グローバルAIファンドの為替ヘッジあり・なしはどのように比較して選ぶと良いですか?
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2025/06/18 10:16
男性
30代
最近話題のAIに興味があり、関連する企業にまとめて投資できる「グローバルAIファンド」に関心を持っています。ただ、あまり投資のことに詳しくないため、仕組みがよくわかりません。調べてみたところ、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」という2つのコースがあるようですが、これらは何が違うのでしょうか?初心者でもわかるように、選び方のポイントや注意点を教えていただけると助かります。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
グローバルAIファンドは、AI関連の海外企業にまとめて投資できる便利な商品ですが、円での価値(基準価額)は、企業の成績だけでなく「為替の動き」にも影響されます。そこで、ファンドには「為替ヘッジあり」と「ヘッジなし」の2つのコースが用意されています。
為替ヘッジありのコースは、円高(1ドル=150円が140円に下がるなど)になっても、ファンドの価値が大きく減らないようにする仕組みが組み込まれています。円での安定を重視したい人や、近いうちに使う予定のあるお金を運用する場合に向いています。ただし、この仕組みには「コスト」がかかり、また、円安になったときに得られるはずの利益(為替差益)を逃すこともあります。
一方、為替ヘッジなしのコースは、そうしたコストはかかりません。そのかわり、為替の動きがダイレクトに影響します。円安が進めば利益が増える可能性がありますが、逆に円高になったときにはファンドの価値が下がることもあります。長期的に運用したい方や、外貨の資産を持ちたい人にはこちらも選択肢になります。
どちらを選ぶかは、主に次のような点を考えるとよいでしょう。
- いつ使うお金か(数年以内に使うなら「ヘッジあり」、10年以上使う予定がないなら「ヘッジなし」も選択肢)
- 円と外貨のどちらをどれくらい持っているか
- 為替の動きにどれだけ影響を受けても気にならないか
もし判断が難しいと感じる場合は、ファンドの仕組みや今の家計全体のバランスを整理しながら、専門家に相談してみるのも良い方法です。自分に合ったコースを選ぶことで、安心してAI投資をスタートできます。
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為替ヘッジ
為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。
ヘッジコスト
ヘッジコストとは、為替や金利などの市場変動リスクを抑えるために先物取引やスワップ取引などでポジションを置き換える際に発生する費用の総称です。たとえば外貨建て資産を円で評価する投資家が為替リスクを避けるために為替ヘッジをかける場合、将来の円・外貨交換レートを予約する代わりに金利差や手数料に基づくコストが発生します。 このコストは通貨間の金利差が大きいほど高くなり、投資収益の差し引き後リターンに直接影響します。資産運用の成果を正しく評価するには、表面的な収益だけでなくヘッジコストを加味してネットリターンを把握することが大切です。
基準価額
基準価額とは、主に投資信託の商品価格を表すもので、投資信託1口あたりの価値を示しています。毎営業日に一度計算され、投資信託が保有している株式や債券などの資産の時価総額から、運用にかかる費用を差し引いた金額を、発行済みの総口数で割って算出されます。 投資信託の購入や売却の際には、この基準価額が参考になりますので、価格の動きに注目することが大切です。ただし、基準価額は市場価格とは異なり、リアルタイムで変動するわけではないため、翌営業日の価格になることが多い点にもご注意ください。
為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
通貨分散
通貨分散とは、資産を複数の異なる通貨で保有することで、特定の通貨に偏ったリスクを抑える投資手法のことです。たとえば、すべての資産を日本円で持っていると、円の価値が下がったときに資産全体の価値も目減りしてしまいますが、米ドルやユーロなど他の通貨で一部を保有していれば、その影響をやわらげることができます。通貨分散を行うことで、為替変動による影響を平均化し、より安定した資産運用を目指すことができます。 特に外貨建ての債券や投資信託などを活用することで、自然と通貨分散が実現できます。長期的な資産形成を考えるうえで、重要なリスク管理の一つです。
テーマ型投資信託
テーマ型投資信託は、特定のテーマやトレンドに基づいて構築されたポートフォリオを持つ投資ファンドです。これらのファンドは、技術革新、人口動態の変化、環境保護、健康増進など、特定のテーマに焦点を当てた投資を行います。投資対象は、そのテーマに直接関連する企業や業界に限られることが多く、市場全体の動向よりも、選ばれたテーマが持つ成長ポテンシャルを追求します。 テーマ型投資信託は、投資家にとって魅力的な成長セクターへの露出を提供することで、特定の経済的、社会的トレンドから利益を得る機会を提供します。これにより、従来の市場指数に依存することなく、よりダイナミックな投資戦略を展開することが可能になります。ただし、これらのファンドは、特定のテーマに依存することから、そのテーマが市場からの支持を失うとリスクが高まる可能性もあります。そのため、テーマ型投資信託に投資する際には、テーマの選定理由や将来性をよく理解し、リスク管理を徹底することが重要です。