8資産均等のバランスファンドを積み立てようと思っていますが注意点はありますか?
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2025/07/24 09:35
男性
40代
8資産均等のバランスファンドで積立投資を始めようと考えています。初心者向きと聞きますが、知らないと失敗しやすい注意点などを教えてもらえますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
8資産均等型のバランスファンドは、毎月の積立投資に向いた商品として初心者にも人気があります。1本で国内外の株式や債券、REIT、コモディティに広く分散でき、自動で資産配分の調整(リバランス)も行われるため、時間と手間をかけずに国際分散投資が始められるのが魅力です。
ただし、積立で長期間運用する場合でも、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。
まず、名前のとおり8資産を均等(12.5%ずつ)に配分していますが、この構成は実際の世界の投資市場(時価総額)とは大きく異なります。特に新興国債券やJ-REITのような比較的小規模な市場にも一定割合を投資するため、リスクが過度に偏る可能性があります。長期積立をしている間に、これらの資産が大きく値下がりする局面があると、ポートフォリオ全体の足を引っ張ることがあります。
次に、積立中の下落局面では、リスク資産の価格が大きく下がることで口座全体が大きく目減りする可能性があります。8資産均等型は株式やREITなど値動きの大きい資産が60%以上を占めており、債券などの安定資産は限られています。相場が荒れたときのクッションが十分とは言えないため、リスク許容度が低い方は注意が必要です。
また、為替の影響も積立パフォーマンスに大きく関わります。ファンドの約半分は外貨建て資産で構成されており、為替ヘッジは基本的にかかっていません。そのため、円高が進むと、外国株や外国債券が値下がりしていなくても、為替差損で基準価額が下がることがあります。長期で見れば為替は上下を繰り返しますが、積立途中の評価損が精神的なストレスになる方もいます。
積立を続ける上で意外と見落とされがちなのが「信託報酬以外のコスト」です。8資産均等型ファンドは多くがファンド・オブ・ファンズ形式を採用しており、見かけ上の信託報酬は低くても、内部の売買コストや投資対象ファンドの報酬が実質的にかかっています。例えばリバランスの際には売買手数料やスプレッドが発生し、これが長期的なリターンを少しずつ押し下げる要因になります。
とはいえ、積立投資では「毎月同じ金額を投じることで価格変動リスクを平均化できる(ドルコスト平均法)」というメリットがあります。短期的な値動きに一喜一憂せず、淡々と積み立てを続けるスタイルであれば、8資産均等型は実行しやすく、相場全体の回復局面では反発も取り込みやすくなります。
積立投資は長期で続けることが前提となるため、「スタート時の資産配分が本当に自分の投資目的に合っているか」をよく検討することが重要です。たとえば将来的にリスクを抑えたいなら、債券比率の高いファンドや、為替ヘッジ付き商品の併用も検討すべきです。
迷った場合は、自分のリスク許容度や将来設計を踏まえて、信頼できるファイナンシャルアドバイザーなどに相談しながら、無理のない積立設計を行うと安心です。8資産均等型は「手軽さ」が最大の魅力ですが、継続するほど「中身の適合性」が成果に差を生むことを忘れないようにしましょう。
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バランスファンド
バランスファンドとは、株式と債券などの固定収入資産を組み合わせた投資ファンドです。このタイプのファンドは、成長の機会を追求する一方で、リスクを分散し安定した収益を目指します。投資の比率は通常、ファンドの投資方針に基づき、アクティブに管理されます。 バランスファンドの主な魅力は、一つのファンド内で異なる資産クラスへの露出を確保できる点にあります。市場の変動に対する耐性を高めるために、株式の成長性と債券の安定性を兼ね備えています。このため、市場の状況に応じて、ファンドマネージャーは資産配分を調整し、リスクを管理しながらリターンを最適化することが可能です。 投資家にとって、バランスファンドは多様な投資ポートフォリオを持つことなく、一定のリバランスを通じて市場の機会を捉えつつ、下落リスクを抑制できる手段を提供します。特に長期投資や退職資金の積立に適しており、安定した運用成績を求める投資家に人気があります。
リバランス
リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
目論見書(プロスペクタス)
目論見書(プロスペクタス)とは、株式や債券などの金融商品を発行する際に、その内容やリスク、資金の使い道などを詳しく説明するための書類のことをいいます。これは、投資家が商品について正しく理解し、投資判断を行うための重要な資料です。目論見書には、発行体の財務情報、事業内容、募集する金額、利回りや償還期間などが記載されており、金融商品取引法に基づいて作成されます。投資初心者にとっては、少し専門的で読みづらく感じるかもしれませんが、購入する前にリスクや条件を確認するためにとても大切な情報源となります。
アセットアロケーション(資産配分)
アセットアロケーション(Asset allocation)とは、資産配分という意味で、資金を複数のアセットクラス(資産グループ)に投資することで、投資リスクを分散しながらリターンを獲得するための資産運用方法。アセットアロケーションは戦略的アセットアロケーションと戦術的アセットアロケーションの2つを組み合わせることで行われ、前者は中長期的に投資目的・リスク許容度・投資機関に基づいて資産配分を決定し、後者は短期的に投資対象の資産特性に基づいて資産配分を決定する。