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iDeCoと個人年金保険にかかる税金にどのような違いがありますか?

iDeCoと個人年金保険にかかる税金にどのような違いがありますか?

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2024/12/18 23:17


男性

60代

question

iDeCoと個人年金保険で税金は変わってきますか?このような私的年金は、積立時も受け取り時も税金が違うと聞きました。それぞれどのような違いがあるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

iDeCoと個人年金保険は、(1)積立時の所得控除枠、(2)運用中の非課税メリット、(3)受取時の課税方式―の三段階で税制が大きく異なります。

積立時

iDeCoの掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」として課税所得から差し引けます。たとえば年24万円を拠出すれば、その24万円がそのまま所得控除です。一方、個人年金保険は生命保険料控除の一部(個人年金保険料控除)に該当し、所得税4万円・住民税2.8万円が年間控除の上限となります。高額拠出を考えるほど控除差は拡大します。

運用中

どちらも運用益に課税されず、複利効果をそのまま享受できる点は共通です。

受取時―年金方式

iDeCoは公的年金等控除の対象となる「雑所得」として扱われます。個人年金保険も雑所得ですが、控除対象は受取額のうち払込保険料相当額を除いた部分のみで、公的年金等控除は使えません。結果として、同額を受け取ってもiDeCoのほうが課税ベースは小さくなりやすい構造です。

受取時―一時金方式

iDeCoの一時金は「退職所得」となり、〔40万円×加入年数(20年超は70万円)〕を控除し、残額の½を課税所得とします。長期加入なら非課税枠が厚く、課税負担が大幅に圧縮されることもあります。個人年金保険の一時金は「一時所得」として、〔受取額−払込保険料総額−特別控除50万円〕の½が課税所得になります。

高い税率がかかる現役期に大きく拠出でき、受取を退職後にずらして退職所得控除を活かせるiDeCoは、節税効果が最も大きい仕組みです。ただし60歳まで原則引き出せない資金拘束や運用リスク(元本割れの可能性)は考慮が必要です。個人年金保険は控除枠こそ小さいものの、途中解約や死亡保障など保険ならではの柔軟性があります。税制メリットと流動性・保障内容を天秤に掛け、ライフプラン全体で選択しましょう。不明点があれば専門家に相談するのが確実です。

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iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

個人年金保険

個人年金保険とは、公的年金だけでは不足しがちな老後資金を、自助努力で補うために設計された私的年金商品です。契約者が決められた期間にわたり保険料を払い込み、あらかじめ設定した開始年齢(60歳・65歳など)に達すると年金形式で受け取りが始まります。受取方法には、決められた年数だけ確実に受け取る「確定年金型」と、生存している限り終身で受け取れる「終身年金型」があり、どちらを選ぶかによって総受取額や万一の際の遺族保障の形が異なります。変額型や外貨建て型など、インフレ対応や為替分散を意識したバリエーションも登場しています。 大きな魅力の一つは税制優遇です。一定の要件(受取人が契約者本人または配偶者、払込期間が10年以上など)を満たす契約であれば、払込保険料は「個人年金保険料控除」として所得控除の対象になります。たとえば年間保険料が8万円の場合、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8千円が控除され、課税所得を圧縮できるため実質負担を抑えながら老後資金を積み立てられる点がメリットです。 一方で注意すべき点もあります。途中解約時には元本割れが生じやすく、解約返戻金が払込総額を下回るケースが多いこと、固定利率型の商品ではインフレに追いつけない可能性があること、そして保険会社が破綻した場合でも保険契約者保護機構による補償は責任準備金の90%が上限となることです。また、税優遇制度としては個人型確定拠出年金(iDeCo)や新NISAも利用できるため、流動性・運用商品の自由度・掛金上限などを比較し、自分に合った組み合わせを検討する必要があります。 これらの特徴を踏まえると、個人年金保険は「計画的に積立を続け、税制メリットを生かしながら老後の生活費を補完したい」人に適した選択肢といえます。生活防衛資金や他の運用枠を確保したうえで長期的な資産形成の一環として活用すれば、老後のキャッシュフローに安定感をもたらす手段となるでしょう。

小規模企業共済

小規模企業共済とは、中小企業の経営者や役員、個人事業主の方のための退職金制度です。「小規模企業」という文言が含まれているとおり、一定の要件を満たす中小企業や個人事業主が対象です。 小規模企業共済制度は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が運営している「小規模企業共済法」という法令に基づいた共済制度です。 掛金は全額所得控除され、加入者は事業資金の借入れも可能です。 加入資格は、従業員が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主や会社役員などです。ただし、兼業で会社員をしているなど、給与所得を得ている場合は加入資格がないため注意が必要です。

所得税

所得税は、個人が1年間に得た所得に対して課される税金です。給与所得や事業所得、不動産所得、投資による利益などが対象となります。日本では累進課税制度が採用されており、所得が高いほど税率が上がります。給与所得者は源泉徴収により毎月の給与から所得税が差し引かれ、年末調整や確定申告で精算されます。控除制度もあり、基礎控除や扶養控除、医療費控除などを活用することで課税所得を減らし、税負担を軽減できます。

所得控除

所得控除とは、個人の所得にかかる税金を計算する際に、特定の支出や条件に基づいて課税対象となる所得額を減らす仕組みである。日本では、医療費控除や生命保険料控除、扶養控除などがあり、納税者の生活状況に応じて税負担を軽減する役割を果たす。これにより、所得が同じでも控除を活用することで実際の税額が変わることがある。控除額が大きいほど課税所得が減少し、納税者の手取り額が増えるため、適切な活用が重要である。

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