ファミリーオフィスの運営にはどんな専門家が必要?
ファミリーオフィスの運営にはどんな専門家が必要?
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2025/03/25 19:38
男性
60代
ファミリーオフィスを適切に運営するには、どのような専門家が必要になりますか?また、資産運用・税務・法務以外にも重要な役割を担う人材はいるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ファミリーオフィスは「金融資産の維持・成長」と「家族の価値観・ビジョンの継承」を同時に実現するためのプラットフォームです。目的を達成するには、運用・税務・法務の中核専門家に、家族固有の課題を補完する周辺人材を重ね合わせ、チームとして機能させることが肝要です。
中核メンバー
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CIO(Chief Investment Officer)
資産配分方針の策定、運用機関の選定・監督、パフォーマンス検証を統括します。
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税理士/公認会計士
国際税務・連結決算・資産管理会社の会計処理、相続・贈与スキームの設計を担当します。
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弁護士
契約書レビュー、信託・ファンド組成、コンプライアンス体制の整備を通じて法的リスクを最小化します。
付加価値を高める専門家
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ファミリーガバナンス・アドバイザー
家族憲章策定、家族会議の運営、次世代教育プログラムの構築を支援します。
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フィランソロピー・アドバイザー
寄付戦略の立案、財団・基金の設立、社会的インパクト測定をサポートします。
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不動産マネージャー
物件取得・運用・売却計画の策定と税務最適化により、不動産ポートフォリオを最適化します。
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リスクマネージャー/インシュアランススペシャリスト
国際保険プログラムやカタストロフリスクヘッジを設計し、資産と生活を守ります。
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ライフスタイル・コンシェルジュ
教育、医療、旅行、アート管理など、家族のQOLを高めるサービスをワンストップで提供します。
まず家族の長期ビジョンと優先順位を文章化し、それを軸に上記専門家を段階的に組成・統合することで、経済的リターンと家族の幸福を両立する持続可能なファミリーオフィスが実現できます。
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ファミリーオフィス
ファミリーオフィスとは、富裕層の家族や一族が保有する資産を管理・運用するための専門組織のことを指します。単一の家族を対象とする「シングルファミリーオフィス」と、複数の富裕層が共同で資産管理を行う「マルチファミリーオフィス」に分かれます。資産運用だけでなく、相続対策、税務管理、慈善活動(フィランソロピー)など、長期的な財産保全を目的とした総合的なサービスを提供する点が特徴です。特に、莫大な資産を持つ家族にとって、世代を超えた資産承継の戦略を策定する重要な役割を担います。
CIO(チーフ・インベストメント・オフィサー)
CIO(チーフ・インベストメント・オフィサー)とは、企業、機関投資家、ファミリーオフィスなどにおいて、資産運用に関する全体戦略の立案および統括を担う最高責任者です。 市場動向の分析やリスク評価を踏まえて、資産配分(アセットアロケーション)の方針を策定し、組織全体の投資判断や運用方針に対して方向性を示します。 また、外部の運用機関の選定・評価や、投資委員会との連携などもCIOの主要な業務に含まれます。
税理士
税理士とは、税金に関する専門的な知識と国家資格を持ち、税務申告や相談、書類作成などを行うことができる税務のプロフェッショナルです。 税理士には、税金の計算・申告を代理する「申告代理」、税務書類を作成する「書類作成」、税務に関する相談を受ける「税務相談」といった独占業務があります。 相続の場面では、相続税の申告や節税対策、複雑な財産評価、各種税務特例の適用などをサポートしてくれる、心強い存在です。さらに、税務署とのやりとりや税務調査への対応も税理士の重要な役割の一つです。 また、生前贈与や不動産の活用、法人化などを含む将来を見据えた資産設計についても、税務の観点からアドバイスを受けることができます。 税理士は弁護士や司法書士などと連携しながら、税金という専門領域を通じて、円滑で安心な相続手続きを支えてくれる存在です。
資産管理会社
資産管理会社とは、不動産や株式などの資産を法人の名義で保有・管理し、それらから得られる賃料収入や配当金などによって利益を上げることを目的とした会社のことです。もともとは個人が持っていた資産を法人に移す、いわゆる「資産の法人化」によって設立されるケースが多く見られます。 このように資産を法人として持つことで、個人で所有していた場合と比べて税金面でのメリットを得られることがあります。たとえば、法人の方が税率が低くなることがあるため、収益が大きい場合にはトータルの税負担が軽くなる可能性があります。また、家族を役員にして給与を支払うことで所得を分散し、所得税を抑えるといった節税対策も可能になります。 さらに、資産管理会社を通じて不動産などの資産を保有することで、相続や事業承継の計画を立てやすくなるという側面もあります。個人名義で資産を持つよりも、法人として一括管理するほうが、将来的な引き継ぎや財産の分配を円滑に行いやすくなるのです。 ただし、税務メリットだけを目的に設立すると、かえって不利になる場合や、運営コストがかさむこともあります。そのため、資産管理会社をつくる際は、収益の規模や資産の種類、将来の相続までを見据えて慎重に検討することが大切です。
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弁護士とは、法律に関する問題について助言や代理を行うことができる、国家資格を持った法律の専門家です。 相続においては、遺産分割協議がまとまらない場合や、遺留分を巡るトラブル、遺言の無効主張、相続放棄の手続きなど、法的な対応が必要な場面で頼れる存在です。必要に応じて、調停や訴訟の代理人として交渉や手続きも代行してくれます。 相続人同士での意見の対立や紛争があるとき、また法的に複雑な問題が関係する場合には、早い段階で弁護士に相談することでトラブルを最小限に抑えることができます
信託
信託とは、お金や不動産などの財産を信頼できる相手(受託者)に託し、特定の目的に沿って管理・運用してもらう仕組みです。財産を託す人を「委託者」、管理する人を「受託者」、利益を受け取る人を「受益者」といいます。 たとえば、親が子どもの教育資金を信託したり、高齢の親の認知症対策として資産管理を家族に委ねたりするケースがあります。このような個人間で活用される信託は「家族信託」と呼ばれ、相続対策や資産承継の手段として近年注目されています。 一方、資産運用の世界では「商事信託」として、信託銀行や運用会社が多数の投資家から集めた資金をまとめて運用する「投資信託」が一般的です。さらに、海外では、受益者への分配内容を受託者が裁量で決められる「ディスクリショナリートラスト(裁量信託)」という形態もあります。 信託は目的や状況に応じて柔軟に設計できる制度であり、大切な資産を計画的に管理・承継するための有力な選択肢となります。


