転職先に企業型DCがありますが加入するべきでしょうか?メリットを教えて下さい
回答受付中
0
2024/08/15 19:25
男性
40代
先日転職をして、企業型DCの導入がある企業への就職が決まりました。これまでiDeCoをつみたててきたので、企業型DCへの加入はどうしようか悩んでいます。企業型DCに加入する場合の注意点やメリットを教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
企業型DC(企業型確定拠出年金)に入るかどうかは、「仕組みの違い」と「税金・社会保険・手数料への影響」を押さえると判断しやすくなります。
まず、今まで続けてきたiDeCoはそのまま併用しても、企業型DCへ移し替えてもかまいません。移し替えた場合でも、iDeCoで積み立ててきた加入期間は通算され、60歳以降に一時金で受け取る際の退職所得控除の計算は変わりません。併用を選ぶ場合、iDeCoの掛金上限は月2万円(会社に企業型DBもある場合は1万2千円)に引き下がる点だけ注意してください。
転職先の企業型DCの掛金が老後資金として十分かどうかが次の確認ポイントです。もし不足すると感じたら、会社の制度が許せば「マッチング拠出」で自分のお金を上乗せするか、iDeCoで別口座を作って追加積立するかの二択になります。ただしマッチング拠出とiDeCoの併用は制度上できません。
税金と社会保険料の面では、会社が拠出する企業型DCの掛金は給与として受け取らないため、所得税・住民税だけでなく社会保険料の計算対象からも外れます。つまり、手取りが減らないまま老後資金を積み立てられる仕組みです。一方で、iDeCoやマッチング拠出は一度自分の給与として振り込まれたお金を拠出するため、所得税と住民税は節税できても社会保険料は変わりません。社会保険料まで減らせるかどうかが両者の大きな違いです。
コストと管理の手間にも差があります。企業型DCは口座管理手数料を会社が負担することが多く、運用コストを抑えやすい仕組みです。マッチング拠出なら同じ口座で完結するため、残高の把握や運用商品の選択もシンプルになります。iDeCoは毎月の口座管理手数料を自分で払う必要がありますが、会社制度に縛られず運用商品を広く選べる柔軟性があります。
最終的な選択は、会社の掛金水準、追加積立の必要性、社会保険料への影響、そしてご自身の管理のしやすさを総合して決めるのが基本です。就業規則で制度の詳細を確認し、老後資金計画や家計のキャッシュフローと照らし合わせながら、迷うようであればファイナンシャル・プランナーなど専門家に相談すると安心です。