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主要バランスファンド徹底比較2025:固定・可変・レバ型の違いと選び方

主要バランスファンド徹底比較2025:固定・可変・レバ型の違いと選び方

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公開:

2025.06.27

更新:

2025.06.27

新NISA制度の拡充や長期積立志向の高まりを背景に、1本で多様な資産に投資できる「バランス型ファンド」が注目されています。とはいえ、固定型・可変型・レバレッジ型などの運用モデルの違いは、見落とされがちな選定ポイントです。信託報酬や配分ルール、リスクの取り方までタイプごとに大きく異なるため、目的やリスク許容度に応じた選択が重要になります。本記事では、2025年6月時点の純資産残高をもとに、主要バランスファンドの違いと活用法を中立的に整理し、選び方の指針を提供します。

サクッとわかる!簡単要約

固定型の「eMAXIS Slim 8資産均等型」や、可変型の「セゾン・グローバルバランスファンド」、レバ型の「グローバル3倍3分法」など、信託報酬・配分ルール・リスク特性が異なる主要ファンドを徹底比較。この記事を読むことで、「自分の目的やリスク許容度に合うファンドの選び方」がわかります。運用モデルの違いによる向き不向きや、他資産との組み合わせ方、判断に使えるチェックリストまでを網羅しており、読後には迷いなく最適なバランスファンドを選べる自信が持てるはずです。

目次

バランスファンドの類型と特徴

固定型インデックス・バランスファンド

可変型バランスファンド

レバレッジ型・アクティブ型バランスファンド

ラップ型ファンド(参考)

純資産残高上位の主要バランスファンド紹介

固定型:eMAXIS Slimがトップ。つみたてNISAの定番

可変型:時価総額やGDPに連動。自動調整型の魅力

レバレッジ型・アクティブ型:高リスク・高機動性を志向

ラップ型:一任運用型の代表格ファンド

まとめ:コスト・手間・リスク許容度で最適な1本を

バランスファンドを選ぶ際の5つの評価軸

コストの水準と費用対効果

資産配分とリスク許容度の整合性

運用モデルの透明性と納得感

リスク・リターンの特性と変動要因

純資産規模と運用期間の安定性

バランスファンドの活用シナリオ

これ1本でおまかせ長期運用

株式ポートフォリオの一部に組み込む

レバレッジ型をスパイス的に活用

プロにお任せで資産防衛

あなたに合ったバランスファンド選び:判断チェックリスト

コスト重視か?

運用内容を自分で把握したいか?

リスク許容度はどの程度か?

他の資産とのバランスは?

投資目的・期間に合致するか?

バランスファンドの類型と特徴

バランス型ファンドは、その運用方針の違いから大きく以下の類型に分類できます。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

固定型インデックス・バランスファンド

「固定型」は資産配分比率があらかじめ固定されているタイプです。国内外の株式・債券など複数資産に一定の比率で投資し、定期的にその比率へリバランスします。多くはインデックス運用(市場指数連動)で、信託報酬も年0.1〜0.2%台と低コストに抑えられているのが特徴です。

アセットアロケーションの基本は以下の記事で詳しく解説しています。

投資家自身が細かな配分調整をせずとも、ファンド側で常に所定の比率を維持してくれるため、シンプルかつ手間のかからない分散投資手段として人気があります。

  • 資産配分が固定:例えば「8資産均等型」なら国内外の株式・債券・リート・新興国など8種類に各12.5%ずつ投資。ずっとこの比率を保つ運用です。
  • 低コストなインデックス運用:ベンチマークとなる合成指数に連動させる運用で、信託報酬は極めて低め(年0.1%前後)。販売手数料もノーロード(無料)が一般的です。
  • リバランスで安定運用:値動きで崩れた配分比率を定期的に元に戻す(高くなった資産を売り、低くなった資産を買う)ことで、大きく偏らない安定したリスク水準を維持します。

具体的なリバランス手順についてはこちらのQ&Aもご参照ください。

可変型バランスファンド

「可変型」は市場環境や指標に応じて資産配分比率が変動するタイプです。基本的な分散投資は行いますが、固定型のように比率を厳密に決め打ちせず、経済指標や資産規模の変化に合わせてポートフォリオが調整されます。

