都民共済など、都道府県民共済とは何ですか?
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2025/07/11 09:09
男性
30代
最近「都民共済」や「県民共済」を見かけることが増えました。よくある生命保険や損害保険とは違うのでしょうか?どういう仕組みの保険なのか教えていただけますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
都民共済など、都道府県民共済とは、全国生活協同組合連合会(全国生協連)が運営する非営利の共済制度で、民間の保険会社とは異なる仕組みを持っています。
特徴として、加入者が互いに掛金を出し合い、病気やケガ、災害などの万一の際に共済金を受け取る「相互扶助」の考え方に基づいて運営されています。
最大のメリットは、営利を目的としていないため、掛金が一般の保険よりも安く設定されていることです。さらに決算時に剰余金が発生した場合、「割戻金」として翌年の掛金から差し引かれることで、実質的な負担がさらに軽減されます。ただし、保障内容や金額は控えめで、例えば入院給付金は日額5,000円程度といった比較的少額な保障内容が主流です。
また、民間の保険会社が保険業法に基づいて運営されているのに対し、都民共済・県民共済は消費生活協同組合法に基づいて運営されており、保険契約者保護機構による保護対象外であるため、大災害時には給付が制限される可能性があります。加入は居住地または勤務地のある地域の共済に限られ、各地域ごとに掛金や保障内容に多少の差があります。
資産形成やライフプランの観点では、基本的な保障を低コストで得るための制度として活用し、民間保険や資産運用と組み合わせて使う方法が一般的です。
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共済組合
共済組合とは、同じ職業や地域、団体に所属する人たちが組合員となり、毎月の掛金を出し合って病気・けが・死亡・退職などのリスクに備える相互扶助の仕組みです。組合は営利を目的とせず、集めた掛金から給付や保険金を支払い、余剰が出れば割戻金として組合員に還元します。 公務員や教職員、自治体職員などを対象にした組合が多く、団体ならではの大口契約効果で掛金が抑えられる点が特徴です。また、組合員向けの融資や福利厚生サービスを行うこともあり、保障に加えて生活支援機能を備える場合があります。
割戻金
割戻金とは、共済や協同組合型の保険で決算後に剰余が生じた場合、その余剰を組合員や契約者に払い戻すお金のことです。営利企業の配当と異なり、非営利組織が掲げる「構成員への利益還元」という理念に基づいており、掛金が安いままでも実際の保障コストがさらに低く済めば、その差額が割戻金として戻ってきます。 これにより加入者は、当初の掛金だけでなく実質的な負担額も小さく抑えられ、家計の防衛力を高めながら保障を維持できます。また、割戻金の有無や金額は毎年の事業成績に左右されるため、共済を選ぶ際には過去数年の割戻実績を確認することが、長期的なコストパフォーマンスを判断するうえで大切です。
相互扶助
相互扶助とは、個人同士や集団が互いに助け合い、困ったときに支え合うという考え方を指します。資産運用の文脈では、保険や共済制度など、参加者が資金を出し合い、誰かに不測の事態が起きたときにその資金を使って支援する仕組みに見られます。これは、利益を得るための投資というより、リスクに備える方法の一つとして位置づけられます。相互扶助の精神は、個人だけでなく、地域社会や組織、国家レベルでも活用されることがあり、共通の目的に向かって協力し合う土台となっています。
消費生活協同組合法
消費生活協同組合法とは、消費者が自らの生活を守り、よりよい暮らしを実現するために組織する「消費生活協同組合(生協)」の設立・運営について定めた法律です。この法律によって、生協が商品の共同購入やサービスの提供、共済(保障)活動などを通じて、組合員の利益を守る仕組みが制度的に支えられています。営利を目的とせず、組合員が出資し、運営にも参加するという「協同」の考え方を基本にしているのが特徴です。生協が提供する共済はこの法律に基づいており、公的な認可のもとで運営されるため、安心して利用できる社会的インフラの一つとなっています。
保険契約者保護機構
保険契約者保護機構とは、万が一、保険会社が経営破綻した場合に、契約者の保険契約を保護するために設立された公的な法人です。生命保険会社や損害保険会社がこの機構に加入しており、破綻時には一定の補償や契約の引き継ぎを行う仕組みが整えられています。 たとえば、生命保険の契約があっても、保険会社が破綻すると通常は支払いが困難になりますが、この機構が関与することで契約内容の一部が維持され、最低限の保障が確保されます。資産運用の観点からは、長期契約となる保険商品に安心して加入できるようにするためのセーフティネットとして、保険契約者保護機構の存在は非常に重要です。加入している保険会社がこの制度に加入しているかを確認することは、安全性の判断材料にもなります。