四季報を使ってグロース株を見つけるために、まず特色や連結事業を読むのはなぜですか?
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2024/09/10 16:57
男性
40代
グロース株への投資をするなら、まずは四季報の「特色」や「連結事業」を整理するのがいいと聞きました。そこで、四季報を読んで見ようと思うのですが、特色や連結事業がかなり簡潔に書いていて重要度がわかりませんでした。なぜ、グロース株の発掘に「特色」や「連結事業」が関係するのでしょうか?ご教示いただけると幸いです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
グロース株を効率良く見極めるには、四季報の「特色」と「連結事業」を起点に企業の成長ストーリーを描くことが最も効果的です。まず「特色」欄には、事業ドメイン・技術優位性・市場シェア・ビジネスモデルの核心が数行に凝縮されています。ここで「国内トップシェア」「独自プラットフォーム」「特許技術が競合の参入障壁」といった記述を確認すれば、企業がどのような“堀(モート)”を築いているかを即座に把握できます。モートの深さは、成長途上での利益率維持やサステナブルな競争優位の鍵を握るため、グロース株候補選定の出発点となります。
次に「連結事業」欄は、売上構成比と利益率を用いて事業ポートフォリオを定量的に示します。高成長市場に属する事業の比率が大きい、または前年同期比で伸長している場合は、企業全体のトップラインを押し上げるエンジンが健在である証左です。さらに末尾に記載される「海外○%」は海外売上比率を示し、グローバル展開余地や為替感応度、分散効果を読み解く指標になります。国内市場の成熟リスクを回避しつつ成長余地を確保している企業は、より強靭なグロースストーリーを描きやすいと言えます。
このように「特色」で質的優位を、「連結事業」で量的成長力をスクリーニングすれば、「何を強みに、どの市場で、どれだけ成長できるのか」を短時間で描けます。そのうえで「業績」欄の売上・利益推移やキャッシュフローの安定性を照合し、材料記事やIR資料で市場規模・競合動向・経営者の戦略実行力を検証することで、グロース株としての確度が格段に高まります。
要するに、「特色」と「連結事業」は膨大な銘柄群から高成長候補をふるいにかける最初のフィルターです。ここで魅力を感じた企業だけを深掘りすることで、時間対効果の高いグロース株発掘が実現します。
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