新興国株式は「おすすめしない」「やめとけ」と言われましたがなぜでしょうか?
新興国株式は「おすすめしない」「やめとけ」と言われましたがなぜでしょうか?
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2025/07/18 08:19
男性
30代
資産運用を始めようと思って調べていると、新興国の株式は避けた方がよいという意見を見かけました。でも、新興国は経済成長率が高いと聞くので不思議です。なぜ、新興国株式はおすすめされないのでしょうか?
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
新興国株式投資には4つの主要リスクがあります。
第一に、経済成長と株価上昇の乖離です。新興国では政府規制や国有企業優遇により、企業利益が株主に十分還元されない構造があり、国家主導の経済運営下では成長が必ずしも株価上昇に結びつきません。
第二に、為替変動リスクです。新興国通貨はインフレや経常赤字の影響を受けやすく、長期的に円高方向へ進む傾向があります。現地株価が上昇しても円換算後のリターンは目減りする可能性があります。
第三に、市場の未成熟さによる流動性リスクです。取引参加者が少ないため売買成立に時間がかかり、市場混乱時には価格急落やストップ安により希望価格での売却が困難になります。
第四に、政治的・制度的リスクです。政情不安、突然の規制変更、資本規制導入など予測困難な政策リスクがあり、企業ガバナンスや会計制度の未整備により財務情報の信頼性も懸念されます。
これらを踏まえ、新興国株式はポートフォリオの一部にとどめ、投資信託やETFで分散投資することが望ましいでしょう。その際、信託報酬、構成国比率、為替ヘッジの有無を確認し、運用目的や全体の資産配分に照らして慎重に位置づけることが重要です。
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為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
流動性
流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。
政治リスク
政治リスクとは、ある国や地域の政治状況の変化が、経済活動や投資に悪影響を与える可能性を指すリスクのことです。たとえば、政権交代や規制強化、課税方針の変更、国有化、戦争や暴動などが発生すると、企業活動や市場に大きな混乱をもたらすことがあります。 特に新興国や政情が不安定な国では、政治リスクの影響が顕著に現れることが多く、投資先として検討する際には慎重な判断が求められます。資産運用では、こうした政治的な動向が為替、株価、金利、商品価格などに広く影響するため、グローバルな投資を行う際には不可欠な視点となります。投資先の多様化(分散投資)や情報収集を通じて、こうしたリスクに備えることが重要です。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。







