インド株投資はおすすめしないと言われました。実際のメリット・デメリットを教えて下さい
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2025/09/25 08:50
男性
30代
インドは人口増加や経済成長が注目されており、投資先として魅力があると聞きますが、一方でリスクもあると感じています。インド株やインド関連の投資信託に投資する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか、詳しく教えていただけますか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
インド投資は、人口増加や経済成長の期待が大きく、長期的な成長テーマとして魅力的です。若い世代が厚く、都市化や中間層の拡大によって消費や住宅、金融、教育などの内需は伸びやすい環境にあります。さらに、デジタル化や制度整備が進み、製造業育成策や国際企業の進出も追い風になっています。資本市場の拡大やガバナンス改善も進展しており、世界分散投資の中で成長ドライバーとして加える価値があると言えます。
一方で、デメリットも見逃せません。インドは単一国かつ新興国市場のため、選挙や政策変更、外部ショックで株価が大きく動きやすく、通貨インドルピーの変動も円換算リターンに大きな影響を与えます。期待が先行する局面では株価が割高となり、調整局面で下落が大きくなる可能性もあります。加えて、規制や税制の変更リスク、セクター偏在やガバナンスの差、小型株の流動性不足なども注意が必要です。
初心者が取り組む際は、全世界株式や先進国株式を投資の中心に据え、インドはサテライト的に資産の5%程度から始めるのが無難です。積立投資で購入単価を平準化し、年1回のリバランスで配分を調整するのが基本的な戦略です。短期的な値動きに振り回されないよう、5年以上の長期投資を前提にすることが重要です。
商品を選ぶ際には、どの指数に連動しているか、信託報酬などのコスト、銘柄の分散度、運用手法、為替ヘッジの有無、規模や流動性を確認する必要があります。人口の多さがそのまま株価上昇につながるわけではなく、成長が既に株価に織り込まれている場合もあるため、冷静な判断が欠かせません。
インド投資は、長期的に成長が期待できる一方でリスクも大きく、誰にでも向いているわけではありません。短期で使う資金や下落時に不安で売ってしまうような人には適していませんが、長期で安定的に積立を続けられる人にとっては、分散ポートフォリオに成長要素を加える有効な選択肢となります。
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