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ヘッジファンドにはどんなメリット・デメリットがありますか?

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2025/07/28 08:00


男性

60代

question

資産運用をする中で、ヘッジファンドに興味が湧いてきました。調べると「リスクが高い」という意見と「安定的な収益を狙える」という意見があり、よく分かりません。実際にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ヘッジファンドは公募投信と異なりベンチマークを設けず「絶対収益」を追求する私募ファンドで、ロング・ショートやグローバルマクロなど複数戦略を組み合わせて下落局面でも利益を狙える点が最大の魅力です。株式・債券との相関が低く、ポートフォリオ全体の値動きを抑える分散効果も期待できます。運用者自身が資金を投入し、成功報酬(一般的に運用益の20%前後)を受け取る「スキン・イン・ザ・ゲーム」により投資家と利害が一致しやすいのもメリットです。

一方、最低投資額は国内私募でも1,000万円超が通例で、固定報酬(年2%前後)+成功報酬という高コスト構造は無視できません。毎月または四半期でしか解約できず、1~3年のロックアップやゲート条項が付くケースも多いため、急な市場変動時に換金できない流動性リスクが残ります。さらにレバレッジやデリバティブを多用する戦略では損失拡大の懸念があり、私募ゆえに情報開示が限定的で比較が難しい点もデメリットです。海外ケイマン籍ファンドの場合、為替管理や税務(雑所得・PFIC判定など)が煩雑になることも忘れてはいけません。

したがって、伝統資産だけではリターンが不足すると感じつつ一定の値動きを許容できる投資家が、長期資金の5〜10%程度を上限に、運用報告とリスクモニタリング体制を整えたうえで導入する──これが実務的に妥当な活用法と言えるでしょう。

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ヘッジファンド

ヘッジファンドは、私募形式の投資信託です。富裕層や機関投資家向けに設計された投資ファンドで、高いリターンを追求するために多様な戦略を活用します。短期売買や空売り、デリバティブ(金融派生商品)などを駆使し、市場平均を上回る成果を目指します。 伝統的なファンドに比べて規制が比較的緩やかであるため、運用の柔軟性が高い一方で、情報開示の水準が異なり、ファンドによっては透明性が低い場合があります。また、成功報酬を含む手数料体系は一般的な投資信託よりも高く設定される傾向があり、一定の資金拘束期間が設けられることが多いため、流動性が低い点にも留意が必要です。 投資家は、これらの特性を理解した上で、自身のリスク許容度に合った選択をすることが重要です。

絶対収益

絶対収益とは、相場の状況に関係なくプラスの利益を目指す投資の考え方です。一般的な投資信託などは、日経平均やTOPIXのような「ベンチマーク」と呼ばれる指標と比べてどれくらい良かったか(つまり相対的な成績)を重視しますが、絶対収益を目指す投資はそのような指標とは関係なく、「どんな相場でも利益を出すこと」が目的です。下落相場でも収益を狙うことができるため、マーケットが不安定なときにも注目されます。ただし、常にプラスになるわけではなく、リスクがないという意味ではないので、注意が必要です。

スキン・イン・ザ・ゲーム

スキン・イン・ザ・ゲームとは、投資の意思決定を行う人が自分自身の資金を同じ案件に投じることで、成果や損失を投資家と共有し、利害を一致させるという考え方です。自らもリスクを負うことで責任感が高まり、他人の資金のみを運用する場合より慎重かつ真剣に判断する姿勢が期待できます。この仕組みは投資家にとって運用者の行動を信頼する材料となり、長期的な資産形成における透明性と安心感を高める役割を果たします。

流動性リスク

流動性リスクとは、資産を売却したいときに市場で買い手が見つからず、希望する価格で売却できないリスクのことを指します。特に市場が混乱した場合や、取引量の少ない資産では、このリスクが顕著になります。例えば、不動産や未上場株式、流動性の低い債券などは、売却に時間がかかることが多く、想定よりも低い価格での取引を余儀なくされる場合があります。金融機関や企業にとっては、必要な資金を調達できずに支払いが滞る可能性があることを意味し、経済危機や市場の急激な変動時には特に注意が必要です。投資ポートフォリオを構築する際には、資産の換金しやすさを考慮し、現金や流動性の高い資産とのバランスを取ることが重要とされます。

成功報酬(パフォーマンスフィー)

成功報酬(パフォーマンスフィー)とは、資産運用や投資において、一定の成果を達成した場合に支払われる報酬のことを指します。主にヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンド、富裕層向けの投資サービスに加え、一部の投資信託や投資顧問サービスでも採用される報酬体系であり、運用者のインセンティブとなります。 通常、基準となるリターン(ハードルレート)を超えた利益に対して、一定割合(例:20%)の成功報酬が発生します。また、「ハイウォーターマーク」が設定されている場合は、過去の最高評価額(NAV)を更新した場合にのみ成功報酬が発生します。この仕組みにより、投資家の利益と運用者の利益が一致しやすくなります。 一方で、運用者が過度なリスクを取る可能性や、短期的な利益を優先する可能性もあるため、投資家にとっては報酬体系の詳細を理解することが重要です。また、成功報酬は通常、運用管理手数料(Management Fee)と組み合わせて設定されることが多いため、全体のコストを把握することも大切です。 成功報酬の仕組みを理解し、リスクとリターンのバランスを考慮した上で投資判断を行うことが望ましいです。

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