投資信託って本当にやめたほうがいいの？

「投資信託はやめたほうがいい」と語られるのは、元本保証がない恐怖心に加え、過去に高コスト商品を短期売買して失敗した事例が目立って語られるためです。実際には、商品選定と運用ルールさえ誤らなければ、投資信託は初心者が少額から分散投資を始めるうえで理にかなった手段です。

デメリットは大きく三点あります。第一に価格変動リスク──基準価額は市場環境で上下し、元本割れの可能性を排除できません。第二にコスト──信託報酬や販売手数料が複利効果を削るため、特に高コストのアクティブファンドを短期で乗り換えるとリターンを圧迫します。第三に商品選択の難しさ──国内外で6,000本超のラインアップがあり、目的と合わないファンドを選びやすい点です。

もっとも、これらは「①低コスト（年0.3％以下）のインデックスファンドを選ぶ」「②長期・積立・分散の三原則を守る」「③つみたてNISAなど非課税枠を活用する」という運用方針で大幅に軽減できます。毎月一定額をコツコツ積み立てたい人、個別株分析に時間を割けない人、年3〜6％程度の長期リターンを目指す人には相性が良い投資手段です。逆に、短期で二桁リターンを狙う投機志向の人や、自分で銘柄と売買タイミングをコントロールしたい人には不向きでしょう。

要するに、投資信託は「やめたほうがいい」どころか、ルールと商品を正しく選べば資産形成の主力になり得ます。リスク許容度と投資期間を明確にし、低コスト・高分散の商品を長期保有する——この基本を守る限り、評判よりもはるかに健全な選択肢です。