代表例では株式と債券をおおむね50:50に保ちながら、地域配分を各国のGDP比に合わせるファンドや、各市場の時価総額に応じて地域比率を見直すファンドがあります。運用コストは年0.5%前後とインデックス型より高めですが、それでもアクティブファンドよりは抑えられています。

  • 配分比率が柔軟:たとえば「世界経済インデックスファンド」は株式50%・債券50%を基本に、地域配分を日本・先進国・新興国のGDP比で毎年見直します。世界経済の構造変化に合わせて配分が変わる点が特徴です。
  • ファンド内で自動調整:投資家が自分で配分変更する必要はなく、ファンドマネージャーや設定ルールにより自動的に資産配分が調整されます。市場サイクルに応じてリスク資産比率を多少抑えたり、高成長地域の比重が自然に高まったりします。
  • コストは中程度:指数連動型よりは高いものの、信託報酬0.5%前後と許容範囲の水準です。販売手数料はかからないものが一般的です。

目的別に配分を変えるには、こちらのQ&Aもご参照ください。

レバレッジ型・アクティブ型バランスファンド

「レバレッジ型」およびアクティブ運用型のバランスファンドは、より独自色の強い運用モデルです。レバレッジ型はファンド資産を元手に先物取引などを駆使して実際の資産配分を何倍にも拡大するタイプで、例えば「3倍3分法」は純資産の3倍相当の投資を行います。

一方アクティブ型は、ファンドマネージャーが市場見通しに基づき機動的に配分比率を変えたり銘柄選択を行うタイプです。これらは高いリターンの追求や下落耐性の向上を目指す分、信託報酬も年1%超と高めに設定されます。

  • レバレッジ型:限られた元本で効率的にリターンを狙う戦略です。「グローバル3倍3分法ファンド」では株式・REIT・債券の3資産に対し合計300%(純資産の3倍)のポジションを持ちます。内訳は株式60%・REIT40%・債券200%(計300%)となっており、日本株20%・先進国株20%・新興国株20%のように地域配分も行います。平常時は高い収益が期待できますが、市場急落時には損失も3倍規模となるためリスクは大きいです。
  • アクティブ型:明確な配分固定ルールは設けず、運用会社の裁量で資産選択・配分変更を行います。「投資のソムリエ」は複数の資産を組み合わせつつ、市場局面に応じて機動的に組入割合を調整するバランスファンドです。目論見書上の資産配分比率に上限はあるものの、野村證券の助言モデルに基づき最適化されたポートフォリオを組成する仕組みで、安定した収益の確保を目指します。ただし人手のかかる運用ゆえコスト高で、信託報酬は年1.5%前後になります。
  • 高コスト・高リスク:これらファンドは手数料が高く(1%超)、投資戦略も複雑なため、購入時にはそのリスク許容度や運用方針を十分理解する必要があります。他の類型に比べ、投資家を選ぶタイプと言えるでしょう。

ラップ型ファンド(参考)

近年はラップ口座(投資一任勘定)のサービスを簡易化した「ラップ型ファンド」も登場しています。その代表例である「のむラップ・ファンド(普通型)」は実質的に証券会社が提案するモデルポートフォリオを1本の投信にまとめたもので、国内外の株式・債券・リートに広く分散投資しつつ、野村證券の助言モデルに基づき定期的な配分見直しを行います。

信託報酬は年1.353%と高めですが、純資産残高は5,580億円超と非常に大きく、従来のラップ口座に比べ少額から利用できる手軽さから資金を集めています。運用イメージとしてはアクティブ型バランスファンドに近く、「おまかせ運用」の延長線上にある商品と言えます。

純資産残高上位の主要バランスファンド紹介

それでは、上述の各カテゴリに属する主要バランスファンドを具体的に見ていきましょう。以下に、純資産残高(2025年6月時点)や信託報酬などの基本情報を一覧にまとめました。

