ソニー生命の「米ドル建一時払終身保険」の主なメリットは?
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2025/07/24 09:35
男性
60代
退職金や余裕資金を効率的に増やしたいと考え、外貨建保険を検討しています。ソニー生命の米ドル建一時払終身保険は高予定利率で資産増や相続税非課税枠を活用できると聞きましたが、為替リスクや手数料を踏まえても加入メリットは大きいのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ソニー生命の「米ドル建一時払終身保険」の第一の魅力は、高予定利率による資産増加です。米ドルは円より金利水準が高く、契約時に確定した予定利率が終身続くため、複利効果により解約返戻金も死亡保険金も円建て商品を上回る水準で推移しやすいです。
特に契約後十五年間は死亡保険金が毎年逓増し、早期死亡時の保障額を効率的に高められます。
第二のメリットは相続対策です。受取人を法定相続人に設定すれば「500万円×人数」の非課税枠が適用され、円建て資産より評価額を圧縮できます。保険金は受取人固有財産となり遺産分割協議を経ずに支払われるため、納税資金確保も容易です。
第三に通貨分散効果があります。外貨建資産を持つことで円安時の購買力低下を補い、日本経済のリスクを分散できます。為替手数料は一ドル0.01円と低く設定され、実質運用コストを抑制できます。ただし円高局面では円換算価値が減少するため、受取時期や解約タイミングを計画的に選ぶ必要があります。
長期保有と為替リスクを許容できるかを確認したうえで、資金余力に応じた保険料を設定することが重要です。
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関連する専門用語
終身保険
終身保険とは、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって保障が続く生命保険のことです。契約が有効である限り、いつ亡くなっても保険金が支払われる点が大きな特徴です。また、長く契約を続けることで、解約した際に戻ってくるお金である「解約返戻金」も一定程度蓄積されるため、保障と同時に資産形成の手段としても利用されます。 保険料は一定期間で払い終えるものや、生涯支払い続けるものなど、契約によってさまざまです。遺族への経済的保障を目的に契約されることが多く、老後の資金準備や相続対策としても活用されます。途中で解約すると、払い込んだ金額よりも少ない返戻金しか戻らないこともあるため、長期の視点で加入することが前提となる保険です。
逓増率(ていぞうりつ)
逓増率とは、時間の経過にともなって徐々に増えていく割合のことを指します。資産運用や保険商品の設計などでよく使われる言葉で、たとえば毎年一定の割合で保険金や年金の支払い額が増えていくような仕組みに使われます。 この増加は一気に大きくなるのではなく、段階的に少しずつ上がっていく点が特徴です。特にインフレへの備えや、将来的な生活費の増加に対応するために、支払いや受取額を徐々に高める契約を設計する際に重要になります。
予定利率
予定利率は、生命保険会社が保険契約者に対してあらかじめ約束する運用利回りのことです。これは保険会社が保険料を計算する際に用いる重要な指標の一つで、契約者から払い込まれた保険料を運用して得られると予想される運用利回りを表します。 予定利率は保険料の設定に大きな影響を与えます。予定利率が高い場合は保険料が安くなり、低い場合は高くなります。これは、高い予定利率では将来の運用によるリターンを多く見込めるため、保険料を低く抑えることができるからです。 予定利率の決定方法は、まず金融庁が国債の利回りなどを参考に「標準利率」を設定し、その後各保険会社が標準利率を基準に自社の状況を反映して決定します。 予定利率には特徴があり、契約時点の率が適用され、基本的には支払い終了時や更新時まで同率で変わりません。バブル経済期には高い予定利率の保険が多く販売され、これらは「お宝保険」と呼ばれています。近年は低金利環境により、予定利率は低下傾向にあります。 保険料の計算には予定利率以外にも、予定死亡率(性別、年齢別に想定される死亡率)や予定事業費率(保険会社の運営に必要な経費の割合)も影響します。これら3つの要因を合わせて「予定基礎率」と呼びます。
非課税枠
非課税枠とは、税金が課されない金額の上限を指し、様々な税制に適用される制度。 例えば相続税では基礎控除額として「3,000万円+600万円×法定相続人数」が非課税枠となる。贈与税では年間110万円までの贈与が非課税。また、NISA(少額投資非課税制度)では年間の投資上限額に対する運用益が非課税となる。 このような非課税枠は、税負担の軽減や特定の政策目的(資産形成促進など)のために設定されており、納税者にとって税金対策の重要な要素となっている。
通貨分散
通貨分散とは、資産を複数の異なる通貨で保有することで、特定の通貨に偏ったリスクを抑える投資手法のことです。たとえば、すべての資産を日本円で持っていると、円の価値が下がったときに資産全体の価値も目減りしてしまいますが、米ドルやユーロなど他の通貨で一部を保有していれば、その影響をやわらげることができます。通貨分散を行うことで、為替変動による影響を平均化し、より安定した資産運用を目指すことができます。 特に外貨建ての債券や投資信託などを活用することで、自然と通貨分散が実現できます。長期的な資産形成を考えるうえで、重要なリスク管理の一つです。
為替手数料
為替手数料とは、日本円を米ドルやユーロなどの外国通貨に両替する際にかかる手数料のことです。これは、銀行や証券会社などの金融機関が設定しており、為替レートに一定の上乗せをする形で反映されます。たとえば、実際の市場の為替レートが1ドル=150円でも、手数料が1円加わると、151円で1ドルを買うことになります。この差額が為替手数料です。 外貨預金や外貨建ての投資商品を購入する場合、また海外旅行で両替する際などに発生します。金融機関ごとに手数料が異なるため、取引前に比較することが大切です。また、為替手数料は小さなコストに見えても、取引回数が多くなると運用成績に大きな影響を与えることがあるため、注意が必要です。