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持株会社の株の値動きに影響を与える要因にはどのようなものがありますか?

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2025/06/27 10:13


男性

40代

question

持株会社の株を買おうと思いますが、値動きが普通の会社と違うと聞きました。どのような点が普通の会社と違うのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ホールディングス株は、保有資産の時価総額を示す「純資産価値(NAV)」と、その評価倍率である「NAV倍率」によって株価が形成されます。NAVは、上場・非上場を含む子会社株式の時価評価額を合算し、そこから有利子負債などの純負債を差し引いて算出されます。

まず、主要子会社の利益成長やIPOはNAVそのものを押し上げ、株価のベースアップ要因となります。さらに、赤字部門の売却、有望企業の買収、子会社のスピンオフなど、事業ポートフォリオの再構築によって資本効率が改善されると、将来収益の上振れ期待からNAV倍率が上昇しやすくなります。

また、自社株買いや増配などの株主還元策、ならびにガバナンス改革は、いわゆる「持株会社ディスカウント」を縮小する効果が見込めます。ただし、自己資本を過度に取り崩すと財務健全性を損なうため、バランスの取れた還元設計が求められます。

加えて、金利や為替などのマクロ環境、さらには経営陣による資本配分の巧拙もNAV倍率に影響します。特に金利上昇局面では、資金調達コストの上昇や割引率の変化により評価が変動しやすくなるため、負債比率やキャッシュフローの耐性をあらためて点検すべきです。

投資判断に際しては、以上の4要素(①NAVの成長、②事業再編、③株主還元・ガバナンス、④マクロ環境と資本配分能力)について、それぞれの進捗や実行力をIR資料や決算説明会で確認し、定量・定性の両面から評価を行うことが重要です。

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純資産総額(Net Asset Value, NAV)

純資産総額とは、投資信託(ファンド)が保有しているすべての資産から、負債を差し引いた実質的な価値の合計を指します。これは、そのファンド全体の規模や健全性、人気度を測る指標としてよく使われます。一般的に、投資家がファンドに多くのお金を預ければ預けるほど、この純資産総額は大きくなります。また、運用成績が良くて利益が出ているファンドほど、純資産総額が増加する傾向にあります。資産運用の観点では、ファンド選びの際にこの数字を確認することで、流動性の高さや安定した運用体制があるかどうかの目安になります。ただし、金額が大きいからといって必ずしも運用成績が良いとは限らないため、他の指標と合わせて判断することが大切です。

NAV倍率

NAV倍率とは、「Net Asset Value(純資産価値)」に対する株価の倍率を示す指標で、投資対象の企業やファンドが保有する資産価値と比較して、現在の株価が割高か割安かを判断するために使われます。具体的には、株価を1株あたりの純資産価値で割って算出されます。 たとえば、NAV倍率が1倍であれば、株価は純資産と同等の評価、1倍を下回れば割安、1倍を超えれば割高と見なされることが一般的です。主に不動産投資法人(REIT)や投資ファンドの分析において用いられますが、企業評価の一指標としても活用されます。NAV倍率は、市場がその企業の資産にどのような期待や不安を持っているかを読み取る手がかりにもなります。

IPO(Initial Public Offering/新規公開株式)

IPO(Initial Public Offering/新規公開株式)とは、未上場企業が証券取引所に株式を上場し、一般の投資家に向けて売り出すことを指します。これにより、それまでオーナーやベンチャーキャピタル(VC)など限られた株主のみが保有していた株式が、市場を通じて誰でも売買できるようになります。 企業にとってIPOは、成長資金を調達するだけでなく、知名度や信用力を向上させる手段の一つです。また、創業者やVCが投資を回収(エグジット)する機会にもなり、優秀な人材を確保するためのストックオプション制度の活用が可能になるといったメリットもあります。一方で、上場後は業績や経営方針が市場の厳しい評価を受けるため、ガバナンスの強化や継続的な成長が求められます。 IPOのプロセスは、主幹事証券の選定、証券取引所の審査、目論見書の作成、投資家向けのロードショー、仮条件の設定、公募・売出価格の決定などを経て進められます。公募価格は需要と供給をもとに決定され、上場初日に初値が形成されます。 投資家にとってIPOは、成長企業への投資機会となる一方、初値が公募価格を大きく上回ることもあれば、期待ほど上昇しない場合もあるため、市場の動向をよく見極める必要があります。また、ロックアップ期間(上場後一定期間、大株主が株を売れない規制)が解除された後に売却が増えることで、株価が下落するリスクもあるため注意が必要です。

ポートフォリオ

ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。

自社株買い

自社株買いとは、企業が市場に出回っている自社の株式を自ら買い戻すことを指します。この行為は、企業が余剰資金を使って株主への利益還元を図る方法のひとつであり、株価の下支えや上昇を促す目的でも行われます。自社株を買い戻すことで市場に出回る株式の数が減少し、1株あたりの利益(EPS)が相対的に高まるため、投資家にとっては企業の価値向上のサインと受け取られることもあります。 また、買い戻した株式は「自己株式」として保有するか、将来的に消却(完全に廃止)されることが多く、それによって株式の希少性が高まるという効果もあります。自社株買いは、配当と並ぶ株主還元策として注目される一方で、その実施の背景やタイミングには注意が必要です。

コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスとは、企業が経営を適切に行い、株主をはじめとする利害関係者(ステークホルダー)に対して責任ある経営を果たすための仕組みのことを指します。直訳すると「企業統治」で、企業の経営陣が独断的な行動を取らず、透明性のある判断を行うように監視・制御する体制全般を意味します。 たとえば、社外取締役の設置、内部統制の整備、情報開示の充実、株主の意見を反映させる仕組みなどがコーポレートガバナンスの具体的な取り組みにあたります。これにより、不正や粉飾決算の予防、長期的な企業価値の向上、投資家からの信頼獲得が期待されます。 資産運用の観点からは、コーポレートガバナンスがしっかりしている企業は、経営の安定性や成長性が高く、長期的に投資対象として魅力があると判断されやすいため、重要な評価項目の一つとなっています。特にESG投資や株主アクティビズムの広がりの中で、その重要性は年々高まっています。

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