ファンド名(運用会社)種類純資産残高(億円)信託報酬(年率)実質コスト(年率)
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)(三菱UFJ国際)固定型・インデックス3,4670.143%0.143%
たわらノーロード バランス(標準型)(AM-One)固定型・インデックス3140.143%0.143%
iFree 8資産バランス(大和AM)固定型・インデックス9150.242%0.242%
<購入・換金手数料なし>ニッセイ インデックスバランス(4資産均等型)(ニッセイAM)固定型・インデックス7850.154%0.154%
つみたてバランスファンド(りそな)(りそなAM)固定型・インデックス6970.2145%0.2145%
セゾン・グローバルバランスファンド(セゾン投信)可変型(株式50:債券50)5,2540.495%0.495%
世界経済インデックスファンド(三井住友トラストAM)可変型(株式50:債券50)3,9540.55%0.55%
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)(日興AM)レバレッジ型 (3倍)1,3180.396%0.396%
投資のソムリエ(アセットマネジメントOne)アクティブ型2,7551.54%1.54%
のむラップ・ファンド(普通型)(野村AM)ラップ型 (参考)5,5801.353%1.353%

※純資産残高は2025年6月時点の概算。

代表的なバランスファンド事例は以下の記事で詳しく解説しています。

固定型:eMAXIS Slimがトップ。つみたてNISAの定番

eMAXIS Slim 8資産均等型:純資産・人気ともにトップクラス

固定型バランスファンドの中で最も存在感があるのが、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 8資産均等型」です。純資産総額は3,467億円超と突出しており、信託報酬は年0.143%。8資産に均等(各12.5%)で分散されるシンプルな構成と低コストを両立し、つみたてNISAや企業型DCでも定番商品として広く採用されています。

他の均等型ファンドも一定の支持

  • 「iFree8資産バランス」(大和アセット):2016年設定、約915億円
  • 「ニッセイ4資産均等型」(ニッセイAM):約785億円で安定運用
  • 「つみたてバランスファンド」(りそなAM):約697億円、信託報酬0.2145%、グループ内販路を活用

「旧型ファンドの苦戦:低コスト化競争で淘汰進む

「たわらノーロード バランス(標準型)」は、かつての先行商品として一定の地位を築いていましたが、現在の純資産は約314億円にとどまり、後発の低コストファンドに押されるかたちで資金流出が続いています。競争が激化する中で、信託報酬や知名度の差が明暗を分けています。

可変型:時価総額やGDPに連動。自動調整型の魅力

セゾン・グローバルバランス:世界分散を自動調整、長期投資家に安心

セゾン投信の「セゾン・グローバルバランスファンド」は、株式50:債券50の基本配分に加え、地域配分を世界の時価総額比率に応じて機動的に調整。純資産は5,254億円と非常に大きく、信託報酬も年0.495%と比較的低廉です。ファンド内で自動的にリバランスされる点が、長期保有層に好まれる理由です。

世界経済インデックス:GDP連動型で成長国に自然シフト

SMTシリーズの「世界経済インデックスファンド」は、世界各地域のGDP比に基づいて配分を構築・毎年調整する仕組みで、他ファンドと一線を画します。純資産は約3,954億円、信託報酬は0.55%。こちらも世界経済の成長を取り込むことを目指したオールインワン型ファンドとして、高い支持を集めています。

レバレッジ型・アクティブ型:高リスク・高機動性を志向

「グローバル3倍3分法:資産成長を加速する攻めのレバ型

日興アセットが提供する「グローバル3倍3分法ファンド」は、レバレッジを活用して株式・債券・リートに約3倍の資産配分を行う高リスクファンドです。2018年の設定以来、リスク許容度の高い投資家を中心に資金を集め、現在の純資産は約1,318億円。信託報酬は年0.396%と比較的控えめです。ただし、2020年のコロナショック時には基準価額が約半分に下落するなど、値動きの大きさには注意が必要です。

投資のソムリエ:下落局面に備える自動調整型の守りファンド

アセットマネジメントOneが運用する「投資のソムリエ」は、相場見通しに応じて株式・債券・リート等の比率を柔軟に変更するアクティブ型ファンド。純資産は2,755億円に達し、主に銀行チャネルを通じて安定志向の個人投資家に提供されています。信託報酬は年1.54%と高めで、2024年は▲2.33%とマイナスリターンでしたが、「お任せ型」の安心感を求める層に根強い人気があります。

ラップ型:一任運用型の代表格ファンド

のむラップ・ファンド:証券会社モデルで運用を“おまかせ”できる手軽な1本

野村證券のモデルポートフォリオに基づいて運用される「のむラップ・ファンド(普通型)」は、ファンド・オブ・ファンズ形式で国内外の株式・債券・REITに幅広く投資。純資産は5,580億円超とバランス型ファンドとしては国内最大級です。信託報酬は年1.353%と高コストですが、四半期ごとの配分見直しやプロによる一任運用スタイルが評価され、「自作インデックスに不安がある層」の受け皿として機能しています。

