の特定の日に、あらかじめ取り決めた為替レートで外貨を売買することを約束する契約のことをいいます。主に企業が海外との取引に伴う為替変動リスクを避けるために利用する手段で、たとえば半年後に100万ドルの支払いがある場合、今のレートでその取引を予約しておくことで、将来の円安・円高にかかわらず、支払い額を固定することができます。このように、為替予約は外貨建て取引の金額をあらかじめ確定させることで、収支やコストの見通しを安定させる効果があります。一方で、為替の変動によって有利になる可能性も同時に放棄するため、リスク回避を重視する際に選ばれる手法です。資産運用や国際ビジネスにおける重要なリスク管理の一環として広く利用されています。

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スワップ

スワップとは、金融の世界で「交換」を意味する用語で、異なる通貨や金利の支払いなどを相互に交換する契約のことを指します。 資産運用の分野では、特に外国為替証拠金取引(FX)で頻繁に使われる用語であり、この場合、異なる通貨間の金利差に基づいて発生する受け取りまたは支払いの金額を「スワップポイント」と呼びます。 たとえば、金利の高い通貨(例:メキシコペソ)を買って、金利の低い通貨(例:日本円)を売ると、その金利差に応じてスワップポイントを受け取れることがあります。一方、逆の取引ではスワップポイントを支払うことになります。ポジションを保有している間、毎日自動的に発生するため、収益やコストに継続的な影響を与えます。 また、投資信託やETFなどの中には、「スワップ型」と呼ばれる商品も存在します。これは、実際の資産を保有する代わりに、指数や資産価格に連動する収益を得るためにスワップ契約を利用する構造を採用しているものです。 スワップは一見すると目立たない要素ですが、長期運用では利益や損失に影響を及ぼすことがあるため、仕組みやリスクを理解しておくことが重要です。

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ヘッジとは、価格変動や為替変動などのリスク(不確実性)から資産を守るために、あらかじめ対策を講じることを意味します。資産運用の分野では、将来起こりうる損失を緩和または回避するために、別の取引や金融商品を利用してリスクを相殺する行為を指します。 たとえば、外貨建て資産を保有している場合、円高が進むとその価値が目減りするリスクがあります。このとき、為替予約や為替先物といったヘッジ手段を使えば、円高による損失を一定程度防ぐことができます。また、株式市場の下落に備えて、先物取引やプットオプションを利用することも、価格下落に対するヘッジになります。 ヘッジは、利益を狙うための手段というよりも、損失を限定し、安定した運用成果を得るためのリスク管理策として使われます。完全にリスクをゼロにすることはできませんが、価格変動による影響を抑えたい場合には非常に有効です。ただし、ヘッジにはコストがかかることも多く、その効果と費用のバランスをよく見極めて判断することが重要です。

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