複数のコモディティの中から選定する際の基準
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2025/04/10 11:37
男性
40代
金、原油、農産物、工業用金属といった多様なコモディティの中から、どのような基準で投資対象を絞り込むべきか。資産全体の中での役割分担も踏まえて判断材料を伺いたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
コモディティを選定する際には、それぞれの商品が担う経済的・金融的な役割と、ポートフォリオ全体における機能を明確に整理することが重要です。たとえば、金はインフレや地政学的リスクに対する価値保存資産として機能し、リスクヘッジにも有効です。原油や銅などの工業用金属は、景気動向と連動しやすく、景気拡大局面でリターンを狙える資産として位置づけられます。農産物は、需給の季節性や天候要因に左右されやすいものの、他の資産とは異なる非相関性を持つことが多く、ポートフォリオに独自の分散効果をもたらします。
コモディティ選定の際には、いくつかの観点が有効です。まず、資産全体のバランスを考慮し、株式や債券と相関の低いコモディティをどのように組み込むかが鍵となります。次に、投資期間と目的を明確にし、短期的な価格変動を狙うのか、中長期的にリスクヘッジを意識するのかを判断することが重要です。さらに、インフレや金利、景気循環、地政学的緊張といった市場環境やマクロ要因の変化をどう見込むのかも、選定基準の一つとなります。加えて、コモディティは価格変動が大きいため、自身のリスク許容度を踏まえた調整も不可欠です。
特定のコモディティに絞って投資することが難しい場合には、コモディティ指数に連動するETFや、複数の商品を内包するファンドを活用することで、分散効果を高めながら投資を始めることが可能です。資産運用の目的や現在のポートフォリオ構成によって、最適なコモディティの選定は異なります。そのため、自身に最も適した組み合わせを見つけるためには、専門家に相談することも有効な手段の一つです。資産運用全体の設計を踏まえて、ぜひ一度専門家にご相談されることをおすすめします。
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コモディティ
コモディティとは、世界中で取引される原材料や商品を指します。代表的なものとして、金・銀などの貴金属、原油・天然ガスなどのエネルギー資源、小麦・トウモロコシなどの農産物があります。投資対象としてのコモディティは、インフレ時のリスクヘッジや分散投資の手段として利用されることが多いです。市場の需給バランスや国際情勢によって価格が大きく変動するため、リスク管理が重要になります。
リスクヘッジ
リスクヘッジとは、リスクを予測して、リスクに対応できるよう備えること。 投資信託は株式等の価格変動のある商品のため、元本割れや損失になることがあるが、そのリスクを未然に予測し、回避するよう備えること。
コモディティ指数連動型ETF
コモディティ指数連動型ETFとは、原油や金(ゴールド)、農産物などの「コモディティ(商品)」の価格動向を示す指数に連動して値動きする上場投資信託(ETF)のことです。このETFに投資することで、個人投資家でも直接コモディティを買わずに、それらの価格に連動した投資ができます。たとえば、金や原油の価格が上がれば、それに連動するETFの価格も上昇する仕組みです。コモディティは株式や債券と異なる値動きをすることが多いため、資産全体のリスク分散に役立ちます。投資初心者にとっても、商品市場に手軽にアクセスできる手段として注目されていますが、値動きが大きくなることもあるため、投資対象の仕組みをよく理解することが大切です。
ファンド
ファンドとは、多くの投資家から集めたお金をひとつにまとめて、専門の運用会社が株式や債券、不動産などに投資・運用する金融商品のことです。 投資家は自分で個別の銘柄を選ばなくても、ファンドを通じて分散された投資ができるため、リスクを抑えながら運用が可能になります。ファンドには、投資信託、ETF(上場投資信託)、ヘッジファンドなどさまざまな種類があり、それぞれ運用方針や対象資産が異なります。初心者にとっては、少額から始められ、プロによる運用が受けられる点が大きなメリットです。ただし、運用成績によって元本割れのリスクもあるため、目的やリスク許容度に応じて選ぶことが大切です。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。