まとめ:コスト・手間・リスク許容度で最適な1本を

バランスファンドは、運用スタイルやコスト、リスクの取り方によって大きく異なります。

  • 低コストで手軽に分散投資したい人は「eMAXISSlim」や「ニッセイ」などの固定型
  • 世界経済に合わせて運用を任せたい人は「セゾン」や「世界経済インデックス」などの可変型
  • 積極的にリターンを狙いたい人は「グローバル3倍3分法」などのレバ型
  • 資産配分の調整を完全に任せたい人には「投資のソムリエ」や「のむラップ・ファンド」などが選択肢になります。

リスク許容度と運用方針に合わせて、最適な1本を見極めることが大切です。

バランスファンドを選ぶ際の5つの評価軸

バランスファンドにはさまざまな種類がありますが、どれを選ぶかは投資家の目的や価値観によって異なります。以下の5つの視点を押さえておくことで、自分に合ったファンドを合理的に選びやすくなります。

コストの水準と費用対効果

バランスファンドを比較するうえで、まず注目すべきは信託報酬などの運用コストです。特に長期投資では、0.1%程度の差であっても最終リターンに大きな影響を与えます。

固定型インデックス型ファンドは、信託報酬が年0.1%台と極めて低く、つみたてNISAなどにも適しています。一方、可変型は0.5%前後、アクティブ型やラップ型では1%を超えることもあり、コストは高めになります。

高コストのファンドを選ぶ場合は、その負担に見合う運用力や付加価値があるかを慎重に見極める必要があります。

バランスファンドのデメリットを詳しく知りたい方はこちらのQ&Aもご参照ください。

資産配分とリスク許容度の整合性

次に確認すべきは、ファンドが投資している資産の種類と配分比率です。例えば、8資産均等型は国内外の株式・債券・REIT・新興国資産など、幅広い資産クラスに均等に分散投資するため、極めて高い分散効果が得られます。ただし、新興国比率が高くなることでボラティリティも大きくなります。

一方、4資産均等型では、先進国を中心にした構成となり、価格変動リスクは相対的に抑えられます。ファンドごとの配分バランスが、自分のリスク許容度と合っているかどうかを確認することが重要です。

運用モデルの透明性と納得感

固定型インデックスファンドの多くは、連動するベンチマーク(指数)が明示されており、運用内容が非常に透明です。対照的に、可変型やアクティブ型はファンドマネージャーの裁量が加わるため、運用方針の理解が欠かせません。

「GDP比調整」や「時価総額比調整」など、ある程度ルールベースで運用されるファンド(例:世界経済インデックスファンド、セゾン・グローバルバランスファンド)は比較的わかりやすい部類です。一方で、「投資のソムリエ」など裁量色が強いファンドは、事前にどのような判断で資産配分が変化するのかを把握しづらいため、運用を委ねるリスクを理解しておく必要があります。

リスク・リターンの特性と変動要因

ファンドの値動きや期待リターンも、選定時に見逃せないポイントです。特にレバレッジ型は、平常時のリターンが高い反面、市場急落時には大きく下振れするリスクが伴います。2020年のコロナショック時には、一部のレバレッジ型ファンドが短期間で基準価額を半減させた例もあります。

また、為替リスクも重要です。今回紹介したバランスファンドは原則として為替ヘッジを行っておらず、円安・円高の影響を直接受けます。運用成果にどれほどのブレが許容できるかを意識し、自身のリスク許容度に合った商品を選ぶことが不可欠です。

純資産規模と運用期間の安定性

最後に、ファンドの純資産残高と運用年数にも注目しましょう。一般に、純資産が大きいファンドは投資家からの信頼が厚く、資金流入も安定しており、繰上償還のリスクも低くなります。今回紹介した主要ファンドはいずれも数百億〜数千億円規模で、安心感があります。

一方で、数十億円規模にとどまるファンドでは、資金流出が起きた際に価格変動が大きくなる傾向があり、将来的な償還リスクにも留意が必要です。また、運用開始からの年数が浅いファンドは、トラックレコードが十分でないため、過去データからの判断が難しい点にも注意しましょう。

バランスファンドの活用シナリオ

どのタイプのバランスファンドが適しているかは、投資家それぞれの目的やポートフォリオ状況によります。いくつか典型的な活用シナリオを紹介します。

これ1本でおまかせ長期運用

投資初心者や手間をかけたくない人には、固定型インデックス・バランスがおすすめです。例えば「eMAXIS Slim 8資産均等型」のような超分散型をNISAやiDeCoで積み立てれば、世界中の資産に自動で分散投資できます。リバランスもファンド任せで簡便です。可変型のセゾンGBFや世界経済Indexも、市場変化に応じた調整をファンド側でやってくれる点で“ほったらかし投資”向きと言えます。

株式ポートフォリオの一部に組み込む

すでに米国株や全世界株など株式中心の投資を行っている方が安定部分を補完する目的でバランスファンドを活用するケースです。例えば株式100%では不安という場合、資産の2割程度を安定型のバランスファンド(例:4資産均等型や債券比率の高い安定型バランス)に充てることでポートフォリオ全体のボラティリティを抑える効果が期待できます。逆に、安全資産として預金や個人向け国債しか持っていない方がリスク資産への入り口としてバランスファンドを使うのも良いでしょう。

レバレッジ型をスパイス的に活用

長期の資産成長を目指し積極運用している上級者で、ポートフォリオの一部にハイリスク商品を組み入れたい場合、グローバル3倍3分法のようなレバレッジ型を検討するシナリオです。

例えば全体の10〜20%を当ファンドに充て、残りを株式インデックスや債券で固めておけば、万一レバレッジ部分が大きく値下がりしても致命傷とならずに済みます。うまくいけば全体リターンの底上げ要因になります。ただしレバレッジ型は下落局面での動揺も大きいため、精神的ストレスに耐えられる範囲で少額に留めるのが肝要です。

プロにお任せで資産防衛

市場局面ごとに適切な配分を変えて欲しい、というニーズにはアクティブ型バランスやラップ型ファンドがマッチします。例えば退職金の運用で大きく減らしたくない場合、「投資のソムリエ」や「のむラップ・ファンド」で守り重視の運用を任せる選択肢があります。自作ポートフォリオでは難しい細かな調整や戦術的な資産配分も行ってくれる反面、手数料は高い点に注意です。プロに任せられるとはいえ、元本保証はありません。安心しきらず、定期的な運用状況の確認も重要です。

あなたに合ったバランスファンド選び:判断チェックリスト

最後に、バランス型ファンドを選ぶ際のチェックリストを示します。以下の項目を検討し、自分に合ったタイプを見極めましょう。

コスト重視か?

「できるだけ手数料を抑えたい」「長期ではコスト差が効く」と考えるなら、信託報酬の低い固定型インデックスが第一候補です。逆に多少コストが高くてもプロに任せたい場合は可変型・アクティブ型も選択肢になります。

運用内容を自分で把握したいか?

シンプルな配分で自分でも管理しやすい方が安心なら固定型(配分固定)を。ファンド独自の配分変更を許容でき、「おまかせ」で良いなら可変型やラップ型でも構いません。理解できない商品には手を出さないのが鉄則です。

リスク許容度はどの程度か?

基準価額の変動幅を小さく抑えたいなら、債券比率が高い安定型や可変型(株50:債50程度)が向いています。一方、「多少の上下は気にしない、リターン重視」という方は株式比率の高い均等型やレバレッジ型も検討できます。ただしレバレッジ型は想定以上の暴落も起こり得る点を忘れずに。

他の資産とのバランスは?

バランスファンドはそれ1本で完結させてもいいですし、他の個別ファンドやETFと組み合わせてもOKです。すでにポートフォリオがある場合、自分の全体配分に照らして「不足部分を補えるか」「重複しすぎないか」を確認しましょう。例えば全世界株インデックスを持っている人が8資産均等型を買うと株式部分がダブつくので、代わりに債券多めのファンドを選ぶ、といった工夫が必要です。

投資目的・期間に合致するか?

積立NISAなど長期資産形成なら、低コストでグローバルに資産成長を狙える商品が適しています。老後資金の取崩し目的なら、安定重視で下振れリスクの低い運用が求められます。目的によってふさわしいバランスファンドのタイプは変わるので、自身のゴールに合った商品を選択しましょう。

よくある質問(FAQ)

この記事のまとめ

バランス型ファンドは、低コストで手間をかけずに分散投資したい人から、リスクを取りつつ高リターンを狙う上級者、資産運用をプロに任せたい層まで、幅広いニーズに応える選択肢があります。この記事ではそれぞれの運用タイプや代表ファンドの特徴を整理し、選定時の評価軸も提示しました。商品選びに迷ったときは、コスト、配分ルール、リスク許容度との整合性に立ち返って判断することが大切です。不安が残る場合は、信頼できる専門家に相談して方針を固めるのも有効です。

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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バランスファンドとは、株式と債券などの固定収入資産を組み合わせた投資ファンドです。このタイプのファンドは、成長の機会を追求する一方で、リスクを分散し安定した収益を目指します。投資の比率は通常、ファンドの投資方針に基づき、アクティブに管理されます。 バランスファンドの主な魅力は、一つのファンド内で異なる資産クラスへの露出を確保できる点にあります。市場の変動に対する耐性を高めるために、株式の成長性と債券の安定性を兼ね備えています。このため、市場の状況に応じて、ファンドマネージャーは資産配分を調整し、リスクを管理しながらリターンを最適化することが可能です。 投資家にとって、バランスファンドは多様な投資ポートフォリオを持つことなく、一定のリバランスを通じて市場の機会を捉えつつ、下落リスクを抑制できる手段を提供します。特に長期投資や退職資金の積立に適しており、安定した運用成績を求める投資家に人気があります。

NISA

NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。

固定型インデックス・バランスファンド

固定型インデックス・バランスファンドとは、株式や債券、不動産投資信託(REIT)など複数の資産クラスをあらかじめ定めた割合で保有し、それぞれの資産がインデックスに連動するよう運用されるバランス型投資信託です。「固定型」と呼ばれるのは、ファンド開始時に設定した資産配分(例:株式70%・債券30%)を長期的に維持し、市場の変化で比率がずれた場合も定期的にリバランスして初期設定に戻す運用を行うためです。 これにより、リスクとリターンのバランスを長期的に保ちながら、値動きの異なる資産同士で分散効果を得ることを目的としています。この方式は、自分で資産配分を管理したくない初心者でも、安定した投資ができる仕組みとして人気がありますが、市場の変動に応じた柔軟な調整がない点には注意が必要です。

可変型バランスファンド

可変型バランスファンドとは、市場環境の変化や景気動向などに応じて、株式や債券、その他の資産の配分比率を柔軟に変更しながら運用するタイプのバランス型投資信託です。これは、あらかじめ資産配分が固定されている「固定型」とは異なり、運用担当者の判断によって、リスクを抑えたりリターンを狙ったりするように構成が調整されます。 たとえば、株式市場が不安定な時期には債券や現金の比率を高め、安定してきたら再び株式の比率を増やすといった運用が可能です。このように、機動的な資産配分が魅力ですが、運用方針や判断力に左右されるため、ファンドマネージャーの力量が成果に大きく影響するという点には注意が必要です。

レバレッジ型バランスファンド

レバレッジ型バランスファンドとは、株式や債券など複数の資産クラスに投資するバランス型投資信託の一種で、通常よりも投資効果を高めるために「レバレッジ(てこの原理)」を使って運用するものを指します。具体的には、借入やデリバティブ(金融派生商品)を活用して、運用規模を数倍に拡張し、リターンを増やそうとする戦略をとります。 その分、相場が好調なときは大きな利益が期待できますが、逆に相場が下落すると損失も同じ倍率で膨らむため、リスクも高くなる特徴があります。投資家にとっては、短期間での収益機会を狙える一方、十分なリスク管理と運用方針の理解が重要になります。

アクティブ型バランスファンド

アクティブ型バランスファンドとは、複数の資産クラス(株式、債券、不動産など)に分散投資を行うバランス型ファンドの中で、市場や経済環境の変化に応じて運用方針や資産配分を積極的に変えていく運用手法を取るファンドのことをいいます。 これは、市場全体の動きに連動することを目指すインデックス型とは異なり、ファンドマネージャーの判断によってリスクを調整しながらリターンの最大化を狙います。たとえば、景気後退の局面では債券の比率を高めて守りを固め、景気回復の兆しがあれば株式の比率を上げて攻めるといった柔軟な対応が特徴です。アクティブ型はその分、運用手数料が高めに設定される傾向がありますが、上手く運用がなされれば市場平均を上回る成果が期待できます。

純資産

純資産とは、総資産から総負債を差し引いた残余価値を指し、企業や個人が保有する「正味の持ち分」を示します。たとえば総資産が1億円、総負債が4,000万円なら純資産は6,000万円となり、この値がプラスであれば財政基盤は概ね健全、マイナスであれば将来の資金繰りに注意が必要だと判断できます。 企業では貸借対照表の「純資産の部」に計上され、株主資本(資本金・資本剰余金・利益剰余金など)とその他包括利益累計額が主要項目です。純資産は自己資本比率やROEの分母となり、財務健全性や資本効率を測定する起点になる指標です。利益の内部留保や株式発行が増加要因となる一方、赤字計上や配当、自己株式取得は減少要因となります。また時価評価差額や為替換算差額も変動要因となるため、採用している会計基準によって数値の見え方が異なる点に留意が必要です。 個人の場合、純資産は現預金、株式・投資信託、年金積立、不動産、車などの資産総額から、住宅ローン、教育ローン、クレジットカード残高などの負債を差し引いて算定します。この数値はFIREや教育・住宅資金計画の進捗を測る物差しとなり、住宅ローン審査など各種与信判断でも重視されるため、家計の健康診断に欠かせません。 純資産を活用する際は、まず株式や不動産など含み損益の大きい資産を時価で再評価し、値動きによる変動幅を把握することが大切です。企業なら自己資本比率、個人なら負債比率(負債÷総資産)など関連指標と併用すれば、リスク耐性や資本効率を立体的に分析できます。四半期ごとに財務諸表や家計簿を更新し、純資産が目標ペースで増えているかを確認しながら、「資産価格」「収支」「レバレッジ」という三つの要因に分解して要改善点を探ると、実践的な資産運用や財務戦略の見直しがしやすくなります。 純資産は単なる期末の残りではなく、将来の投資余力やリスク許容度を測る羅針盤です。数値を継続的に点検し、関連指標と照らし合わせながら経営判断やライフプランをアップデートしていくことが、長期的な資産形成と財務健全性の鍵となります。

信託報酬

信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。

リバランス

リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。

インデックス運用

インデックス運用は、市場全体の動きを示す指標(インデックス)に連動するように設計された運用手法です。例えば、日経平均株価やS&P500などのインデックスに基づき、同様の構成比率で資産を運用します。 市場全体に投資するためリスク分散が図りやすく、運用コストが低いのが特徴です。一方で、大きな利益を狙うというよりも、市場平均と同程度のリターンを目指す保守的な運用スタイルです。

ノーロード

ノーロードとは、投資信託などの金融商品を購入する際に「購入手数料がかからない」という特徴を表す言葉です。通常、投資信託を買うときには購入金額の一定割合が手数料として差し引かれることがありますが、ノーロード型の投資信託ではその手数料がゼロになっています。そのため、投資した金額のすべてを運用に回すことができ、コスト面で有利になります。特に長期投資を考える初心者にとっては、手数料の負担が少ないことは大きなメリットといえます。ただし、ノーロードでも信託報酬などの運用中にかかる費用はあるため、商品の内容をしっかり確認することが大切です。

ポートフォリオ

ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。

ボラティリティ

ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。

為替ヘッジ

為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。

繰上償還(投資信託)

繰上償還とは、投資信託や債権などにおいて、運用資産が少なくなり一定規模を下回った場合に運用会社が効率的な運用をすることが難しくなったと判断して、償還期日(あらかじめ設定されていた期限)を繰り上げて、償還期日よりも前に償還することをいう。投資目的を早期に達成した場合にも行われることがある。

つみたてNISA

つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を応援するために、国が用意した税制優遇制度のひとつです。正式には「少額投資非課税制度(NISA)」の一種で、一定の条件を満たした投資信託やETFに積立投資をすることで、その運用益や分配金が最長20年間、非課税になります。 対象商品は金融庁が選定した長期投資にふさわしい商品に限られているため、初心者でも安心して始めやすい制度です。毎年の投資上限額が決まっており、計画的に資産を育てていくのに向いています。将来の資産形成を目指す人にとって、つみたてNISAは非常に有効な選択肢のひとつです。

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

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